宗教で読み解く「世界の文明」
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
イスラム教には民主主義や憲法といった考え方がない
宗教で読み解く「世界の文明」(3)一神教とイスラム教
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
一神教とは何か。もっとも理解しやすいのはイスラム教である。イスラム教の聖典であるコーランには、ムハンマドが啓示した神の言葉が書いてある。これにより、人々が従うべき法が示されることになる。(2019年11月12日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「宗教で読み解く世界」より、全9話中第3話)
時間:11分16秒
収録日:2019年11月12日
追加日:2020年5月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●イスラム教は一神教の特性を体現している


 まず、一神教についてお話しします。一神教とは、神さまが1人いるという考え方です。どうして1人なのかについては時間の関係で省略しますが、一神教には3つあります。一番古いのがユダヤ教です。それから、キリスト教とイスラム教です。ユダヤ教についても、時間がないので話しません。キリスト教とイスラム教だと、イスラム教のほうが分かりやすい。そこで、イスラム教はどのようなものか、お話しします。

 イスラム教には、アッラーという神がいます。これは名前ではなく、アラビア語で神という意味です。その下に、預言者ムハンマドがいます。アッラーがムハンマドに、啓示というのですが、要するにささやきかけるのです。言葉を教えてくれるのです。これは「Qur'an」と書いてコーランと読みます。コーランが法律になり、みんながそれに従います。これが、イスラム教徒、つまりムスリムの皆さんです。

 神が1人であり、預言者が1人、そしてコーランも1冊です。そのため、イスラム共同体も1つだと考えられています。このように、イスラム教は「1」であることをとても重視します。一神教なので、こうでなくてはなりません。この「1」ということを、タウヒードと言います。キリスト教は三位一体ですよね。それに比べると、イスラム教は一神教の原則に則って忠実ですから、非常にストレートで分かりやすいのです。


●コーランには何が書いてあるのか


 イスラム法学の本を読んでみると、みんな、「どうしてムスリムにならなければならないのか」ということが書いてあります。重要なのは、まずアッラーです。アッラーとは世界を創った神さまです。ですから、山も川も地球も月も星も太陽も全部、アッラーが創ったもので、アッラーのものです。これを承認しなくてはなりません。

 アッラーは、本当にいるのだろうかという疑問が生まれます。しかし、イスラム法学の本には、「アッラーは何者か。それはアッラーが知っている」としか書いてありません。神のことは人間にはよく分からないのです。

 次にアッラーが預言者ムハンマドを選びました。ムハンマドという人は、歴史的に実在した人物です。この人が預言者です。ムハンマドは何者なのでしょうか。それはアッラーが知っています。ムハンマド自身も知っています。仮に神も男性だと考えると、成人男性が2人、知っている...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(6)21カ条の要求と第一次世界大戦
日本が中国に出した「21カ条の要求」の罠と必然…不安定な満洲利権を手にした日本が直面した難題とは?
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫