本当のことがわかる昭和史《6》人種差別を打破せんと日本人は奮い立った
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
「有色人種は厨房以外では使わない」と書いた米国人の真意
第2話へ進む
いざ戦うとなれば強烈な敢闘精神を示す気風が西洋にはある
本当のことがわかる昭和史《6》人種差別を打破せんと日本人は奮い立った(1)「卑怯な黄色い人間に負けてたまるか」
渡部昇一(上智大学名誉教授)
自らの誇りをかけて「負けてたまるか」と強烈に思うことは、とてつもなく強い「ガッツ」をもたらすものである。第二次大戦当時のアメリカの軍人に非常なガッツがあったのは、そういう人情の機微ともいうべきものに突き当たるような気がする。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第六章・第1回。
時間:7分42秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月14日
≪全文≫
 自らの誇りをかけて「負けてたまるか」と強烈に思うことは、とてつもなく強い「ガッツ」をもたらすものである。

 第二次大戦当時のアメリカの軍人に非常なガッツがあった理由をちょっと考えてみると、そういう人情の機微ともいうべきものに突き当たるような気がする。

 あとでも書くが、日本の外務省の出先である大使館員の怠慢のおかげで、一般のアメリカ人たちは、日本が卑劣な真珠湾攻撃を仕掛けてきたと考えていた。しかも、当時のアメリカは強烈な人種差別の国だった。いまのように人種差別が悪いことだといわれるようになったのは、戦後しばらく経ってから公民権運動が燃え盛って以降の話であり、当時のアメリカ社会では白人意識こそ善であり美徳の元だった。

 そのためアメリカ人たちは「黄色い人間たちが生意気にも卑怯な手段で攻めてきた」「負けてたまるか」と敵愾心を燃やし、強烈なガッツを抱いたのではないか。もともとアメリカは第二次世界大戦への参戦をめぐって世論では反対が多く、ルーズベルトは大統領選挙の折には「参戦せず」を公約とするほどだった。それほど割れていた国内が、これを機に「断固戦う」と一つにまとまったのだ。

 あの頃のアメリカの小説を見ても、真珠湾攻撃(昭和16年〈1941〉)のあと、「軍隊に志願しないようなやつは男じゃない」という雰囲気があったことが読み取れる。一番わかりやすい例の一つが、映画にもなった『ゴッドファーザー』で、マフィア・コルレオーネ家の三男が真珠湾攻撃をきっかけに大学を中退し、軍隊を志願していることだろう。

 実際、アメリカでは真珠湾攻撃後に多数の志願者が集まり、断るのに苦労したほどであった。

 アメリカには、カウボーイの英雄思想やインディアンと戦った英雄の話が語り継がれたカルチャーが背景にある。ある意味で敵愾心に燃えた彼らは、日本人をインディアン扱いにするような気分だったのではなかろうか。

 いざ戦うとなれば、強烈なガッツと敢闘精神を示す気風が西洋にはある。

 これはアメリカとは少し違う話だが、私が若い頃にドイツで見た決闘の話を紹介したい。私がドイツに留学したのは昭和30年(1955)から33年(1958)までだが、ドイツでは当時でも決闘が行なわれていたのである。

 決闘とはいっても、相手が憎いから殺すなどということではなく、儀式としてルールに則って行な...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
明智光秀の真実(1)謎につつまれた前半生
明智光秀は「主殺しの悪人」か?…諸説入り乱れる人物像の謎
小和田哲男
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(1)「絶対自由の境地」を求めて
『老子』が求める「絶対自由の境地」とは?…そして創造長寿へ
田口佳史
中国春秋戦国時代と始皇帝(4)秦と周辺国の激烈な戦い
秦と周辺国の激戦の真実に迫る…各国の兵力と秦の戦略とは?
鶴間和幸
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(4)5人の皇帝と現代中国
特筆すべき5人の皇帝…中国史を知らなければ現代中国もわからない
宮脇淳子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉