社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
Amazonの読み放題が暗礁に乗り上げた理由とは
ネット通販の巨人・Amazonが8月に月額980円で始めた読み放題サービス「kindle unlimited」。これまで電子コミックや雑誌の読み放題はあったものの、単行本やコミックが12万冊という大規模なサービスは今回が日本初だったため、大きな期待を持たれてスタートを切ったはずでした…。ですが、たった2カ月で早くも暗礁に乗り上げているのです。
これに対し、「大変困惑し、憤っております」「強く抗議いたします」と、企業のリリースとしてはめったに見ないきつい言葉遣いで抗議したことで、多くのメディアが報道。さらに小学館や光文社も同じような仕打ちを受けていることが明らかになりました。
大手出版社だけでなく、「ブラックジャックによろしく」「海猿」などで知られる漫画家の佐藤秀峰氏も自身の作品が次々とリストから外されていることを明かし、10月5日には「訴訟を提起します」と意思を示しました。
10月5日のニコニコ生放送「【Amazon vs 出版社!?】Kindleアンリミテッドに限界はくるのか?」に出席した出版社社員は「5カ月分の予算を1週間で使い切ってしまった」と裏事情を明かしていました。
小説や専門書がメインだった海外の先行例に比べ、日本はコミックや写真集の利用比率が多いためAmazonの想定外の使用料になったという説もあります。もしそうだとしたら読みの不足感は否めませんし、そうでないにしてもきちんとした事情説明は必要でしょう。単なる1ネット企業ではなく、出版業界のルールを揺るがしかねないサービスを導入しているという自覚を持った対応が望まれるところです。
Amazonが一方的に作品を除外?
読み放題リストに入っていた本が消えていると少しずつ話題になっていましたが、世間の注目を大きく集めたのは講談社が10月3日に発表した声明です。同社は1000作品以上「kindle unlimited」に提供していたものの、「アマゾン社側の一方的な事情により、同社ランキング上位に並ぶ書目が提供元の弊社に何らの連絡もなく、配信を停止されるという事態が発生」したというのです。これに対し、「大変困惑し、憤っております」「強く抗議いたします」と、企業のリリースとしてはめったに見ないきつい言葉遣いで抗議したことで、多くのメディアが報道。さらに小学館や光文社も同じような仕打ちを受けていることが明らかになりました。
大手出版社だけでなく、「ブラックジャックによろしく」「海猿」などで知られる漫画家の佐藤秀峰氏も自身の作品が次々とリストから外されていることを明かし、10月5日には「訴訟を提起します」と意思を示しました。
「5カ月分の予算が1週間で尽きた」説も
Amazonは「他社との取引の内容については情報を公開していないため、コメントできない」とノーコメントを貫き、出版社側も契約内容は明かしていないため具体的な事情は明確になっていません。ですが、Amazonが一部の出版社に対し、年内に限り上乗せした料金を支払うと約束していたものの、想定以上の人気で上乗せ予算が尽きたとも言われています。10月5日のニコニコ生放送「【Amazon vs 出版社!?】Kindleアンリミテッドに限界はくるのか?」に出席した出版社社員は「5カ月分の予算を1週間で使い切ってしまった」と裏事情を明かしていました。
小説や専門書がメインだった海外の先行例に比べ、日本はコミックや写真集の利用比率が多いためAmazonの想定外の使用料になったという説もあります。もしそうだとしたら読みの不足感は否めませんし、そうでないにしてもきちんとした事情説明は必要でしょう。単なる1ネット企業ではなく、出版業界のルールを揺るがしかねないサービスを導入しているという自覚を持った対応が望まれるところです。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
チベット、内モンゴル、新疆ウイグルなど、少数民族に対する深刻な人権侵害をめぐって欧米諸国から強い批判を浴びている中国。しかし、こうした人権問題は今に始まったことではない。中華人民共和国建国の経緯と中国共産党の思...
収録日:2021/10/15
追加日:2021/12/24
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
高度成長のために頑張った日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の評価を得たが、その後の日本企業の凋落、競争力の低下を考えると、その弊害を感じずにはおられない。読書人口が減っている現状をみると、いつのまにか「世界...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/12/01
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントが世界的に普及し始めたのは1990年代。ソフトウェア産業の発展とともに拡大を続け、時代のニーズを受けて多くのシーンに定着してきた。今回は、その基本に立ち返り、国際標準をもとに、プロジェクトと...
収録日:2025/09/10
追加日:2025/12/03
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
歴史上の出来事の本質を知るには、その真贋を見定めなければいけない。そのためにはどうすればいいのか。記述の異なる複数の本がある場合、いかにして真実を見極めるか。また、司馬遼太郎の作品が「歴史事実」として認識されて...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/12/02
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
お酒やコーヒーなど世の中には睡眠に良くないのではないかといわれるものがある。また、現代においては特に、スマホの「ブルーライト」が睡眠には大敵だといわれているが、それらは本当に悪者なのか。一般に良い睡眠を妨げると...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/30


