社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
統計で見る「がん」の恐ろしさ
ここ数年のデータによると、生涯で日本人の2人に1人は何らかの「がん」に罹患しています。さらに日本人の死亡原因は、1位「悪性新生物(がん)」28.5%、2位は「心疾患」で15.1%、3位は「肺炎」で9.1%です。つまりおよそ日本人の4人に1人はがんで死亡しています(2016年のデータ)。このような数字だけを見ると、がんは怖いかもしれません。しかし、早期発見できれば問題ないがんもあります。ここではもう少し詳しくデータを見ながら、がんをとりまく状況を整理してみます。
<男性>
1位「肺」
2位「胃」
3位「大腸」
4位「肝臓」
5位「膵臓」
<女性>
1位「大腸」
2位「肺」
3位「膵臓」
4位「胃」
5位「乳房」
男女ともに「肺」「大腸」「胃」の死亡数が多く、女性に多い、「乳房」以外はおおよそ共通しているといえるでしょう。ただし、この数値は「死亡原因とされたがんの種類」です。つまり、その部位のがんにかかる人が多ければそのがんが原因とされた死亡者数も増えます。ではどのような部位のがんの死亡率が高いのでしょうか。この場合、「5年相対生存率」に注目する必要があります。
2006年から2008年にがんと診断された人全体の「5年相対生存率」は男性62.1%、女性66.0%です。部位別で見ると男性は前立腺(97.5%)、皮膚(92.2%)、甲状腺(89.5%)の順に高く、女性では甲状腺(94.9%)、皮膚(92.5%)、乳房(91.1%)の順に高くなっています。
数値をみて分かる通り、がんの部位によっては「5年相対生存率」が100%に近いものもあります。この生存率が高いがんは、比較的進行が緩やかである場合が多く、早期であるステージⅠで発見できれば対策が取りやすいようです。また、乳がんは乳房のしこりなどの症状が出るという点もあり、意識をもっていれば早期発見しやすいという点もあります。
これに対して、「5年相対生存率」が低い部位に膵臓があります。男性4.6%、女性4.8%という数値です。理由としては、初期には症状が出ないことが多く、早期に発見しにくいということのようです。つまり、がん治療には早期発見できるかどうかということがカギだということはこの数値から分かります。
インターネットで「がん」について探すと、大量の情報が溢れています。何を信じていいのか分からなくなるかもしれません。その中で、国立がん研究センターが解説している「がん情報サービス」をおすすめします。がんそのものについての情報のほかに、がんの疑いがあると言われた方がどうすればよいか、まわりの人間はどう対処すべきか、といったことなど専門家が丁寧に回答しています。
どのようながんで死亡数が多いのか
2016年のデータによると、がんで死亡した人の総数は37万2986人で、内訳は男性21万9785人、女性15万3201人となっています。死亡数が多い部位の上位はそれぞれ以下のようになっています。<男性>
1位「肺」
2位「胃」
3位「大腸」
4位「肝臓」
5位「膵臓」
<女性>
1位「大腸」
2位「肺」
3位「膵臓」
4位「胃」
5位「乳房」
男女ともに「肺」「大腸」「胃」の死亡数が多く、女性に多い、「乳房」以外はおおよそ共通しているといえるでしょう。ただし、この数値は「死亡原因とされたがんの種類」です。つまり、その部位のがんにかかる人が多ければそのがんが原因とされた死亡者数も増えます。ではどのような部位のがんの死亡率が高いのでしょうか。この場合、「5年相対生存率」に注目する必要があります。
生存率の高いがんとは
「5年相対生存率」とは、がんと診断されたのち5年後に生存している割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどの程度なのかを示しています。100%に近いほど治療で救えるがんあるということです。2006年から2008年にがんと診断された人全体の「5年相対生存率」は男性62.1%、女性66.0%です。部位別で見ると男性は前立腺(97.5%)、皮膚(92.2%)、甲状腺(89.5%)の順に高く、女性では甲状腺(94.9%)、皮膚(92.5%)、乳房(91.1%)の順に高くなっています。
数値をみて分かる通り、がんの部位によっては「5年相対生存率」が100%に近いものもあります。この生存率が高いがんは、比較的進行が緩やかである場合が多く、早期であるステージⅠで発見できれば対策が取りやすいようです。また、乳がんは乳房のしこりなどの症状が出るという点もあり、意識をもっていれば早期発見しやすいという点もあります。
これに対して、「5年相対生存率」が低い部位に膵臓があります。男性4.6%、女性4.8%という数値です。理由としては、初期には症状が出ないことが多く、早期に発見しにくいということのようです。つまり、がん治療には早期発見できるかどうかということがカギだということはこの数値から分かります。
がんとともに生きるには
がんが不治の病と呼ばれていた時代がありました。しかし、現代では有効な薬や治療法がさまざまな方向から研究されています。また、こういった医療技術の進歩に合わせて、社会通念も変化しつつあります。治療しながら、また再発を抑制しながら働く人も増えています。がんになったら終わりではありません。インターネットで「がん」について探すと、大量の情報が溢れています。何を信じていいのか分からなくなるかもしれません。その中で、国立がん研究センターが解説している「がん情報サービス」をおすすめします。がんそのものについての情報のほかに、がんの疑いがあると言われた方がどうすればよいか、まわりの人間はどう対処すべきか、といったことなど専門家が丁寧に回答しています。
<参考サイト>
・国立がん研究センター:最新がん統計
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
・国立がん研究センター:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/index.html
・国立がん研究センター:最新がん統計
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
・国立がん研究センター:がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/index.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
『孟子』に学ぶ、リーダーが過酷な境遇に追い込まれる意味
徳と仏教の人生論(5)陰陽と東洋思想を知ることの意味
宇宙や人生の本質について考察を深めていく今回の講義。前回に続く、宇宙がもう1つの宇宙のような存在をつくりたくて人間を創造したという話は非常に興味深い。陰陽(陰と陽)の両面を理解し、自然の摂理に根差した東洋思想を深...
収録日:2025/05/21
追加日:2025/11/07
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
保守的な軍国化によって、内戦への機運が高まっているアメリカだが、MAGAと極左という対立図式は表面的なものにすぎない。その根本に横たわっているのは白人とユダヤ人という人種の対立であり、それはカーク暗殺事件によって露...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/11/06
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10


