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武士道で生きれば、すべてのことを当事者として考えられる

作用と反作用について…人間と戦争(3)相手の身になって考えよ

執行草舟
実業家/著述家/歌人
概要・テキスト
日本人は日米安保を信じているが、あれは張り子の虎に過ぎない。いざ戦争が起こればアメリカは日本から引いてしまうだろう。こんなことは歴史の常識である。そのことに真っ正面から向き合わない日本人は、まだ奥底は純真なのだ。だからこそ日本は怖い国だともいえるのである。損得で動かない純真な人たちは、いわば明治維新の志士たちが、お金で動かなかったのと同じだ。そのようなことも、「相手の身になって考える」という孫子の兵法に則れば、すぐにわかる。すべてを当事者として考えるのが、武士道に生きることなのだ。(全10話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:13:28
収録日:2022/05/19
追加日:2022/07/15
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカは本当に日米安保条約で日本を守ってくれるか?


―― だから(ドイツの)メルケルは、やはり失っていなかったのですね。

執行 メルケルはまだ持っていた。一線は守っていました。

―― トランプの言う通りにはならなかった。

執行 それは、ならない。ドイツはドイツ。

―― そしてプーチンとも、それなりにちゃんと付き合う。

執行 プーチン(のロシア)は隣国で、プーチンと仲良くしておくほうが、ドイツは得ですから。アメリカなんて、いつ逃げてしまうか分からない。

―― それもよく分かっていたわけですね。

執行 信じているのは日本ぐらいです。

―― そうでしょうね。

執行 あとはフランスも信じているかもしれない。ドイツも今はわかりません。グローバリズムに侵されてしまった人たちです。要はヒューマニズムというアメリカの表看板(にやられたの)です。

―― やはり日米安保は張子の虎であるという感じの。

執行 戦争が起こって日本が攻撃されるまでのもの。日ソ不可侵条約と一緒です(笑)。その日まで。ある種、条約とはそういうものです。独ソ不可侵条約も、みんなそうです。

 だから日米安保条約は、中国やロシアが本当に怒ったときに、アメリカが引いて終わるのです。日本が何を言っても、もうダメです。

―― そのときに初めて気がつくわけですね。

執行 気がついても、もうダメです。

―― 「日米安保は張子の虎だった。ものすごく動揺するけれど、間に合わない」と。

執行 だって日本の戦争で、アメリカがやるわけがない。やってくれると思うのが、私は分からない。

―― でも、やはり(日本人は)ナイーブなんですね。無知というか。

執行 日本人は純真なんです、まだ。奥底は純真なんです。だから、やはり(日本は)怖い国です。まだ隠れているところが純真だから。私は小学校から信じていませんが。

―― そこは自分なりに考えるし、反骨精神がある。

執行 私の場合は武士道です。武士道精神ばかり研究していますから。武士道精神から見れば、そんなことはあり得ないので。武士道にだってない。この世にないことは起きませんから。

―― なるほど。

執行 アメリカが助けてくれるわけがない。冷静に考えれば分かります。

―― それはその通りです。

執行 そうです(笑)。だから怖いのです。プーチンが「ソ連人」だというの...
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