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「魂をぶっ潰してやる」…流行りに乗って誇りを壊した人々

作用と反作用について…人間と戦争(6)嫉妬心から出る正義感

執行草舟
実業家/著述家/歌人
概要・テキスト
国家の存続のためには、自分の頭で考える人が「塊」として存在していることが大切である。そのような人間が1人だと「変人」扱いされてしまうが、10人いれば「変人」とはいえなくなる。だが、日本人は戦後、そのような「自分の頭で考える人間」を、自分たちの手で壊してしまった。象徴的なのが、学校群の導入で名門校を潰した人々である。彼らは、名門校の教師たちの誇り高き魂をぶっ潰してやると息巻いた。壊したものを元に戻すのは難しい。しかも、壊したことすら、もう忘れてしまっている。流行りに乗っただけで、自分の脳で考えていないからである。だから反省もない。(全10回中第6話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:12:06
収録日:2022/05/19
追加日:2022/08/05
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≪全文≫

●ジョン・ミルトンの『失楽園』は『葉隠』と同じ


―― 先生のお父さんは戦前の教育ですね。

執行 そう。戦前の大学を出て、戦前の三井物産に入っています。

―― 東京商大(東京商科大学。一橋大学の前身)で。

執行 だから旧制(官立大学)です。商大予科から本科に行きました。

―― やっぱり、戦前はエリート教育があり、三井物産みたいな圧倒的にキャリアを持ち上げるところが……。

執行 それは、そうです。

―― それがないと、やはり戦えない。

執行 当時の三井物産がそうです。三井物産は明治から国家と共に生きているので。特に親父が入った頃は、まだ。財閥解体前の三井物産ですから。

―― そういう人たちが1万か2万くらいいないと階層として戦えないですね。

執行 個別ではダメです。私もそうですが、個別だと「変人」で終わりです。「ああ執行さん、変人ね」と。これが10人いたら「変人」とはいえません。でも10人なんて、とてもいない。

―― それが塊の層でいたら、めちゃくちゃに強いですね。

執行 だから、それほど難しい話ではないのです、本当は。

―― だけどその層がいないと収奪されて、ボロボロにされて捨てられてしまうわけですね。国の富がどんどん奪われるわけですね。

執行 そういうことです。英国がジェントルマンを作って、世界を制覇したときの英国の知恵がありますね。その知恵をアメリカは一応、受け継いでいます。だから今アメリカは、いい気になっている。でも、英国みたいな歴史的基盤がないので、もっとずっと浅いのです。

―― 深みがないんですね。

執行 英国は深いです。私は英国も好きですが、すごく深い。英国史はだから魅力的です。

―― 特に先生は、19世紀の後半が好きなわけですね。

執行 そこも好きですし、クロムウェルやジョン・ミルトンなどの時代も好きです。やはり文学好きですから。英国を動かしたプロテスタンティズム、あのへんが一番好きです。

―― なるほど。そして騎士道精神だから、武士道につながるわけですね。

執行 当然そうです。ジョン・ミルトンの『失楽園』なんて、『葉隠』と同じです。私はそう見ています。

―― なるほど、『葉隠』と同じですか。

執行 まったく同じです。私が『葉隠』を読んでいるのと何も変わりません。

―― なるほど、面白いですね。ジョン・ミルトンの『失楽園』が。

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