クラシックで学ぶ世界史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ヘンデルがロンドンで成功を収めた要因とは?
クラシックで学ぶ世界史(3)ヘンデルと近代市民社会
片山杜秀(慶應義塾大学法学部教授/音楽評論家)
商業革命から産業革命の流れを受けて、当時もっとも隆盛だったロンドンで成功を収めたのがヘンデルである。ブルジョワという新興階級が出現し、彼らは音楽をステータスとして求めたが、それに合唱という手段で応えたのがヘンデルの成功要因だった。(全13話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:9分17秒
収録日:2019年8月26日
追加日:2019年10月26日
≪全文≫

●北ドイツから英国へ、王に随行していったヘンデル


―― 前回はバッハが音楽史上、かなり特異な位置にあった話をうかがいました。音楽室に並んでいる肖像画ですと、その後、ヘンデルとかハイドンなどが続く時代がきます。ああいった方々は、どういう位置づけになるんでしょうか。

片山 バッハがドイツの地方都市であるライプツィヒで一生懸命仕事をしていた頃、まったく同時代人だったヘンデルは、ドイツからイギリスに渡ります。

 その頃、イギリスの王室が絶えてしまうので、近い血筋から新しい王を呼ぼうという動きがあり、北ドイツのハンブルクに近いハノーファーの領主だった人が、イギリスの国王として迎えられました。ジョージ1世という王になりますが、もともとは「ゲオルグ」です。イギリスの王家(ステュアート家)と血のつながりがあるために連れてこられましたが、ドイツ語しかできない、つまり英語の分からない王になりました。

 そのジョージ1世にハノーファー時代から仕えていて、一緒にロンドンへやってきた、雇われ音楽家がヘンデルでした。ロンドンに来た彼は、王のための音楽をつくる一方、近代市民社会ともいち早く関わっていきます。


●新興ブルジョワ階級の音楽嗜好に「合唱」で応える


片山 当時のロンドンは、商業革命から産業革命という時代の流れができて、近代市民社会がどんどん発達する時代でした。今われわれが生きる時代の、いろんなものをつくって取り引きするシステムを、植民地を背景に行い始めたので、ヨーロッパでは真っ先にブルジョワという階級が発達します。

 ブルジョワには、突然金持ちになった成り上がりの人がたくさんいます。親の代までは貧しかったり、スコットランドやウェールズなど、イングランドの田舎の農村で生きていた人が、ロンドンへ出てきて商売をやったらうまくいったというケースです。ロンドン市民には、お金持ちになってステータスの付いたブルジョワがごろごろいたのです。そういう人は、ステータス・シンボルを求めます。それは、ヨーロッパ大陸で行われている、教会や王侯貴族の愛好する音楽に近づくことなのです。

―― まさに「教養としての音楽」的なところですね。

片山 そうです。当時だと、聞くよりもまず演奏する、つまり楽器で演奏してみる。ですが、楽器はやっぱりプロフェッショナルなもので難しいから、歌うことにする。そして...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係
片山杜秀
バッハで学ぶクラシックの本質(1)リベラルアーツと音楽
中世ヨーロッパの基礎的な学問「7自由学科」の一つが音楽
樋口隆一
『源氏物語』を味わう(1)『源氏物語』を読むための基礎知識
源氏物語の基礎知識…人物関係図でみる物語の流れと読み方
林望
『ロビンソン・クルーソー』とは何か(1)読み続けられる18世紀の小説
なぜ『ロビンソン・クルーソー』は“最初の近代小説”なのか
武田将明
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(6)日本人の現場力のすごさ
日本は助かる運命にあった…わが国は現場力で保っている国
門田隆将
インフレの行方…歴史から将来を予測する(6)高市政権誕生の影響
ポイントは財政悪化よりインフレ?…高市政権でどうなるか
養田功一郎
ドンロー・ドクトリンの台頭(3)脱地政学論と日本への影響
ドンロー・ドクトリンの正体は脱地政学論…日本の進む道は
東秀敏
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
進化生物学から見た「宗教の起源」(2)宗教の機能とメンタライジングの次元
毛繕いを代行!?脳の大型化が可能にしたメンタライジング
長谷川眞理子
編集部ラジオ2026(4)門田隆将先生「Fukushima50」の真実
【10分解説】福島第一原発事故…吉田昌郎氏と現場の底力
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子