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「年金の受給額」を最大42%もアップさせる方法
年金は、いったい何歳になったらいくら受け取れるの?「繰下げ」をすると増えると聞いたことがあるけど、どんな制度なの?そんな声にお応えするために少し調べてみました。
59歳になると、上記に加えて、5.これまでの年金加入履歴、6.これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況、7.これまでの国民年金保険料の納付状況が記載されてきます。
何のためかというと、ただ数字を確認するだけではありません。みなさんご承知のように、年金の払い込みは60歳まで、支給は65歳から。でも、60歳の誕生日までに「繰上げ」「繰下げ」をどうするか、自分で作戦を選ぶことができます。うまく選べば、年金は総支給期間を延ばすこともできれば、月々の支給額を最大42%もアップすることができます。
詳しく見ていきましょう。
ただし、毎月の支給額は以下のように減額されていきます(誕生月に応じて1カ月刻みです)。減額対象は65歳までの期間ではなく、全生涯にわたってのことですから、一定の年齢になると、65歳からもらう人たちのほうが総額は上回ってきます。以下を見て、判断してください。(昭和16年4月2日以降に生まれた方のケース)
支給年齢/減額率/通常支給の総受給額が繰り上げ受給より多くなる年齢
60歳/30~24.5%/76歳
61歳/4~18.5%/77歳
62歳/18~12.5%/78歳
63歳/12~6.5%/79歳
64歳/6~0.5%/80歳
60歳からもらいはじめると、76歳以降は他の受給者と比べると、合計額で“損”が重なっていくかたちになります。そうは言っても、いつまで受け取れるのかは誰にも保証の限りではありません。減額されても今もらう道があることを選択肢に入れればいいのではないでしょうか。
支給年齢/増額率/繰下げ受給の総受給額が通常支給より多くなる年齢
66歳/8.4~16.1%/77歳
67歳/16.8~24.5%/78歳
69歳/25.2~32.9%/79歳
69歳/33.6~41.3%/80歳
70歳/42%/81歳
こちらは、長生きすればするほど“トク”が積み上がる必勝パターン。なんと70歳からの受給を選ぶと、月々の支給額は42%も割高になります。しかし、少なくとも81歳まで11年間は支給されないと5年間我慢した甲斐はなく、こちらも誰に太鼓判を押してもらうこともできません。
ちなみに、2017年現在、支給されている老齢基礎年金は779,300円。60歳の誕生日を迎えてすぐもらえるよう、最長「繰上げ」すると、支給額は545,510円。70歳の誕生日まで待つように最長「繰下げ」すると、1,106,606円。毎年受け取れる額には、倍以上の開きが生じます。思うに任せない老後のプランニングは、体調と相談するのが一番ということでしょうか。
59歳は「繰上げ」「繰下げ」の決断を下す歳
50歳の誕生月になると、それまで「ハガキ」で届いていた「ねんきん定期便」が封書になって、受給が近づいたことを感じさせられます。封書の中身には、1.これまでの年金加入期間、2.老齢年金の年金見込額、3.これまでの保険料納付額、4. 最近の月別状況が詳しく記載。受け取れる額が具体的に読みとれるようになります(「ねんきんネット」に加入すれば、いつでも記録や見込額が確認できます)。59歳になると、上記に加えて、5.これまでの年金加入履歴、6.これまでの厚生年金保険における標準報酬月額などの月別状況、7.これまでの国民年金保険料の納付状況が記載されてきます。
何のためかというと、ただ数字を確認するだけではありません。みなさんご承知のように、年金の払い込みは60歳まで、支給は65歳から。でも、60歳の誕生日までに「繰上げ」「繰下げ」をどうするか、自分で作戦を選ぶことができます。うまく選べば、年金は総支給期間を延ばすこともできれば、月々の支給額を最大42%もアップすることができます。
詳しく見ていきましょう。
細くても早く!60歳になったらすぐもらいたい人は「繰上げ」
「繰上げ」は、60歳から64歳11カ月までの「待機期間」に年金をもらうための方法です。60歳を1日でも過ぎれば、もう働きたくない。月々の額は減っても、一刻も早く年金が欲しい、という方にオススメ。ただし、毎月の支給額は以下のように減額されていきます(誕生月に応じて1カ月刻みです)。減額対象は65歳までの期間ではなく、全生涯にわたってのことですから、一定の年齢になると、65歳からもらう人たちのほうが総額は上回ってきます。以下を見て、判断してください。(昭和16年4月2日以降に生まれた方のケース)
支給年齢/減額率/通常支給の総受給額が繰り上げ受給より多くなる年齢
60歳/30~24.5%/76歳
61歳/4~18.5%/77歳
62歳/18~12.5%/78歳
63歳/12~6.5%/79歳
64歳/6~0.5%/80歳
60歳からもらいはじめると、76歳以降は他の受給者と比べると、合計額で“損”が重なっていくかたちになります。そうは言っても、いつまで受け取れるのかは誰にも保証の限りではありません。減額されても今もらう道があることを選択肢に入れればいいのではないでしょうか。
トクするまで待つ!最大42%増額される「繰下げ」
逆に、もらう時期の「繰下げ」を選ぶこともできます。65歳で請求せず、66歳以降70歳までの間の申し出た時からの請求にする方法です。毎月の年金額は以下のように増額されます。(昭和16年4月2日以降に生まれた方のケース)支給年齢/増額率/繰下げ受給の総受給額が通常支給より多くなる年齢
66歳/8.4~16.1%/77歳
67歳/16.8~24.5%/78歳
69歳/25.2~32.9%/79歳
69歳/33.6~41.3%/80歳
70歳/42%/81歳
こちらは、長生きすればするほど“トク”が積み上がる必勝パターン。なんと70歳からの受給を選ぶと、月々の支給額は42%も割高になります。しかし、少なくとも81歳まで11年間は支給されないと5年間我慢した甲斐はなく、こちらも誰に太鼓判を押してもらうこともできません。
ちなみに、2017年現在、支給されている老齢基礎年金は779,300円。60歳の誕生日を迎えてすぐもらえるよう、最長「繰上げ」すると、支給額は545,510円。70歳の誕生日まで待つように最長「繰下げ」すると、1,106,606円。毎年受け取れる額には、倍以上の開きが生じます。思うに任せない老後のプランニングは、体調と相談するのが一番ということでしょうか。
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