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核合意

核合意
核合意とは、イランの核兵器開発に関して、EU並びに米英仏独中露の主要6ヶ国とイランの間で合意をみた一連の「包括的共同行動計画」のこと。2002年のイランのウラン濃縮施設発覚を機に、イランの核開発の制約を目的とした枠組みが協議されてきた。2015年合意が成立し、イランは今後15年間は高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを生産しないこと、貯蔵濃縮ウランの削減、遠心分離機の数を10年間限定などが取り決められた。また、その見返りとして、イランは金融制裁や原油取引制限などによる経済制裁を解除されることとなった。制限下ながらイランが核開発を続行できることに対しての批判はあるものの、各国協議の結果、核不拡散体制を維持し得たことへの評価もある。しかし、2018年5月トランプ大統領が内容に欠陥があるとして、核合意離脱及び経済制裁の再開を表明。これに対してイランがアメリカを提訴するなど、論争が続いている。「10MTVオピニオン」では、歴史家であり中東情勢に精通する東京大学名誉教授・山内昌之氏がトランプ大統領の中東政策と核合意離脱の影響に関する連続講義を展開。中東の秩序を根底から揺さぶり、複合危機から第三次世界大戦に発展しかねない危機的状況について、解説をしている。

トランプ大統領の中東政策のメタファー「ISRAEL」

トランプの中東戦略とその影響(1)解読の鍵は「ISRAEL」
イラン核合意破棄、米大使館のエルサレム移転、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への支援停止。危うさを増すトランプ大統領の中東政策は、どこへ向かうのか? 歴史学者・山内昌之氏が、象徴的な頭文字「...
収録日:2018/09/27
追加日:2018/10/30
山内昌之
東京大学名誉教授

オバマの「逆張り」をするトランプ政権の真意

トランプ政権の中東政策(3)中東の未来地図の不在
2018年初夏、中東情勢は「複合危機」の様相をますますあらわにしている。トランプ大統領によるJCPOA(共同包括的行動計画)離脱宣言があったのが5月8日。その後、14日には在イスラエル米国大使館をテルアビブから...
収録日:2018/06/21
追加日:2018/07/22
山内昌之
東京大学名誉教授

トランプ大統領が認識する中東とは何か?

トランプ政権の中東政策(2)親イスラエルが招く混乱
イラン核合意からの離脱を表明した米・トランプ大統領は、1週間後の2018年5月14日に在イスラエル大使館をエルサレムに移転開設した。これによりパレスチナ各地で抗議デモが発生、イスラエル治安部隊の発砲により...
収録日:2018/06/14
追加日:2018/07/09
山内昌之
東京大学名誉教授

トランプ大統領の中東政策とその多大なる影響

トランプ政権の中東政策(1)イラン核合意脱退の影響
歴史学者の山内昌之氏がトランプ大統領の中東政策とその多大なる影響について解説する。山内氏は『中東複合危機から第三次世界大戦へ』(2016年)の上梓後一貫して、中東の新たな冷戦から世界が再び大戦に巻き込...
収録日:2018/06/14
追加日:2018/07/08
山内昌之
東京大学名誉教授

スンナ派とシーア派の宗教戦争に発展する危険性は?

中東最新事情を読む(2)イランの国際社会復帰
サウジアラビアとイランの対立は、スンナ派とシーア派の対立を代表するものといわれてきた。一朝一夕に始まったものではない宗派間の対立は長く冷戦状態を続けてきたが、ここへ来て、なぜ断交という一触即発の危...
収録日:2016/01/27
追加日:2016/02/22
山内昌之
東京大学名誉教授