テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.05.27

宝くじ高額当せん者の3つの「共通点」

 「宝くじが当たったらね」というセリフは、何かをねだったときに返ってくる常套句として一度は言われたことのある言葉ではないでしょうか。2022年のサマージャンボ宝くじは1等(5億円)+前後賞(1億円×2)合わせて、7億円です!

突然7億円が手に入ったとしたら、どんなことに使いましょうか。仕事なんて放りだして世界一周旅行へ、いや、いっそ宇宙へ、いやいや投資に回して将来の安心を買いますか。妄想は膨らみます。しかし妄想ばかりではどうにもなりません。今回は当てにいきましょう。

西、黄色、笑顔の販売員

 少し前になりますが、2015年8月、フジテレビ「ダウンタウンなう」では、「当せん総額12億円以上!宝くじに複数回当たった男たち」と題して、実際に当せんした人がインタビューを受けていました。

 そこで共通した事実は3点。一つ目は、「西」にこだわって買うということ。二つ目は、「黄色のものを部屋に置く」ということ。そして三つ目は、「笑顔の販売員から買う」ということでした。なんともぼんやりしていますが、風水を信じている人にとっては、方角や色といったところはおなじみなのかもしれませんね。

都道府県で当せん率に驚きの結果が!

 さらに過去の情報を探ると、『週刊ポスト』で2011年の三大ジャンボ(ドリーム・サマー・年末)で、各都道府県で発売された枚数に対して1億円以上の高額当せんが何本出たかという数字(都道府県別高額当せん率)を出しています。

 これによると、当せん確率が最も高いのは高知県ということです。603万枚販売して4本の高額当せんが出ているそうです。その確率は約151万分の1で、全国平均(428万分の1)から比べると「3倍近く当たりやすい」ということです。これに続くのは、熊本、福井、秋田、鹿児島で、22位の新潟が全国平均に近い427万6630分の1。ちなみに、高額当せん率ゼロは三重県で、1158万枚販売して高額当せんは1本も出なかったのこと。都道府県でこれほど差が出るとは驚きですね。

 しかし、これはあくまで2011年の古めのデータなので、毎年このような結果なのかどうかは、さらなる調査が必要ではありますが……。ちなみに、宝くじは、連番だと1等と前後賞が当たりやすくなりますが、1等の当せん確率はバラの方が高いそうです。

宝くじの売り上げは公共の福祉に

 宝くじの収益金は、そのおよそ40パーセントが地方の公共事業に割り当てられています(2020年度)。具体的には、高齢化少子化対策、防災対策、公園整備、教育及び社会福祉施設の建設改修などが挙げられています。

 つまり、使われ方としては実は税金の役割に近いところを担っているのです。私たちが様々な妄想をし、「今年こそは」と夢を買うことによって、地方が少しでも安全で暮らしやすい場所になるのならば、買って当たらなくても損をしたなんて思うこともないはずです。買えば買うほど世の中が少しよくなる、そんなお金の使い方、悪くはないですよね。

<参考サイト>
・宝くじ公式サイト
http://www.takarakuji-official.jp/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは

アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは

日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道

機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的...
収録日:2025/04/13
追加日:2025/07/01
木下康司
元財務事務次官
2

相互依存で平和は保てるか…EUの深化・拡大の難題とは

相互依存で平和は保てるか…EUの深化・拡大の難題とは

地政学入門 ヨーロッパ編(9)EUの深化・拡大とトルコの問題

国際政治の理論として国同士の経済交流、相互依存が安全保障、つまり平和を維持できると伝統的に考えられてきたが、今般の国際政治ではそれは必ずしも当てはまらないようだ。そこでEUの問題である。国の垣根を越えて世界国家に...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/06/30
小原雅博
東京大学名誉教授
3

最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか

最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか

第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ

反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28
柿埜真吾
経済学者
4

江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事

江藤淳と加藤典洋――AI時代を生きる鍵は文芸評論家の仕事

AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(1)AIに代わられない仕事とは何か

昨今、生成AIに代表されるようにAIの進化が目覚ましく、「AIに代わられる仕事、代わられない仕事」といったテーマが巷で非常に話題となっている。では、AIに代わられない事とは何であろうか。そこで、『江藤淳と加藤典洋』(文...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/06/25
與那覇潤
評論家
5

寝ないとよく食べる…睡眠不足が生活習慣病を招く理由

寝ないとよく食べる…睡眠不足が生活習慣病を招く理由

睡眠と健康~その驚きの影響(1)睡眠が担う5つのミッション

私たちに欠かせない「睡眠」。そのメカニズムや役割についていまだ謎も多いが、それでも近年は解明が進み、私たちの健康に大きく関与することが明らかになっている。まずは最新情報を盛り込んだ睡眠が果たす5つの役割を紹介し、...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/06/05
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授