本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「残虐行為の証拠」の写真も出所は全て調べがついている
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(12)反省すべきは説得できなかった力量不足
歴史と社会
渡部昇一(上智大学名誉教授)
「戦前の日本のことを反省する」というのならば、まずは、ありもしなかった「侵略」や「残虐行為」を反省するのではなく、世界に満洲事変の真実を伝えられなかったことをはじめ、自国の主張を正当に訴えて諸外国を説得できなかった力量不足を反省すべきであろう。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第五章・第12回。
時間:1分39秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月10日
≪全文≫
 この、いわゆる「南京大虐殺」について、日本では心ある人たちによる調査が進んでいるから、史料的には何をいわれても絶対に負けまい。「日本軍の残虐行為の証拠」といわれた写真も、出所はほぼすべて調べがついている。たとえばアメリカの雑誌『ライフ』に掲載された、南京駅前で赤ん坊が泣いている有名な写真がある。当時、その写真が世界中に流れて同情を集めたのだが、前後の写真もみな調べたら、ちゃんと親がいて、赤ん坊を座らせているところも写っていた。

 それから、シナ人たちが「女性や子供が強制連行され、強姦殺人の現場に向かっているところ」だとする写真は、当時の『アサヒグラフ』などに掲載されていた写真を勝手に使っているだけである。本当はその写真は、日本軍の兵隊たちに守られた女性や子供たちがニコニコ笑いながら農機具などを持ち、農作業から帰ってくるところを写したものだった。

 ほかにも、日本軍がシナ人の首を切ったとか虐殺したとかいう写真は、蔣介石軍が匪賊を退治したときの写真であるといったことを、日本側はすべて調べ上げていて、日本軍が大虐殺を犯したことを証明する写真など一枚もないことがわかっている。それでも証拠があるというなら出してもらいたいものだが、出せるはずがない。

 しかも、日本において「南京虐殺はなかった」ということが動かしがたい事実であることを、史料を積み重ねて証明してきたのは全部民間人であった。日本政府は「何もしていない」といってよい。

 朝鮮半島についても、韓国側が主張する歴史問題を完膚無きまでに叩きのめしたのは筑波大学の古田博司教授をはじめとする論客だった。古田先生は「戦後日本の朝鮮史観はすべて左翼思想によるものである」と厳しく批判している。

 こうした本物の朝鮮半島の専門家である古田先生のような人物が、日本側の論客としてなかなか選ばれないのが残念である。古田先生は「日韓歴史共同研究委員会」の日本側委員に選ばれたが、韓国側の主張があまりにも幼稚で議論のレベルにならないため、「もうあのような会合には出ない」とおっしゃっているほどひどい状況だったという。

 「戦前の日本のことを反省する」というのならば、まずは、ありもしなかった「侵略」や「残虐行為」を反省するのではなく、世界に満洲事変の真実を伝えられなかったことをはじめ、自国の主張を正当に訴えて諸外国を説得でき...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
寛政の改革・学問吟味と現代の教育改革(1)学問吟味の導入と正統性の問題
松平定信のもう一つの功績「学問吟味」の画期性に注目
中島隆博
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘

人気の講義ランキングTOP10
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
長谷川眞理子
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
川口淳一郎
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
納富信留
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
片山杜秀
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
教養としての世界史とローマ史~ローマ史講座・講演編(2)神々のささやく世界
「神々のささやく世界」では神々の声が行動を決める
本村凌二
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
宮脇淳子
知識創造戦略論~暗黙知から形式知へ(1)イノベーションと価値創造
価値創造において重要なのは未来から現在を見るという視点
遠山亮子
DEIの重要性と企業経営(4)人口統計的DEIと女性活躍推進の効果
日本的雇用慣行の課題…女性比率を高めても業績向上は難しい
山本勲
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規