社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
激安ビールがなくなるってホント?
2017年6月1日から酒税法などの改正法が施行されました。
ビールや発泡酒など晩酌をかかせないご家庭では、ニュース報道や店頭の告知などで、5月末までに駆け込みでまとめ買いした人も少なくなかったのではないでしょうか。
これまで、大量の商材を扱える量販店やディスカウント店は、メーカーからの販売奨励金(リベート)が得られるので、ビール・発泡酒製品を目玉商品として、販売原価を下回るような原価割れで販売してきました。今後は、仕入れ原価と販売管理費の合計額を下回るような小売価格で販売した場合、処罰されることになり、違反の状態によっては、酒類の製造・販売免許を取り消したり罰金を科したりするというとてもキビシイ内容になっています。
小売店にとって、原価割れの安売り販売は、宣伝費と割り切れる集客効果として成り立っていましたが、今後は差別化できる商材とはならなくなることを意味します。
消費者にとっては、それほど価格差がつかないのであれば、利便性とブランド力から近所のコンビニで購入するように思います。結果的に、地の利の比較から、町の酒屋さんも苦境にたたされるのではないでしょうか。
また、価格の上昇感は、近年増加傾向にある「家飲み」需要を鈍らせることも予測され、強いては一般的なアルコール離れにもつながりかねません。メーカーにとっては、リベートを大きく減額できることから、利益への貢献を期待するムードがあるようですが、アルコール離れが進むと、長期で苦しくなることも予測されます。
酒税は国にとっても貴重な税収です。今回の改正酒税法ははじまったばかりなので、消費者、小売店、メーカーそれぞれにとってプラスとなるかマイナスとなるか、その経過を見守りたいところです。
ビールや発泡酒など晩酌をかかせないご家庭では、ニュース報道や店頭の告知などで、5月末までに駆け込みでまとめ買いした人も少なくなかったのではないでしょうか。
酒の安売り規制の目的
今回の改正酒税法は、量販店やのディスカウント店などによる過剰な安売りから、個人で営んでいる町の酒屋さんを保護するためのものです。議員連盟「街の酒屋さんを守る国会議員の会」が改正案を国会に提出したことで成立しました。これまで、大量の商材を扱える量販店やディスカウント店は、メーカーからの販売奨励金(リベート)が得られるので、ビール・発泡酒製品を目玉商品として、販売原価を下回るような原価割れで販売してきました。今後は、仕入れ原価と販売管理費の合計額を下回るような小売価格で販売した場合、処罰されることになり、違反の状態によっては、酒類の製造・販売免許を取り消したり罰金を科したりするというとてもキビシイ内容になっています。
その影響は?
直接的な予測として、まず、酒類の価格の上昇があげられるでしょう。小売店にとって、原価割れの安売り販売は、宣伝費と割り切れる集客効果として成り立っていましたが、今後は差別化できる商材とはならなくなることを意味します。
消費者にとっては、それほど価格差がつかないのであれば、利便性とブランド力から近所のコンビニで購入するように思います。結果的に、地の利の比較から、町の酒屋さんも苦境にたたされるのではないでしょうか。
また、価格の上昇感は、近年増加傾向にある「家飲み」需要を鈍らせることも予測され、強いては一般的なアルコール離れにもつながりかねません。メーカーにとっては、リベートを大きく減額できることから、利益への貢献を期待するムードがあるようですが、アルコール離れが進むと、長期で苦しくなることも予測されます。
酒税は国にとっても貴重な税収です。今回の改正酒税法ははじまったばかりなので、消費者、小売店、メーカーそれぞれにとってプラスとなるかマイナスとなるか、その経過を見守りたいところです。
<参考サイト>
・ビール値上げ一覧を調査!発泡酒だけじゃないの?イオンとセブンで前後を比較
http://borderline.blue/beer-price-increase-list/
・ビール値上げ一覧を調査!発泡酒だけじゃないの?イオンとセブンで前後を比較
http://borderline.blue/beer-price-increase-list/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ伝わらない?理解の壁の正体を今井むつみ先生に学ぶ
編集部ラジオ2025(27)なぜ何回説明しても伝わらない?
「何回説明しても伝わらない」「こちらの意図とまったく違うように理解されてしまった」……。そんなことは、日常茶飯事です。しかしだからといって、相手を責めるのは大間違いでは? いやむしろ、わが身を振り返って考えないと...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/11/13
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
現代社会にとって空海の思想がいかに重要か。AIが仕事の仕組みを変え、超高齢社会が医療の仕組みを変え、高度化する情報・通信ネットワークが生活の仕組みを変えたが、それらによって急激な変化を遂げた現代社会に将来不安が増...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/12
デカルトが注目した心と体の条件づけのメカニズム
デカルトの感情論に学ぶ(1)愛に現れる身体のメカニズム
初めて会った人なのになぜか好意を抱いてしまうことがある。だが、なぜそうした衝動が生じるのかは疑問である。デカルトが友人シャニュに宛てた「愛についての書簡」から話を起こし、愛をめぐる精神と身体の関係について論じる...
収録日:2018/09/27
追加日:2019/03/31
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
「バイアスがかかる」と聞くと、つい「ないほうが望ましい」という印象を抱いてしまうが、実は人間が生きていく上でバイアスは必要不可欠な存在である。それを今井氏は「マイワールドバイアス」と呼んでいるが、いったいどうい...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/09
偉大だったアメリカを全否定…世界が驚いたトランプの言動
内側から見たアメリカと日本(2)アメリカの大転換とトランプの誤解
アメリカの大転換はトランプ政権以前に起こっていた。1980~1990年代、情報機器と金融手法の発達、それに伴う法問題の煩雑化により、アメリカは「ラストベルト化」に向かう変貌を果たしていた。そこにトランプの誤解の背景があ...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/11


