社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.12.21

副業で成功するのに必要なのはスキル?体力?

 終身雇用制度に変化が揺らぎ始めて少し時間が経ちました。今後この流れはさらに加速しそうです。政府は2017年度内にも、副業・兼業を事実上解禁します。すでに国のモデル就業規則における副業禁止規定を改定しているようです。また、副業を認めると問題になるだろうと思われる長時間労働についても、ガイドラインを策定中とのことです。

副業は大きく3つに分けられる

 とはいえ、副業が解禁されても日中は現在の仕事があるわけなので、実際には帰宅後や休日を使って働くことになります。プレジデントの記事では、副業としてできることを3つに大別しています。1つ目は体力や労働力を売る「カラダ系」、2つ目は技能や経験を売る「スキル系」、3つ目がネットを使って稼ぐ「ネット系」です。

 「カラダ系」は、とにかく時間と体力が勝負です。コンビニの店員や工事現場作業員、荷物の仕分け、夜間警備といったものが考えられます。求人は引く手あまたです。ただ、夜間の仕事や体力を使う仕事なので、よほど体力に自信のある方でも、日中の仕事をしながらではなかなか厳しいかもしれません。

 「スキル系」は、プログラミング、アプリ開発といったコンピュータ系をはじめ、言語翻訳や講師、各種インストラクター、など、専門性を活かした仕事が考えられます。比較的高収入につながりやすいと言えるでしょう。ただし、こういった仕事はすぐに見つかるというわけではないようです。自分を信頼してもらえる人脈作りやアピール術も必要になります。そう考えると、現業での実績や人脈から仕事をもらう、知り合いのつてをたどるといったことが必要になるかもしれません。

 「ネット系」は、オークションやインターネット広告で収入を得る方法です。ブロガー、ユーチューバーとして広告収入を得たり、インスタグラマーとして企業と契約したりして稼ぐ、という人もいるかもしれません。しかし、ネット系はどれだけアクセスを稼げるかにかかっているわけなので、一定のノウハウや、たえず情報を追いかけながらトレンドを把握する探究心が必要です。

自分の「得意」を持っている人が得をする!?

 まとめると、「カラダ系」は誰でも出来るが単価は安い、「スキル系」は単価が高いが仕事探しは容易ではない、「ネット系」はかなりのノウハウと探究心が必要、となります。どれも一長一短ですが、もし、ご自身がこれらを副業にできる土台をお持ちであれば、「得する人」と言えるでしょう。また、最近では、趣味で培った知識や、育児・介護の経験を生かしてサービスを提供する「スキルシェアリング」というものも登場しています。自分の「得意」を活かして収入を得られると考えれば、副業解禁は歓迎すべき状況ですよね。

 ただし、副業はあくまでも本業に支障をきたさないことが大前提です。本業が疎かにならざるを得ないような副業や、本業の会社に不利益になるような形で副業を行うと、大きな代償を負うこともありえます。副業が一般化していくとすれば、このあたりのことをしっかり意識する必要はありそうです。

<参考サイト>
・RESIDENT Online:週末副業:いま持っているスキルで月10万円を稼ぐには
http://president.jp/articles/-/12880
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れた逆境の意味

「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れた逆境の意味

逆境に対峙する哲学(2)運命・世界・他者

西洋には逆境は神が与える運命という考え方があり、その運命をいかに克服するかを考えたのがストア派だった。しかし、神道が説くように「ヒトもカミ」であれば、それに気づく瞬間は逆境の中にこそ存在するはずである。「他者で...
収録日:2025/07/24
追加日:2025/12/20
2

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著

渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会

渡部昇一氏には、若き頃に留学したドイツでの体験を記した『ドイツ留学記(上・下)』(講談社現代新書)という名著がある。1955年(昭和30年)から3年間、ドイツに留学した渡部昇一氏が、その留学で身近に接したヨーロッパ文明...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/10/23
渡部玄一
チェロ奏者
3

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割

豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割

豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはか...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/18
黒田基樹
駿河台大学法学部教授 日本史学博士
4

「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?

「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?

戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方

2025年8月、米露、米ウクライナ、EUの首脳会談が相次いで実現した。その成果だが、中でもロシアにとって大成功と呼べるものになった。ディール至上主義のトランプ政権を手玉に取ったロシアが狙う「ベルト要塞」とは何か。事実上...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/12/21
東秀敏
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー
5

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授