本当のことがわかる昭和史《6》人種差別を打破せんと日本人は奮い立った
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
有色人種の解放は自らの誇りをかけて戦うべき正義
本当のことがわかる昭和史《6》人種差別を打破せんと日本人は奮い立った(11)なぜ対英米開戦に爽快さを覚えたのか
渡部昇一(上智大学名誉教授)
大東亜戦争の折の若い人々が、なぜあそこまでのガッツを発揮できたのか。白人に虐げられている有色人種を解放しようという理念は、当時の日本人にとって間違いなく、自らの誇りにかけて戦うべき正義であった。それは、「大東亜共栄圏」への強烈な思いにつながっていった。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第六章・第11回。
※本項には該当映像がありません。
時間:9秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月17日
≪全文≫
 大東亜戦争の折の若い人々が、なぜあそこまでのガッツを発揮できたのか。

 本章の冒頭で、アメリカ人にガッツがあったのは、「黄色い人間たちが生意気にも卑怯な手段で攻めてきた」ことに「負けてたまるか」と敵愾心を燃やしたからではないか、と述べた。一方、当時の日本人が抱いていた「負けてたまるか」の根底にあったものこそ、本章で見てきた「人種差別への憤り」であっただろう。

 白人に虐げられている有色人種を解放しようという理念は、当時の日本人にとって間違いなく、自らの誇りにかけて戦うべき正義であった。しかもそれは、幕末維新以来の「尊王攘夷」の気風とも、一直線につながるものであった。言葉を換えれば、それが「大東亜共栄圏」というものへの強烈な思いにつながっていったのである。

 真珠湾攻撃で対英米戦争が始まったと聞いたとき、私は小学校五年生の頃だったが、すーっと胸のつかえが取れたような感じがした。かつて、東洋史家の岡田英弘氏と対談した折に話がこのことに及び、私が開戦時のそのような感慨について話すと、岡田氏も「まったく長い間、胸につかえていたのが取れたようないい気分でしたなぁ」とおっしゃっておられた。岡田氏も開戦の折には小学校五年生くらいであった。

 このような気分は当時の少年だけのものではない。対英米開戦を聞いて、白樺派の作家の長与善郎は、「生きているうちにまだこんな嬉しい、こんな痛快な、こんなめでたい日に遭えるとは思わなかった。この数カ月と言わず、この1、2年と言わず、我らの頭上に暗雲のごとく蔽いかぶさっていた重苦しい憂鬱は、12月8日の大詔渙発とともに雲散霧消した」と書いた。斎藤茂吉は「何なれや心おごれる老大の耄碌国を撃ちてしやまん」という歌を詠んでいる。小林秀雄も「それみた事か、とわれとわが心に言ひきかす様な想ひであつた。何時にない清々しい気持で上京、文藝春秋社で、宣戦の御詔勅捧読の放送を拝聴した。僕等は皆頭を垂れ、直立してゐた。眼頭は熱し、心は静かであつた。畏多い事ながら、僕は拝聴してゐて、比類のない美しさを感じた」と記している。岩波書店の創業者である岩波茂雄も、シナ事変には反対であったが、日米開戦は歓迎している。

 誤解されては困るが、このような爽快感は、けっして緒戦の日本軍の赫々たる戦果に対してのみ表明されたものではないのである。これまで述べてきた、人...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
家康の人間成長~戦略性をいかに培ったか(1)今川「人質」時代と今川義元の思惑
徳川家康の秘密…「辛抱」イメージとは異なる自由奔放な人質時代
小和田哲男
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一

人気の講義ランキングTOP10
「講義ページ」と「便利機能」の使い方(1)講義ページの便利な使い方
「講義ページ」の便利な使い方…講義テキストの出し方、各話への飛び方、再生速度
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎