日本を復活させる国家戦略
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
輸出立国から輸入依存型の中進国に衰退した日本経済
日本を復活させる国家戦略(2)日本経済凋落の原因を究明する
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
1980年代後半、アメリカとトップを争うほどのGDPを誇った日本経済の競争力は、今や凋落の一途をたどっている。いったい約40年のあいだに何が起こったのか。その経緯を振り返ると、アメリカの圧力と少子高齢化によって弱体化していく日本の姿が見えてきた。(全4話中第2話)
時間:13分09秒
収録日:2022年7月7日
追加日:2022年10月27日
≪全文≫

●「オウンゴール」だった金利の引き下げ


 そこで皆さんと一緒に、なぜこのような長期の凋落が起きたのか、その原因を考えてみたいと思います。

 私なりに整理します。一つは、プラザ合意と半導体協定が相当なショックを日本に与えていることです。1960年代の後半から高度成長を加速させた日本経済を牽引した輸出産業は、アメリカマーケットを席巻しました。造船、機械、自動車、電子機器、ついには半導体までがアメリカを席巻したのです。それによって日米経済摩擦が起こり、炎上したわけです。

 1985年にプラザ合意があったことを覚えておられると思います。これはアメリカから見ると、日本の為替レートは低すぎるから、政治圧力をかけて円安を円高にしようという狙いがあったのです。為替レートについて、政治が口を出すのはタブーなのですが、アメリカはベーカー財務長官がプラザ合意を仕掛けて、「日本円は安すぎる」と一言いうと世界のマーケットで円高になり、220円が150円になったのです。

 プラザ合意で円高になったので、これを乗り切ろうとして、日本政府は大型財政支出をし、日銀が金利の大幅引き下げをやったのです。実は、これが行く先のない、とんでもない形式上の有効需要を生みました。バブルです。結局、日本経済に吸収する力がなかったので、大体の需要が土地と株に集中して、とんでもないバブルになったわけです。これは日本の政策当局の完全なミスだと思います。

 私はこれを「サッカーのオウンゴールだ」と言っています。「日本は輸出立国で、それを中小企業が支えているので、円高になったら売れないし、大不況になる」と日本の政策当局は言ったのですが、実はそんなことはなく、中小企業は努力して、あとで輸出を増やしているのです。政府は完全に間違えた。意味のない名目需要を生んで、バブルになり、それがとんでもない地価と株価の高騰を生んだのです。

 それがあまりにひどいので、圧縮しなければならなくなり、4年たって、三重野康日銀総裁(当時)による金利引き上げと、大蔵省(現・財務省)の総量規制を思い切ってやったものですから、日本の不動産産業は半分ほど潰れたのです。それによって大不況になってしまいました。これは日本の政策ミスです。


●致命傷を与えた日米半導体協定


 それから日米半導体協定についてですが、日本...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹

人気の講義ランキングTOP10
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
編集部ラジオ2026(8)10分解説!第二の人生の仕事革命
年金の「働き損」解消時代!第二の人生を充実させる方法とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(6)自由は大切だが叡智が必要
弱者を抑圧する自由より、叡智によって制約される自由を!
賴住光子
『孫子』を読む:地形篇(3)逆命利君の教えと絶対的勝利の条件
逆命利君か従命病君か――漢の時代から伝わる重要な戦略論
田口佳史
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博