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「戦争は勝てば面白いから、みんなやる」という一面の真理

作用と反作用について…人間と戦争(4)出征した父の教え

執行草舟
実業家/著述家/歌人
概要・テキスト
プーチンはソ連時代のノーメンクラトゥーラの生き残りだが、ノーメンクラトゥーラには極めて狡猾で権力を守るためなら人殺しも辞さないところがある。悪い官僚機構は、ホッブズの言う「リバイアサン」のようなものなのだ。一方、戦後の日本は、戦争を惨めなものと教えている。ところが執行草舟の父は、中国戦線で勝ち続けた連隊にいた。その父が執行草舟に「戦争ぐらい面白いものはない」といつも語っていたという。その心理はいかなるものなのか。そして、そのような真実の一面を理解したとき、世界はどのように見えるのか。(全10話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:14:12
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/22
カテゴリー:
≪全文≫

●悪い官僚機構はリバイアサンである


執行 ロシア人が今言っているロシア的な生き方とは、戦前の日本で言えば「国体」なのです。日本の東條英機や阿南惟幾が言っていたのは、戦争に勝つか負けるかではない。日本人が、先祖のような国体を守ったまま(生きる)。このままだと国体を持ったまま生きられないということです。

―― そうですね。同じなんですね。阿南が言っていたことと。

執行 そう。「国体」という言葉を使わないだけで。でもまだロシア人の場合なら、もう少し心が大きいので安心感もありますが、プーチンはいけません。ノーメンクラトゥーラだから。ノーメンクラトゥーラという言葉を今の人はもう忘れたでしょう。私が若い頃は、ノーメンクラトゥーラは世界悪の……。

―― 赤いノーメンクラトゥーラと言った。

執行 そう言いました、みんな。

―― 私もよく(言いました)。

執行 結局最後は、そいつらがソ連を潰した。

―― 潰したけれど、生き残っているわけですね。

執行 生き残りが大統領になってしまった。あれは大失敗ですね。

―― その仕組みの中で育っていますからね。

執行 ノーメンクラトゥーラは、ズル賢さだけはすごいですから。自分たちの権力を守るのは。だから、あの毒殺ではありませんが、一回、大統領になったら、抵抗する人は全部殺されているでしょう?

―― はい。

執行 よく言われています。だからもう、ちょっと大変です。トップがノーメンクラトゥーラというのが、ものすごく私は不安です。あのバカな官僚ですから、硬直した。ノーメンクラトゥーラは官僚主義の最も悪い、世界一の例ですから。スターリンが、それを作ったわけです。スターリン時代にできあがったのです。

―― レーニンから移る過程の中で、別物ができたわけですね。

執行 レーニンは革命家なので、もっと理想を生きた人間ですが、彼の子分からが悪いのです。レーニンの本を読むと、レーニンはスターリンを本当は外そうとしたのです。遺言にもありましたが、それ自体を全部隠されて、利用された。意識不明なところでお見舞いと称してレーニンのところに行って、後継ぎということで全部うまくやった。

 レーニンがスターリンを左遷させたというのは、証拠書類が残っています。今はもう出てきていますか、当時はそれをスターリンが(隠した)。レーニンはスターリンの危険は分かって...
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