クラシックで学ぶ世界史
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
20世紀のクラシック音楽の特徴と「2つの方向」とは?
クラシックで学ぶ世界史(12)革命と戦争の20世紀音楽
片山杜秀(慶應義塾大学法学部教授/音楽評論家)
20世紀の大衆の時代を迎え、音楽は国民を総動員するため、一層の分かりやすさを求められるようになる。また一方では、進歩の時代を体現するように、「新しさ」が最大のテーマにもなる。第二次大戦後の冷戦時代、東西の音楽はどう変化していったか。(全13話中第12話)
※インタビュアー:川上達史(10MTVオピニオン編集長)
時間:15分55秒
収録日:2019年8月26日
追加日:2019年12月28日
≪全文≫

●市民層の拡大で「分かりやすさ」を求められるクラシック


―― 前回うかがった19世紀を経て、第一次世界大戦も終わり、一般的に「革命と戦争の世紀」といわれる20世紀になっていきます。ここでまた、いろいろと状況が変わってくる。例えばドイツでは、以前にちょっと名前の出たナチスですが、ヒトラーのナチスは、まさにドイツ帝国をつくったワーグナーを旗印にして、ワーグナーの音楽とともに街頭行進するみたいなイメージの世界になっていきますし、また、ユダヤ系の音楽やアメリカのジャズのような音楽などは「退廃芸術である」として切り捨てようとしていったりもします。

 ロシアでも革命が起きてソビエトができるわけですけども、ソビエト連邦を象徴する作曲家といえば、やはりショスタコーヴィチでしょう。彼は最初、非常にヨーロッパ的なモダニズム系の曲を書いていきますけれども、戦争の後になると、ロシアの共産党からジダーノフ批判などといった批判をされて、非常に分かりやすくて、革命を讃美するような曲を、ある意味で「書かされる」ようになってきます。この20世紀の動きについては、先生、どのようにご覧になりますか?

片山 20世紀への流れを簡単にいうと、18世紀の貴族や王や教会の時代が、19世紀になる頃から市民の時代になって、もっと労働者階級が増えて20世紀に入ります。19世紀でも大分、文化・芸術が市民たちに支えられる部分はありました。でも、さらに人の数が拡大し、それぞれの趣味に合わせて音楽も変われば、そういうものを聞くことによって市民も高度なものを理解するようになる。それがぐるぐる回って発達していった歴史があると思います。20世紀になると、さらに工場労働、会社の事務労働、それから軍隊といったセクションが、どんどんどんどん拡大していくわけです。

 そうすると、第一次産業的な、こういうと怒られてしまいますが、別に教育をそれほど受けなくても親代々やってきたことで、とりあえずなんとかなるような産業に携わる人口は、相対的に減ってくる。義務教育の発達などもあり、それこそ「自由七科」じゃないけれども、国語や算数、理科、社会といろいろ勉強して、いろんな労働や軍隊生活などに対応できる知識・教養・技術を身に付ける人間のパーセンテージが増えるわけです。

 これは、文明国であればどこの国でもそうなります。そういう人間を巻き込み、動員し、慣ら...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
「万葉集」の聖徳太子――語りかける人(1)日本人の憧れ
聖徳太子と日本人…「実在しなかった」説の真相とは?
上野誠
深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(1)シェイクスピアの謎
シェイクスピアの謎…なぜ田舎者の青年が世界的劇作家に?
河合祥一郎
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ