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DATE/ 2017.10.20

ちびちび飲むと「歯が溶ける?」その原因とは

 口内の病気といえば虫歯、歯周病が有名ですが、「酸蝕歯」という病気をご存知ですか?

 酸蝕歯とは酸によって歯のエナメル質が溶けてしまうことで、歯がしみる、歯が薄くなる、ひどくなると歯が欠けたり神経を取らなくてはならなくなる病気です。近年患者数が増加していて、年齢性別に関わらず起こる可能性があるといわれています。生涯付き合っていく大切な歯を守るために、酸蝕歯の原因と予防について考えていきましょう。

酸性の強い食べものや胃液が原因に

 酸蝕歯は口内に強い酸性のものを含むことで引き起こされるものです。酸性の強い飲食物といえば黒酢やレモンなどのすっぱいものを想像しがちですが、コーラやスポーツドリンク、ワイン、そしてりんごやバナナにも、歯を溶かすのに充分な酸が含まれています。したがって、健康のために果実をよく食べる人や、ダイエットのために黒酢を毎日飲んでいる人、スポーツをする機会が多くよくスポーツドリンクを飲む人は、酸蝕歯になりやすい傾向にあります。また、胃液も非常に強い酸性を持っているため、逆流性食道炎の人や、つわりなどで嘔吐を繰り返す人も注意が必要です。

 私たちの歯は思っているより、弱い酸にも影響を受けやすいと感じたのではないでしょうか。とはいえ、酸性のものを食べることを避けるのは現実的な方法ではありません。酸性の強いものを口にするときにどんな対応をとるかで、酸蝕歯を予防することができます。酸蝕歯対策に有効である、2つの予防法を紹介します。

ちびちび飲み、だらだら食べはやめる

 飲みものをちびちび飲む、食べものをだらだら食べることが多い人は、その習慣を見直すことをおすすめします。酸性のものを口に含んでいるときは歯が酸にさらされている、つまり歯のエナメル質が攻撃されている状態だと考えてください。この時間を短くするためにも、ワインや日本酒、ビールなどのお酒、果物などの酸性の強い食べものや飲みものを口に含んだときには、長い時間口内に留めておかないようにしましょう。

食後はうがいを!歯みがきは食後30分待ってから

 虫歯予防のために食後すぐ歯みがきをする人もいますが、これは酸蝕歯予防としてはあまり良くないといわれています。食事によって口内は酸性の状態になっているため、食後すぐに歯みがきをしてしまうと酸にさらされてやわらかくなった歯のエナメル質が削られてしまうのです。やわらかくなったエナメル質が元の硬さに戻るには時間がかかるので、食後30分程度待ってから歯みがきをすることがおすすめです。その代わり、食後は水やお茶でのうがいをするようにしましょう。うがいは酸を洗い流して中和してくれるので、酸蝕歯予防にも効果が期待できます。

 ほかにも歯ブラシはやわらかいものを選ぶ、エナメル質の再石灰化をうながす歯磨き剤を使用するようにするなども、酸蝕歯を予防する方法なので参考にしてみましょう。歯1本の治療で済む虫歯とちがって、歯全体に影響が現れる酸蝕歯は実はとても深刻な病気として認知され始めています。歯を守るためにも自分の習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・新たな話題となっている酸蝕歯
http://abe-shika-clinic.kamu-come.com/sanshokusi.html
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