本当のことがわかる昭和史《6》人種差別を打破せんと日本人は奮い立った
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
大東亜会議の理念を各国指導者たちはどう評価したのか?
本当のことがわかる昭和史《6》人種差別を打破せんと日本人は奮い立った(12)大東亜会議を再評価せよ
渡部昇一(上智大学名誉教授)
戦後、アジア諸国はみな独立をしたが、あのとき日本が戦っていなければ、独立はとても難しかっただろう。その意味で、重光葵外相が開催に尽力した大東亜会議を改めて評価すべきである。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第六章・第12回。
時間:1分32秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月17日
≪全文≫
 そして現実に、戦後、アジア諸国はみな独立をした。あのとき日本が戦っていなければ、独立はとても難しかっただろう。

 その意味で、私は重光葵外相が開催に尽力した大東亜会議(昭和18年〈1943〉11月5~6日)を改めて評価すべきだと考える。

 この会議に参加したのは、錚々たるアジアの人士であった。

 ビルマ国:バー・モウ内閣総理大臣
 満洲国:張景恵国務総理大臣
 中華民国国民政府:汪兆銘行政院長
 タイ王国:ワンワイタヤーコーン殿下(首相代理)
 フィリピン共和国:ホセ・ラウレル大統領
 自由インド仮政府:チャンドラ・ボース首班

 ちなみに、インドネシアの独立の闘士スカルノとハッタは会議直後に来日し、昭和天皇より皇居に招かれている。まだ独立していないため、正式メンバーとして出席できなかったのである。

 この大東亜会議のことは深田祐介氏が『大東亜会議の真実』(PHP新書)で詳しく書いておられる。そこに描かれているのは、当時、現地での日本軍憲兵の行きすぎた振る舞いなど日本の至らぬ点に対しては率直に苦言を呈しつつ、しかし、日本が掲げた理念に対して賛同する各国指導者たちの姿である。

 ビルマのバー・モウは、こう演説している。

 「私は亜細亜の夢を見続けて参りました。私の亜細亜人としての血は、常に他の亜細亜人に呼び掛けてきたのであります。昼となく夜となく、私は自分の夢の中で、亜細亜が其の子供に呼び掛ける声を聞くのを常としましたが、今日此の席に於て私は、初めて夢に非ざる亜細亜の呼声を現実に聞いた次第であります。我々亜細亜人は、此の呼声、我々の母の声に応えて茲に相集うて来たのであります」

 名演説家としても名高かった汪兆銘は、こう述べた。

 「本年一月九日以来、日本は中国に対し、早くも租界を還付し、治外法権を撤廃し、殊に最近に至り日華同盟条約を以て、日華基本条約に代え、同時に各附属文書を一切廃棄されたのであります。国父孫先生が提唱せられました大亜細亜主義は、既に光明を発見したのであります。孫先生が日本に対し、切望致しました所の、中国を扶け、不平等条約を廃棄するということも、既に実現したのであります」

 「重慶(引用者注:蔣介石政府のこと)は他日必ずや、米英に依存することは東亜に反逆することになり、同時に国父孫先生に反逆することとなるべきを自覚し、将...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
ローマ史に学ぶ戦略思考~ローマ史講座Ⅳ(1)古代の持つ意義と重み
一神教もアルファベットも貨幣も全て古代に生まれた
本村凌二
『江戸名所図会』で歩く東京~吉原(1)「苦界」とは異なる江戸時代の吉原
遊女の実像…「苦界?公界?」江戸時代の吉原遊郭の真実
堀口茉純
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(3)睡眠にいい環境とお風呂の入り方
布団に入る何分前がいい?入眠しやすいお風呂の入り方
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄