世界を変えた「フラッシュメモリ」
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
フラッシュメモリの歴史は「非常識なアイデア」から
世界を変えた「フラッシュメモリ」(2)誕生秘話・発明編
佐々木健一(NHKエデュケーショナル 特集文化部 特集事務局 シニアプロデューサー)
フラッシュメモリは、意外にも「性能を悪く」して生まれたものだった。当時の業界からすれば、あまりに“非常識”な発想で、受けいれられるものではなかった。しかし、その発想をきっかけに、メモリ業界に革命を起こしていくこととなる。(全5話中第2話)
時間:15分44秒
収録日:2018年10月19日
追加日:2019年1月4日
≪全文≫

●フラッシュメモリは、「性能を悪く」したものだった


 今回から、「フラッシュメモリ誕生秘話」を2回に分けてお届けします。まずは「発明編」です。

 フラッシュメモリは、具体的に何がすごかったのでしょうか。舛岡富士雄さんは、次のように語りました。

「性能を悪くしたのです」

 かなり疑問ですよね。なぜ「性能が悪い」ことが「すごい」のでしょうか。これは、フラッシュメモリを理解する上で、非常に重要なポイントです。

 私は文系ですので、また例え話でこのことを分かりやすくご説明します。まず、メモリ(記憶領域)というものが従来、どのような形のものだったかをご紹介します。


●従来のメモリと「フラッシュメモリ」の違い


 フラッシュメモリが登場する以前のメモリの構造は、土地や不動産に例えると、碁盤の目のようになっているのが普通でした。縦横に“◯丁目◯番地”という表示板があるようなイメージです。それが、一つ一つの回路、部品に付いている感じです。

 どこか一箇所を書き換えたい時は、特定の“番地”を指定して書き換えを行います。つまり、「書き換えたいところだけを書き換えられる」のです。これは、すごく便利ですよね。

 一方、舛岡さんはまず、1980年に「フラッシュメモリ」の原理的なアイデアを思い付きます。このフラッシュメモリの“概念”を思い付いたことが非常にすごいことなのですが、その内容は次のようなものでした。

 これは、従来の碁盤目状のメモリの形です。

 それに対して舛岡さんが考えたのは、先ほどのように碁盤目状に細かく分かれたものではなく、地域単位、つまり、それぞれが“小さな町”のようになっている構造です。細かな縦横の番地でなく、ブロック単位で土地が区切られている、ざっくりした大きな区分けです。

 この場合、書き換えはどのように行われるのでしょうか。書き換えたい場所がある場合、まず、その“町”を丸ごと他の場所へ一旦コピーします。そこでコピーした先のデータの書き換えが行われます。

 コピー元の、もともとあった地域(町...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
不便益システムデザインの魅力と可能性(1)「便利・不便」「益・害」の関係
便利を求めるだけのいいの?…「不便益」で発見できる新たな魅力
川上浩司
組織改革の要諦~活性化と人材活用(1)準備、スピード、タイミング
組織改革は最初に全体像と将来像を示すのが重要
秋池玲子

人気の講義ランキングTOP10
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
中国春秋戦国時代と始皇帝(2)諸子百家と春秋五覇
諸子百家を生んだ東方大平原の「小都市国家群」のダイナミズム
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
編集部ラジオ2026(22)「中国古代史」特集紹介!
【10min解説】「中国古代史という知の宝庫」特集の各話紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(4)ユダヤ人と金融
金融業にユダヤ人が多い理由、そして大国興亡史の裏面のユダヤ人
鶴見太郎
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
老子の神髄(6)無為と矛盾のススメ
無為とは緊張感を持って見つめること…なぜ矛盾を大歓迎すべきか
田口佳史
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉