作用と反作用について…人間と戦争
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戦争では司令官が「絶対勝つ」と思っている側が、必ず勝つ
作用と反作用について…人間と戦争(9)戦えない日本人
執行草舟(実業家/著述家/歌人)
戦争では「必ず勝つ」と司令官が思っている側が、最後は勝つ。「絶対に勝つ」と思えない日本は、永遠に戦争で勝てない。若い頃は、憲法改正派だったが、その意味で今は改正しないほうがいいと思っている。憲法第9条で「日本は戦わない」と書いてあるから日本は助かっているのである。湾岸戦争で日本の自衛隊は、はるかに装備の劣るオランダ軍に守ってもらい、それを恥ずかしいと思わなかった。こんな国が憲法改正しても、もはや意味がない。日本の憲法改正は遅すぎた。これは食品添加物など、さまざまな社会問題にいえる話で、今の日本人に解決することはできない。(全10話中第9話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:9分52秒
収録日:2022年5月19日
追加日:2022年8月26日
カテゴリー:
≪全文≫

●戦況の拮抗を破るのは「必勝の信念」


―― なるほど。でも三方ヶ原の戦いで武田信玄の(陣容)……。

執行 作用・反作用の話ですね。あれは作用・反作用の最後の形で、必ずあの形になります。戦争史は必ずあの形(鶴翼と魚鱗)になる。戦争で勝つ方法は、2つなのです。包囲殲滅するか、中央突破して各個撃破するか。それをやったのが三方ヶ原です。 武田軍が魚鱗の形、三角形で中央突破をしようとした。それを徳川軍が囲んで、輪を閉じて武田軍を殲滅しようとした。 

―― 包囲殲滅。

執行 勝ち負けはあるけれど、必ず勝ち負けの少し手前の状態。関ヶ原やアウステルリッツ(の戦い)など戦史を研究していくと、全部そうです。50グラムと50グラムで、まったく圧力がゼロになる。

 どちらも有利といえば有利、不利といえば不利。どちらが勝つか誰もわからない。だから、勝つのは本(『生くる』)にも書いたように、司令官の信念です。司令官が「絶対勝つ」と思っているほうが、必ず勝つ。

―― 危機と好機が紙一重なんですね。

執行 そう。私があの本でいいたかったことは、勝つほうも負けるほうも必ず同じ形になるということです。勝つと思っている人間は、必ず勝つ。負け犬、「負ける」と思っている人は、必ず負ける。だから日本はもう永遠にダメです、戦争は。
 
 私は右翼といわれてきた男ですが、憲法9条が日本を守っていると思っています。今、憲法9条がどうのこうのといっていますね。

―― はい。

執行 若い頃はもちろん憲法改正派でした。でも今は、この国を守っているのは9条だと思います。左翼的な意味ではなく、日本人は、もう戦うことができない。無理。「戦いをしてはいけない」という憲法があるから助かっているのです。
 
 私はそれを60歳を超えてから思うようになりました。60歳までは憲法改正をずっと声高に叫んでいた。それはそうです、アメリカから押し付けられたものなのですから。でも、「あれ?」と思って気がついたら、「いやあ、これは日本は守られてきたなあ」と思った。そのくらい日本はダメなのです。

―― もう戦えないですね。

執行 「絶対に勝つ」という信念の司令官が、日本には1人も生まれない。これだけは私が保証します。私がなれば勝てます、多分。でも私はなれない。私を司令官にしてくれる社会ではないので。
 
 昔のローマ帝国が強かった頃なら、素...

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