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非常に特徴的なインセンティブの現金手渡し支給

東横インに学ぶ「女性活躍」の秘策(6)モチベーションアップ法

黒田麻衣子
株式会社東横イン 代表執行役社長
概要・テキスト
「チームのモチベーションをいかに向上させるか」は、経営者、役員、部長など、どのような立場のリーダーにも共通する悩みではないだろうか。多くのスタッフのモチベーションの源泉の1つである「報酬」と一緒に「思い」を渡す東横インの取り組みは、あらゆる組織の参考になる事例といえそうだ。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:08:18
収録日:2020/01/17
追加日:2020/04/30
≪全文≫

●給与とは別途支給される「インセンティブ」とは?


―― 女性が多い職場で、社員の皆さん、チームのモチベーションをどうやって上げていくかという点について、東横インならではの工夫はございますか?

黒田 一番特徴的なものはインセンティブの仕組みだと思っています。

―― インセンティブですか?

黒田 いろいろなインセンティブがありますが、特に当社は稼働率にこだわっています。

―― ホテルの客室がどれだけ埋まったかというものですか。

黒田 はい。売上高ではなく、とにかくお客様を何人入れることができたか、何人のお客様にご利用いただけたかをとても大事にしています。ですから、基本給とは別に、稼働率が高くなればインセンティブが上がる稼働率連動奨励金を支給しているのです。

―― 奨励金があるのですね。

黒田 数あるインセンティブのうちの1つですが、自分の店舗の稼働率に応じて支給するもので、同じ店舗で働くスタッフはすべて同じ率で支給しています。例えば先月、85パーセントの稼働率となった場合、ある係数を基本給にかけることになります。基本給が違うため、額としては支配人が一番大きく、パートの方は出勤の多い人が多くなるようになっていますが、係数については店舗の全スタッフ同じなのです。

―― 高い稼働率を達成した場合には、皆さんもらえるのですね。


●あえて給料日と違う日に「現金」で渡す


黒田 そうです。スタッフ全員で店舗の稼働率を上げるという意識を高めてもらう狙いがあるため、パートの清掃スタッフから支配人まで、全員がもらえるようにしています。同じ係数で渡せるということに加えて、渡す日も工夫しています。給料日が20日なのですが、給料日と給料日の間にインセンティブを渡すようにしているのです。

―― 10日あたりでしょうか。

黒田 そうですね。20日にもらえるのは普通のお給料で、ちょうどお給料がなくなってきた10日ぐらいに、あえて違う封筒に入れて現金でインセンティブをお渡しするようにしています。支配人たちから全スタッフに、「先月の稼働率はこれぐらいだったので、こういうインセンティブですよ」と渡すのです。

 インセンティブにはいくつか種類があって、例えばフロントは、会員を増やす役割を担っていますので、何人会員を増やせたかということもインセンティブに入っています。ですから、「あなたは先月会員...
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