本当のことがわかる昭和史《6》人種差別を打破せんと日本人は奮い立った
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
ピケティに物申す! 戦前の日本が現在と大きく異なる点
本当のことがわかる昭和史《6》人種差別を打破せんと日本人は奮い立った(9)なぜ「ガッツ」のない人間ができるのか
渡部昇一(上智大学名誉教授)
ガッツを考えるときに、一つだけ違いを踏まえておいたほうがいい点がある。それは、戦前の日本が現在と大きく異なる点の一つとして、農村もしくは地方の裕福な家から偉い人が出ているケースが少なくなった、ということだ。上智大学名誉教授・渡部昇一氏によるシリーズ「本当のことがわかる昭和史」第六章・第9回。
時間:2分55秒
収録日:2015年2月2日
追加日:2015年9月17日
≪全文≫
 最近の事例でリーダーのガッツのなさを痛感するのが、福島第一原発事故だ。菅直人首相をはじめ、当時の政府・民主党のリーダーたちの体たらくは、改めて指摘するまでもない。当時の東電社長だった清水正孝氏も、事故直後に立ち上げられた東電・政府の合同対策本部を一週間にわたって離れ、その後入院して公の場から一時期姿を消した。

 それから、こういったら語弊があるかもしれないが、他の電力会社の社長もみなガッツがなかった。悪名高い菅直人首相が、静岡県御前崎市の浜岡原発について、運転停止を命令するわけにはいかないから、海江田万里経産相を通じて運転停止を要請したのだが、電力会社は慌ててその要請に応じ、運転を停止してしまった。

 これが松永安左エ門なら、「千年に一度の津波は、めったに起こるものではありません。津波が来ても、浜岡原発は老朽化が著しい福島第一原発と方式が違いますから、水をかぶりません。念のために、さらに守りを堅くします」と毅然とした態度を示していただろう。福島第一原発事故後に日本の原発が止まってしまったため、2013年度には火力発電への依存度が約9割になり、年間3・6兆円、毎日百億円の燃料費が余計にかかるようになった。あのとき原発を止めていなかったら、そのぶんの国富を、中東を中心とした産油国につぎ込む必要もなかった。

 これまで戦前の例と戦後の例をそれぞれ挙げたが、ガッツを考えるときに、一つだけ違いを踏まえておいたほうがいい点があると思う。それは、戦前の日本が現在と大きく異なる点の一つとして、農村もしくは地方の裕福な家から偉い人が出ているケースが少なくなった、ということだ。

 戦前の偉い人たちの場合はまだしも、上とは異なる意見を述べて出世が止まったあと、職を辞して帰郷しているケースがわりとあった。昔は、そういう人たちの実家はたいてい金持ちだったから、家でごろごろしていても一向に構わない。そのうちに情勢が変わり、また中央に呼び戻されて自分のことをうまく使ってくれる上司の下でバリバリ働くことも少なくなかった。明治の頃にはよくあった話だが、いまはおそらくそんなことはないだろう。

 だから私は相続税や贈与税、さらには世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』の著者、トマ・ピケティ教授がいう富裕税のような財産税をかけて、国民の富を吸い上げるような政策は間違っている...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(1)「無任所大臣」が生まれた経緯
現代の「担当大臣」の是非は戦前の「無任所大臣」でわかる
片山杜秀
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
近年の研究で変わってきた織田信長の実像
柴裕之
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国時代、民衆にとっての課題は生き延びること
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤