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日米関係修復への秘策!? チョコレートクッキーで信頼構築

総理として実感した国家経営の要諦(4)首脳外交と日米関係

野田佳彦
衆議院議員/第95代内閣総理大臣
概要・テキスト
「外交はトップの仕事で、首脳外交はものすごく比重が大きい」と語る野田氏。総理大臣はおびただしい数の国際会議や会談にのぞむ。さらに野田氏が総理大臣になったのは、日米関係が大きく棄損していた頃だった。その修復に向けてどのように対応していったのか。オバマ大統領との関係構築に尽力した当時のエピソードと合わせてお話しいただく。(全7話中第4話)
時間:16:05
収録日:2024/04/18
追加日:2024/11/27
≪全文≫



●首脳外交が一番大事


 今、財政の話をしましたけれど、(国家経営の基本として)もう1つは外交です。「外交はトップの仕事だ」と思って対応する、ということでした。

 たまたま田中愛治早稲田大学総長のお話で、「中曽根(康弘)元総理が尊敬しているお一人だ」とおっしゃいました。私も政党は違いましたが、総理になる直前に、(中曽根元総理に)内閣総理大臣の要諦をご指導いただいたことがあります。

 その時(中曽根元総理は)、「一番力を入れていたのは首脳外交だ。これが一番大事だ」とおっしゃるのです。「外務大臣がいるではないですか」と言ったら、「外務大臣はアシスタントにすぎない」と言い切っていました。まさに「首脳外交が大事なのだよ」と。「30分間、2国間の会談で、サシ(1対1)で会う。30分1本勝負だ」とプロレスのようなことをおっしゃっていましたが、それほどに相手のことをよく調べて、相手の国の実情もよく調べて、わが国の国益を踏まえて、本当に議論で負けないように、そして説得できるように、まさに万全の準備で臨め、ということをおっしゃっていました。

 実際、私の総理在職期間は短く、1年4カ月でした。1年4カ月は16カ月です。16カ月のうち、16回は海外の国際会議に出ているのです。つまり、ひと月に1回はG7、APEC、G20、国連総会など、国際会議は頻繁にあるのです。遠いところでいえば、例えばメキシコへ0泊3日で行ったこともありました。意味、分かりますか。0泊3日とは、要は現地でホテルに泊まらないのです。機内泊だけという行程で、そして戻ってくる。そういったことなど含めて、とにかく国際会議で首脳同士の議論、あるいは2国間の会談はたくさんありました。

 迎え入れることもあります。私は、在職日数が482日間です。官邸で161回、海外の要人とお会いしている。つまり、3日に1回は会っているのです。だから、海外に行くこともあるし、迎え入れることもある。ということで、まさに実感として、首脳外交はものすごく比重が大きい...
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