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DATE/ 2017.12.13

高田馬場に神楽坂…知られざる東京の外国人街

 近年、日本では在留外国人の数は増加しており、1996年には134万人だった在留外国人も2016年末には238万人あまりに倍増していることが法務省の調べで分かっています。さらにその中でも、永住資格を取得している外国人は1996年には7万人あまりでしたが、2016年には72万人と10倍にも増えているのです。

 外国人が多く住む街といえば、新大久保に広がるコリアンタウンのイメージが強いですが、都内には他にも外国人街が形成されている場所があります。今回は都内にある外国人街について紹介しましょう。

リトルヤンゴンのような高田馬場

 若者が多く集う高田馬場は、ミャンマー最大の都市の名前をもじったリトルヤンゴンと呼ばれるほど、ミャンマー人の多い街でもあります。在住者数は高田馬場付近だけで500人にものぼり、ミャンマー料理店や関連する店など、ミャンマー人の経営する店舗は約20店舗が集まっているといいます。

 ミャンマー人が増えたきっかけは、1988年にミャンマーで起こった民主化のデモ運動。民主化活動に参加したのちに弾圧を逃れるため来日した人も多く、それから20年以上も日本で生活している人も少なくありません。こうした第一世代の他に、第二世代として最近では民主化の進んだ本国から留学生として来日する若者も増えているといいます。

 彼らが高田馬場に集まる理由は都心への交通アクセスが良いこと、家賃が比較的安いことに加え、ミャンマー人の日本生活を支えるNPO法人、日本ミャンマー・カルチャーセンター(JMCC)が高田馬場にあることも、リトルヤンゴンを形成する理由のひとつとなっています。

パリのような一面もある?神楽坂

 石畳のある情緒溢れる景色が大人の街をイメージさせる神楽坂ですが、実はフランス人が多く暮らし、フランス料理の店が多く建ち並ぶフレンチタウンでもあるのです。日本に住むフランス人の4分の1が神楽坂のある新宿区に住んでいるといいます。

 これは政府の公認機関であるフランス語学校、アンスティチュ・フランセ東京(旧東京日仏学院)が1952年に神楽坂に開校され、かつては在日フランス人学校のリセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京があった(現在は北区滝野川へ移転)ことなど、フランス人家庭が生活しやすい条件がそろっていた点が理由といえます。

 その結果、神楽坂にはフランス人のギャルソンがいるレストランやフランス書籍専門店が多く建ち並び、フランス人も楽しめるパリさながらの顔を持つ街として進化したのです。

東京で最もインド人が集まる西葛西

 都心からのアクセスも良く、手頃な家賃から人気も高い西葛西。ここはインド人向けの学校も整備され、インド料理店やインド食材店が多く並び、リトルインディアとも呼ばれています。毎年ディワリフェスタと呼ばれるインドフェスタも行われており、地域に根ざしている様子がうかがえます。

 インド人の来日が増えたのは、2000年問題が取りざたされた1999年のこと。インドのIT技術を頼って日本企業が多くの技術者を招き、彼らは西葛西に住むようになったのです。そして日本での生活が安定するようになると、彼らは家族を呼び寄せて日本で暮らすようになり、リトルインディアが形成されていきました。

都内で異文化交流も

 このように都内にもさまざまな国を感じられる街が点在しています。今後、在留者の数はますます増加していくことが考えられますが、こうした街へ行くことで異文化を知ることもできるのではないでしょうか。また、西葛西のディワリフェスタのように、異文化に触れられるイベントが開催されることもあります。都内でできる異文化交流を楽しんでみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・毎日新聞:最多238万人…永住者、20年で10倍
https://mainichi.jp/articles/20170318/k00/00m/040/047000c
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