社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「新電力会社」では安くならない?料金の仕組み
生活費が高騰する中、毎月の電気代も悩みの種。そんな中、新電力会社へ切り替えた世帯、切り替えを検討している世帯も少なくないことでしょう。乗り換えるとこんなところがオトク、現状の契約との差額がこんなに、などメリットが強調されがちな新電力会社なのですが、そもそも大手電力会社とは何が違うのか、その仕組みはご存じですか?実は必ず新電力会社の方が安いとも限らないんです。
その構造が変わったのは2016年の「電力の小売全面自由化(電力自由化)」。これ以降、大手電力会社以外でも電気の小売りをできるようになりました。電気は大きく分けて発電、送配電、小売の3つに分けることができ、新電力会社は小売り(や場合によっては発電)を行い、大手電力会社の送配電網を利用しています。2016年以降に電力小売りを始めた会社を一般的には「新電力会社」と呼び、資源エネルギー庁のサイトには2023年8月時点で700社以上が記載されています。大手電力会社の関連会社やガス会社などエネルギー系の会社や、通信系の関連会社、中にはお坊さんが起業したという異色の新電力会社もあります。
中でも大きな違いが出やすいのは市場連動型プランになっているかどうか。市場連動型プランは単価が決まっておらず、「日本卸電力取引所(JEPX)」の取引価格(=市場価格)に連動して、電気料金単価が決まる仕組みです。JEPXの料金は需要に応じて決まるため、電気使用量が多くない深夜に電気使用量が多いご家庭はメリットを受けやすいでしょう。一方で市場価格が高騰するとそれに合わせて電気代も上がるため、電気使用量から電気代が読みづらいというデメリットがあります。2021年1月に寒波の影響で電力需要が増加した際は、一時、最高価格 250 円/kWh を超えることもありました(一般的に目安として使われる値は27円/kWh)。
選択肢が増えること自体は消費者にとって良いことですし、メリットとデメリットをしっかり理解して、ご自身に合う電力会社を選び、生活の質を上げていきましょう。
お坊さんが起業した異色の新電力会社も
まずは大手電力会社について。北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、九州電力、中国電力、四国電力、沖縄電力の10社を指し、口述する電力の小売り自由化までは居住地域ごとに独占的に電力の供給を行っていました。東京電力管轄のエリアに住んでいる場合、「九州電力の方が安いから切り替えたいな」と思っても変えられなかったわけです。その構造が変わったのは2016年の「電力の小売全面自由化(電力自由化)」。これ以降、大手電力会社以外でも電気の小売りをできるようになりました。電気は大きく分けて発電、送配電、小売の3つに分けることができ、新電力会社は小売り(や場合によっては発電)を行い、大手電力会社の送配電網を利用しています。2016年以降に電力小売りを始めた会社を一般的には「新電力会社」と呼び、資源エネルギー庁のサイトには2023年8月時点で700社以上が記載されています。大手電力会社の関連会社やガス会社などエネルギー系の会社や、通信系の関連会社、中にはお坊さんが起業したという異色の新電力会社もあります。
市場連動型プランかどうかで大きな違い
新電力会社は大手電力会社に比べて電気代が安くなることがある、利用スタイルに応じた様々なプランが選べる(大手電力会社でもプランは複数ありますが、トータルの選択肢は当然新電力会社の方が多くなります)、携帯電話料金やガス料金などともセット割を用意している会社もあるなどのメリットがあります。再生可能エネルギーで発電した電気のみを供給している新電力会社もあるため、環境を意識して電力会社を選ぶ、ということもできるような時代になってきています。一方で使い方や契約プラン次第では大手電力会社より高くなることもありますし、契約期間の縛りがあるケースもあります。中でも大きな違いが出やすいのは市場連動型プランになっているかどうか。市場連動型プランは単価が決まっておらず、「日本卸電力取引所(JEPX)」の取引価格(=市場価格)に連動して、電気料金単価が決まる仕組みです。JEPXの料金は需要に応じて決まるため、電気使用量が多くない深夜に電気使用量が多いご家庭はメリットを受けやすいでしょう。一方で市場価格が高騰するとそれに合わせて電気代も上がるため、電気使用量から電気代が読みづらいというデメリットがあります。2021年1月に寒波の影響で電力需要が増加した際は、一時、最高価格 250 円/kWh を超えることもありました(一般的に目安として使われる値は27円/kWh)。
選択肢が増えること自体は消費者にとって良いことですし、メリットとデメリットをしっかり理解して、ご自身に合う電力会社を選び、生活の質を上げていきましょう。
<参考サイト>
・【新電力】メリット・デメリット|登場背景・特徴もわかりやすく解説 | 電力 | 福井新聞ONLINE
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1440074
・大手電力会社の一覧 | 電力事業所
https://denryoku-jigyousho.jp/denryokugaisha
・登録小売電気事業者一覧|電気事業制度の概要|資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/retailers_list/
・【電気料金値上げ】 新電力を検討したほうがいい? | ファイナンシャルフィールド
https://financial-field.com/household/entry-225184
・市場連動型プランとは?どこの新電力・電力会社が扱っている? | 電力比較サイト エネチェンジ | 電力・ガス比較サイト エネチェンジ
https://enechange.jp/articles/market-linkage-plan-summary
・今年の冬は大丈夫?LNG高騰による電力需給の現状 | ホールエナジー|非化石証書購入代行、コーポレートPPAコンサル
https://www.whole-energy.co.jp/column/2768/
・【新電力】メリット・デメリット|登場背景・特徴もわかりやすく解説 | 電力 | 福井新聞ONLINE
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1440074
・大手電力会社の一覧 | 電力事業所
https://denryoku-jigyousho.jp/denryokugaisha
・登録小売電気事業者一覧|電気事業制度の概要|資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/retailers_list/
・【電気料金値上げ】 新電力を検討したほうがいい? | ファイナンシャルフィールド
https://financial-field.com/household/entry-225184
・市場連動型プランとは?どこの新電力・電力会社が扱っている? | 電力比較サイト エネチェンジ | 電力・ガス比較サイト エネチェンジ
https://enechange.jp/articles/market-linkage-plan-summary
・今年の冬は大丈夫?LNG高騰による電力需給の現状 | ホールエナジー|非化石証書購入代行、コーポレートPPAコンサル
https://www.whole-energy.co.jp/column/2768/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
トランプ関税はアダム・スミス以前の重商主義より原始的
第2次トランプ政権の危険性と本質(2)トランプ関税のおかしな発想
「トランプ関税」といわれる関税政策を積極的に行う第二次トランプ政権だが、この政策によるショックから株価が乱高下している。この政策は二国間の貿易収支を問題視し、それを「損得」で判断してのものだが、そもそもその考え...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/17
大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本
デモクラシーの基盤とは何か(2)明治日本の惑溺と多元性
アメリカは民主主義の土壌が育まれていたが、日本はどうだったのだろうか。幕末の藩士たちはアメリカの建国の父たちに憧憬を抱いていた。そして、幕末から明治初期には雨後の筍のように、様々な政治結社も登場した。明治日本は...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/16
【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?
編集部ラジオ2025(8)会員アンケート企画:トランプ関税
会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、「トランプ関税をどう考える?」というテーマでご意見をいただきました。
第2次トランプ...
第2次トランプ...
収録日:2025/05/07
追加日:2025/05/15
相互関税の影響は?…トランプが築く現代版の万里の長城
世界を混乱させるトランプ関税攻勢の狙い(1)「相互関税」とは何か?
トランプ大統領は、2025年4月2日(アメリカ時間)に貿易相手国に「相互関税」を課すと発表し、「解放の日」だと唱えた。しかし、「相互関税」の考え方は、まったくよくわからないのが実状だ。はたして、トランプ大統領がめざす...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/04/10
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
「重要思考」で考え、伝え、聴き、そして会話・議論する――三谷宏治氏が著書『一瞬で大切なことを伝える技術』の中で提唱した「重要思考」は、大事な論理思考の一つである。近年、「ロジカルシンキング」の重要性が叫ばれるよう...
収録日:2023/10/06
追加日:2024/01/24