本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌
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「残虐行為の証拠」の写真も出所は全て調べがついている
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(12)反省すべきは説得できなかった力量不足
渡部昇一(上智大学名誉教授)
「戦前の日本のことを反省する」というのならば、まずは、ありもしなかった「侵略」や「残虐行為」を反省するのではなく、世界に満洲事変の真実を伝えられなかったことをはじめ、自国の主張を正当に訴えて諸外国を説得できなかった力量不足を反省すべきであろう。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第五章・第12回。
時間:1分39秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月10日
≪全文≫
 この、いわゆる「南京大虐殺」について、日本では心ある人たちによる調査が進んでいるから、史料的には何をいわれても絶対に負けまい。「日本軍の残虐行為の証拠」といわれた写真も、出所はほぼすべて調べがついている。たとえばアメリカの雑誌『ライフ』に掲載された、南京駅前で赤ん坊が泣いている有名な写真がある。当時、その写真が世界中に流れて同情を集めたのだが、前後の写真もみな調べたら、ちゃんと親がいて、赤ん坊を座らせているところも写っていた。

 それから、シナ人たちが「女性や子供が強制連行され、強姦殺人の現場に向かっているところ」だとする写真は、当時の『アサヒグラフ』などに掲載されていた写真を勝手に使っているだけである。本当はその写真は、日本軍の兵隊たちに守られた女性や子供たちがニコニコ笑いながら農機具などを持ち、農作業から帰ってくるところを写したものだった。

 ほかにも、日本軍がシナ人の首を切ったとか虐殺したとかいう写真は、蔣介石軍が匪賊を退治したときの写真であるといったことを、日本側はすべて調べ上げていて、日本軍が大虐殺を犯したことを証明する写真など一枚もないことがわかっている。それでも証拠があるというなら出してもらいたいものだが、出せるはずがない。

 しかも、日本において「南京虐殺はなかった」ということが動かしがたい事実であることを、史料を積み重ねて証明してきたのは全部民間人であった。日本政府は「何もしていない」といってよい。

 朝鮮半島についても、韓国側が主張する歴史問題を完膚無きまでに叩きのめしたのは筑波大学の古田博司教授をはじめとする論客だった。古田先生は「戦後日本の朝鮮史観はすべて左翼思想によるものである」と厳しく批判している。

 こうした本物の朝鮮半島の専門家である古田先生のような人物が、日本側の論客としてなかなか選ばれないのが残念である。古田先生は「日韓歴史共同研究委員会」の日本側委員に選ばれたが、韓国側の主張があまりにも幼稚で議論のレベルにならないため、「もうあのような会合には出ない」とおっしゃっているほどひどい状況だったという。

 「戦前の日本のことを反省する」というのならば、まずは、ありもしなかった「侵略」や「残虐行為」を反省するのではなく、世界に満洲事変の真実を伝えられなかったことをはじめ、自国の主張を正当に訴えて諸外国を説得でき...

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