テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2020.05.25

実際に年金はどれぐらい貰える?平均受給額は?

 公的年金被保険者数は、平成30年度末現在で6,746万人となっており、前年度末 に比べて13万人増加しています。平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が拡がりました。週30時間以上働く方に加え、従業員501人以上の会社で週20時間以上働く方も厚生年金保険・健康保険(社会保険)加入することができます。

 平成29年4月からは、従業員500人以下の会社で働く方も、労使で合意すれば社会保険に加入できるようになります。具体的な手続きは所属される会社によってなされ、結果的に将来もらえる年金が増えることになります。

 これはどういうことか。一言でいえば、パートやアルバイトなど短時間で働く方の社会保険の適用範囲が広がったということです。

月収88,000円でも月19,000円もらえる

 国民年金と厚生年金では安心度が大きく違います。国民年金から厚生年金になることで、負担額と受給額がどのくらい変わるかについては、厚生労働省のサイトで詳しく解説されています。

 モデルケースとして月収88,000円の方の例が挙げられています。その方の場合、毎月8,000円(年額96,000円)の保険料で、 そのままの状態で40年間加入なら毎月約19,300円 (年額約231,500円)、1年間だけ加入した場合でも毎月500円(年額5,800円)の年金が終身でもらえることになります。

 ちなみに、国民年金の保険料(令和2年4月~令和3年3月まで)は、月額16,540円です。厚生年金では、月額給与によって保険料が30段階に設定されていますが、その約半額が会社負担となるので、モデルケースの場合、約8000円前後の負担減となり、さらに将来もらえる年金も増えるという計算になるのです。

サラリーマンの平均的な年金受給額は約14~15万円

 日本の公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と会社に勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てになっています。公的年金に、企業年金など独自に加入する年金制度を含めると、3階建てとなります。

 その気になる受給額ですが、平均的な厚生年金受給額は、月額145,865円となっています。国民年金だけの場合は、月額平均55,809円であることから、その差は歴然です。

 制度的に今後どのくらい変動があるか予測はつきませんが、ご自身がどのくらいの年金受給が見込めるかについては、日本年金機構から「ねんきん定期便」で適宜確認することができます。 将来的に年金受給は減額傾向にあることが予測されています。たとえ減額されたとしても、公的年金はリタイヤしてからの貴重な収入源になります。今から、受給できる年金額を増やせるように、独自に老後の資金計画を立てたいところです。

<参考サイト>
・厚生労働省:平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/2810tekiyoukakudai.html
・厚生労働省:平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
https://www.mhlw.go.jp/content/000578278.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

田沼意次とは?再評価で注目の人物像と時代背景に迫る

田沼意次とは?再評価で注目の人物像と時代背景に迫る

田沼意次の革新力~産業・流通・貨幣経済(1)田沼意次の生い立ちとその時代

田沼意次の人物像と政策を通して、江戸時代の転換期を振り返る今シリーズ。農産物・工産物の流通・発展、また貨幣経済の拡大など、田沼時代の特徴を振り返る。まずは、田沼意次の生涯である。田沼意次の父は一説には浪人だった...
収録日:2025/01/28
追加日:2025/05/30
養田功一郎
元三井住友DSアセットマネジメント執行役員
2

あなたは縄文系?弥生系?…弥生時代の実態に迫る

あなたは縄文系?弥生系?…弥生時代の実態に迫る

編集部ラジオ2025(10)弥生人の遺伝子、生活、文化

「自分は縄文系だろうか? それとも弥生系だろうか?」。そんなことを、ふと考えたことはありませんか。

日本は、縄文系の遺伝子や文化がいまなお色濃く残りつつ、そこに弥生系の遺伝子・文化が絶妙に混交して、独...
収録日:2024/04/03
追加日:2025/05/29
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
3

その後の余命が変わる!続けるべき良い生活習慣とは

その後の余命が変わる!続けるべき良い生活習慣とは

健診結果から考える健康管理・新5カ条(7)良い生活習慣が健康寿命を延ばす

健康診断の結果に一喜一憂するだけではなく、そのデータを活用し、生活習慣を見直すことが大切である。今回は、内臓脂肪の管理が健康維持に直結する理由や、体重増加と糖尿病リスクの関係、さらには良い生活習慣が寿命に与える...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/05/27
野口緑
大阪大学大学院医学系研究科 公衆衛生学 特任准教授
4

なぜ日本の医療はテロに対応できないのか?三つの理由

なぜ日本の医療はテロに対応できないのか?三つの理由

医療から考える国家安全保障上の脅威(5)日本の医療の問題点と提言

残念なことだが、現在の日本の医療はテロ攻撃には対応できない。その理由として、テロの悪意に対して無防備なこと、時代遅れの教科書的知識しか持っていないこと、テロで想定される健康被害に対応できる医療体制にないこと、が...
収録日:2024/09/20
追加日:2025/05/29
山口芳裕
杏林大学医学部教授
5

人生100年時代の生き方と日本の3つの課題

人生100年時代の生き方と日本の3つの課題

長寿社会の課題と可能性(1)個人・社会・産業の課題

東京大学高齢社会総合研究機構の秋山弘子特任教授が、人生100年時代を迎えた日本の課題について解説する。高齢化が急速に進み、健康で長生きできるようになった現在の日本では、それまでの人生50年時代の生き方やインフラ、産業...
収録日:2017/04/12
追加日:2017/05/01
秋山弘子
東京大学名誉教授