教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ローマ建国の伝説に秘められた意外な歴史とは
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(8)ローマ史を振り返る
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
「人類の経験の全てが詰まっている」といわれるローマ史を簡単に振り返る。そこでは、ローマ建国の伝説、ローマ共和政の成立とローマ文化の発展、ポエニ戦争での勝利とローマの覇権掌握、この3つの時期に分けた解説が展開される。(2018年11月28日開催10MTVオピニオン特別講演会<教養としての「世界史」と「ローマ史」>より、全11話中第8話)
時間:7分06秒
収録日:2018年11月28日
追加日:2019年8月3日
≪全文≫

●ローマ建国の伝説


 ここからは、世界史の中の1つの典型として、「ローマ史の中に人類の経験が全て詰まっている」という丸山眞男先生のお言葉に少し倣って、ローマ史を簡単に振り返っていきます。

 ローマの始まりについては、双子の兄弟が雌オオカミに育てられた後に捨てられるという伝説になっているわけです。しかし、ローマ建国の時代にまでさかのぼっていくと、その双子の兄弟が成人してローマを建国した後、どうも何かが足りないということになります。

 何が足りないかといえば、われわれの周りには女性がいないということになります。そこで、女性がいなければもちろん楽しくないだろうし、それからまず子孫ができないということで、周りにいたサビニ族の中から略奪してくるわけです。

 そうすると、サビニ族は怒って、今度はローマに復讐しようとします。しかし、サビニ族から略奪された女性はローマ人の妻になっていて、子どももいる。両者が対決するとなると、サビニ人はもともと自分の兄弟であったり親であったりするわけだから、ローマにいる女性からすると、私たちの立場になってくださいということになる。戦いになれば、自分の夫や子どもが殺されるかもしれないし、逆にサビニ族側の親や兄弟が殺されるかもしれない。そこで両者の対立は結局、和解したという伝説が残っているわけです。

 それはともかくとして、現代に目を移しますと、IS(イスラム国)が出始めた頃に、女性たちを略奪してくるという事件が、つい4年前か5年前くらいに盛んに報道されていました。実はこの事件は、ローマの話と似ているのです。ですからヘーゲルなどは、ローマは後にこそ立派な国家だと見なされているが、建国の時代までさかのぼれば、要するに略奪国家である、そのように言っています。だからこそ、ローマを美化しようとして、いろいろな伝説が出来上がっていくわけですが、ローマもさかのぼれば、そういった略奪の歴史があるということは、否めません。


●ローマ共和政の成立と当時の文化


 これは、「ルクレティアの陵辱」という事件を描いた絵です。ローマの最初の頃には、7代の王様がいました。その最後の方にエトルリア系の王様がいたのですが、その親族の...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(1)厚木飛行場に降り立った占領者
敗戦した日本の武装解除はなぜ無血だったか…その背景とは
島田晴雄
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(4)消された歴史を掘り起こす
根本博の功績は台湾では消されていた…取材でいかに正史を変えたか
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(4)共感としての見えざる手
利とは、義の和である…なぜ道徳的なふるまいが企業活動に重要か
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
戦前派一日本人の憂鬱~太平洋戦争と敗戦後を顧みて…(1)
『きけわだつみのこえ』を読むと今でも涙が止まらない
野田一夫
地政学入門 歴史と理論編(7)戦争を起こさないための地政学
トゥキディデスの罠の教訓…大事なのは戦争回避の4ケース
小原雅博