独裁の世界史~未来への提言編
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「父祖の遺風」が教えてくれる国を守る気概と歴史的教訓
独裁の世界史~未来への提言編(7)国を守る気概と歴史意識の構築
本村凌二(東京大学名誉教授/文学博士)
歴史上、成功した世界の指導者には「父祖の遺風」を守るという共通項があった。日本の「憲法9条」問題もそうした歴史的視座から捉えると、「国を守る気概」という重要な見方が浮かび上がってくる。かつてそれがない国を他国が救ってくれたという事例はあっただろうか。日本は今後どうふるまうべきか、世界史の教訓に学びたい。(全10話中第7話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分01秒
収録日:2020年8月7日
追加日:2020年12月11日
カテゴリー:
≪全文≫

●「父祖の遺風」と憲法9条の関係


―― 前回は指導者の条件のような部分にも入ってきましたが、 その中で少なくとも独裁的な部分を含めて成功したところとして印象的なのが、「独裁の世界史」シリーズを通して先生のお話に共通している「父祖の遺風」のような歴史意識を持ってやってきた人が指導者に立ったところが比較的成功しているケースが多いことです。そうではなくて、一種進歩主義的な考え方や何らかのルサンチマンを持つような指導者が立ったときには、独裁もたいていひどい形で失敗していってしまうようなパターンがあるのかと思います。

 今の日本なり世界を前提として、これまで言われた共和主義的なものを世界史に学ぶといったときに、これからどういうように歴史意識や父祖の遺風のようなものを構築していけばいいかというところになります。これについては、どのようにお考えでしょうか。

本村 今の話を聞くと、どうしても憲法9条問題に関わることを想起します。私は一貫して憲法9条第2項を削除すべきという意見の持ち主です。「絶対悪である戦争を廃絶しなければならない、戦争に訴えてはいけない」ということで、第9条はいいと思います。ところが、第2項で「そのためには」という形で自衛権すら否定しています。

 自衛権を否定することがなぜいいのかというと、結局戦力を持たなければ戦争にはならないからです。戦争はいつも自衛を口実に始まると言われますから、自衛権すら否定していれば戦争は始まらない。そうすれば、少なくとも自分たちから戦争を起こすことはない。そういう意見は理想主義的な意味では正しいかもしれないけれども、現在のように一歩先にどんなことが起こるか分からない局面になると、どうなのか。やはり非常事態・緊急事態は、いつもどこかで考えておかなければいけない問題です。

 あと何百年かたって人間がもう少し進化すると、お互いに信頼関係が持てたり、疑心暗鬼にならずにお互いの人間性を信頼できる段階に至るかもしれない。そうすれば、そういう考え方でもいいと思いますが、21世紀になりたての今の人間に対してそんなことを求めてもどうなのか。

 自分たちさえ自衛権を持たず、「他には攻めていきませんから、他の人も攻めてこないでください」という非武装中立的な考え方を表明すれば、それでいいのか。軍事力を持つ相手が力でねじ伏せようとしてきたら、それは戦...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
生成AI「Round 2」への向き合い方(8)「責任あるAI」への課題と覚悟
責任あるAI――マイクロソフトが掲げるコンセプトと覚悟
渡辺宣彦
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介