社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
謙遜に聞こえない!いき過ぎた「身内けなし」をしていませんか?
うちの人なんて
友人同士でもなかなかすべてを本音で語るのは難しい。たとえば女性同士で話しをする場合、よく思われようと思って、旦那さんや彼氏を悪く言ってしまう。そんな経験をしたことはありますか。実はそれ、かえって人間関係を悪くしているかもしれません。今回は、謙遜のつもりが行き過ぎてしまった「身内けなし」について考えていきたいと思います。
謙遜は美徳?
昔から謙遜は、傲慢さを抑えへりくだる美しい精神とされてきました。キリスト教では高慢な気持ちをおさえ、自分の罪を認めること、儒教では兄弟(弟)に財産を譲ることを指しました。武士道では相手との正しい関係において自分の意志を損なわず、礼儀を重んじることを良しとしました。おごりたかぶる傲慢な人を好きになるのは難しいことだと思います。自分もそうでありたくないという気持ちにもなりますね。しかし、謙遜も行き過ぎると、歪んでいってしまいます。そのひとつの形が、身近な異性をけなす行為なのでしょう。
たしかに、「うちの~なんて」と言いたくなる気持ちはわかります。でもそれが本心であり、深刻な問題の場合は、ちゃんとした「相談」で解決すべきであり、軽い気持ちで言ってしまうのはおすすめできません。
言ったことはホントになる
旦那さんや彼氏の「けなし」を本人が聞いていたとしましょう。「自分はこれほどにまで認められていないのか」という気持ちにさせてしまいます。すると自信をなくし、本当によくないところが顕著になるのではないでしょうか。人はなかなか、けなされて改善しようという気を起こさないもの。けなす側も、改善してもらおうとまでは思っていないかもしれません。ただ自分は謙遜しただけ、友人の機嫌をとろうとしただけではないでしょうか。でも、そうした行為が相手を傷つけているかもしれないと自覚しましょう。
また、「けなす」もまた、それが癖になってしまいます。人前だと旦那さんも彼氏も何も言えません。するとそれが許されてしまったかのように勘違いをして、本当に些細なことが気になって、「不満」へと変わっていってしまうのです。これではうまくいくはずがありませんね。
聞く人も良くとらえてくれない
人の自慢が好きではない人はいると思います。とはいえ、あまりにひどいけなし方をする人を見ると、言っている人の印象も下がってしまいます。自分のことならまだしも、旦那さんも彼氏もあくまで他人なのです。人様を悪く言う人間性であるとみられてもおかしくないのです。あなた自身が優しく善良であっても、こんなところでマイナス印象を抱かれるのは悔しいですよね。ラブラブぶりを見せつける必要はないのですから、どんなに恥ずかしくても、けなしすぎないということを心がけてください。褒めるもけなすも控えめに
外国では恋人をほめちぎって、赤面させるだとか、自慢のしあいになって、それで関係が良好になるとかいう文化もあるそうです。しかし、日本人は何もそこまでする必要はないでしょう(もちろん、そのスタイルが良ければ貫けば良いのです)。日本には日本の文化があり、人との接し方、距離感も人それぞれ。でもだからこそ、へりくだることだけが正しいと思わないことが大事。極端なことを避け、自信は適度に持ち、時にやんわりと謙遜する。緩急をつけて接すれば、旦那さんも彼氏も、この人といつまでも一緒にいたいと思ってくれるのではないでしょうか。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,700本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
2025年8月、米露、米ウクライナ、EUの首脳会談が相次いで実現した。その成果だが、中でもロシアにとって大成功と呼べるものになった。ディール至上主義のトランプ政権を手玉に取ったロシアが狙う「ベルト要塞」とは何か。事実上...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/12/21
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
平和のための「国家連合」。このアイデアの源はサン=ピエールなのだが、現在ではカントの著作『永遠平和のために』が起源だともてはやされることが多い。その理由としては、「なぜ国家連合が必要なのか」「そもそもなぜ平和が...
収録日:2025/08/02
追加日:2025/12/22
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはか...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/18
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
「逆境とは何に逆らうことなのか」「人はそもそも逆境でしか思考しないのではないか」――哲学者鼎談のテーマは「逆境に対峙する哲学」だったが、冒頭からまさに根源的な問いが続いていく。ヨーロッパ近世、ヨーロッパ現代、日本...
収録日:2025/07/24
追加日:2025/12/19
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
日進月歩の進化を遂げている生成AIは、私たちの生活や仕事の欠かせないパートナーになりつつある。企業における生成AI技術の利用に焦点をあてる今シリーズ。まずは世界的な生成AIの導入事情から、日本の現在地を確認しよう。(...
収録日:2024/11/05
追加日:2024/12/24


