●今後、日本が国際平和のために果たすべき役割
【質問その1】
現在、ロシアやイラン、イスラエルなど、多くの国際的な課題を抱えています。従来、日本は「間に立ってつないでいく」というスタンスでやってきたと思うのですが、昨今「アメリカのそばに立つ」ことを強調することも多いように思います。今後、日本が国際平和のために邁進していくにはどうすべきでしょうか。
野田 これも今日的なテーマで、岸田(文雄)さんをどうのと言いたくはないのですが、先日の米国での上院下院の合同演説(2024年4月11日)のときに、「グローバルパートナー」という表現をされました。「アメリカだけではない、日本も分かち合います、シェアします」ということを言いましたよね。グローバルでそこまで日本は覚悟しているのか。「グローバルパートナー」の考え方について具体的な話を国会で言ったことはないし、国民に説明していないのに、前のめりで言い過ぎているのではないか。
アメリカという国はずっと、1945年に第二次大戦が終わった後も、いろいろなところで自分たちの国の若者たちが血を流し、そしてそれを送り出した家族たちがたくさんいるわけです。私は自衛官の倅ですが、訓練中に亡くなる人はいましたけれど、戦死者はいません。「グローバルパートナー」とは、そこまで覚悟する気があるのか。覚悟もないのに迂闊に言ってしまって相手に幻想を抱かせるのは罪だと思います。これはいかがなものかと思うのです。
そう言わないとアメリカが引っ込んでしまうから言ったのだと思います。引っ込まないようにするためには、東シナ海や南シナ海の問題にもコミットしてもらうようにするためには、自分たちもパンチ力のある対応をして、アメリカにも関与してもらう。そのために、他の同志国にも入ってもらうような多層的な試みは必要だと思うのだけれど、「グローバル(パートナー)」と言うとやや違うと思うのですよ。
中東について、例えば日本がやるべきことがあるとするならば、ア...