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30代40代が考える結婚・出産に必要な年収は?
消費者金融の大手、SMBCコンシューマーファイナンスでは、さまざまな世代の金銭感覚などを調査していますが、今般、「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2018」がリリースされています。2018年1月10日~15日の6日間、30歳~49歳の男女を対象にインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルを集計したもの。どんな特筆事項があるのか、「年収」をキーワードに見てみましょう。
本調査では「世帯年収が400万円になった場合、結婚しようと思う人の割合」を探っています。男性は20代40.0%、30代44.4%、40代47.2%が「してもよい」。女性は20代57.6%、30代49.2%、40代38.0%がYesです。男性は年を重ねるほど、同じ年収での結婚願望が強くなり、女性は逆に消極的になっていくことが分かったのです。
では、いくらの年収があれば、結婚や子育てに対するゴーサインとなるのでしょうか。この調査では、結婚について「年収400万円あれば」11.5%、「500万円あれば」22.5%に回答が集まりました。年収400万円までの累計は33.4%、年収500万円では55.9%ですから、半数以上が結婚したいと思える年収としては、500万円が境目のようです。
同様に子育てについては、「年収500万円あれば」19.3%、「600万円あれば」13.1%が回答の集中ゾーン。半数以上(55%)が子育てをしたいと思える年収の境目は600万円となりました。ただ、「年収がどんなに多くてもしたいと思えない」という人が結婚では14.7%、子育てでは19.6%いたこともリアルな数字として注目です。
また、結婚や子育てに関して、「国民生活基礎調査の概況(平成28年版)」によると、全世帯のうち「苦しい」と感じている割合は56.5%。30代40代の男女は、「苦しい」思いをしてまで結婚や子育てをするのは嫌だと感じているわけです。
では、夫婦双方が働く30代・40代は、いくら年収をもらえれば「管理職になりたい」と思うのでしょうか。正規雇用の人だけに当てた質問でしたが、回答は「年収1,000万円以上あれば」が男性の最多回答(29.8%)、「年収600万円以上あれば」が女性の最多回答(18.1%)でした。半数以上が管理職になりたいと思えるのは年収800万円(累計59.7%)がボーダー・ラインになります。
ただし、「年収がどんなに多くても、管理職になりたくない」という人は、男性9.3%に対して女性は20.5%。「女性の活躍推進・就業環境改善が道半ばだということの表れか」と調査では分析していますが、正規雇用で働く女性の5人に1人が消極的な姿勢であるのは、注目できます。
本調査では、年収アップについての意識も探っています。「上げたい」か「上げたくない/そのままでいい」かと言われると、「上げたい」が86.3%。ただ、「上げたくない/そのままでいい」と答えている人が40代女性では20.9%に上ります。その理由は「プライベートと仕事の両立ができているから」「子供と過ごす時間を減らしたくないから」など、収入よりもワークライフバランスを重要視する声が多数。このあたりは、先の「管理職になりたくない」にも通じるメンタリティかもしれません。
しかしながら、やはり年収をアップさせたい層が圧倒的多数派。そちらに目を向けると、目標年収の平均値は、男性854万円、女性411万円。30代男性は現在の年収+346万円、40代男性は現在の年収+301万円が目標です。30代女性は+161万円、40代女性は+97万円。年収もワークライフバランスも、という本音の声が聞こえてきそうです。
年収500万円が、「結婚してもいい」平均年収
現在、日本の1世帯あたり所得金額の中央値は428万円(厚労省「国民生活基礎調査の概況」平成28年版より)。ということは、世帯年収が400万円あれば、まずまずやっていけるだろうというのが客観的な見通しです。では、当事者たちの意識はどうなのでしょう。本調査では「世帯年収が400万円になった場合、結婚しようと思う人の割合」を探っています。男性は20代40.0%、30代44.4%、40代47.2%が「してもよい」。女性は20代57.6%、30代49.2%、40代38.0%がYesです。男性は年を重ねるほど、同じ年収での結婚願望が強くなり、女性は逆に消極的になっていくことが分かったのです。
では、いくらの年収があれば、結婚や子育てに対するゴーサインとなるのでしょうか。この調査では、結婚について「年収400万円あれば」11.5%、「500万円あれば」22.5%に回答が集まりました。年収400万円までの累計は33.4%、年収500万円では55.9%ですから、半数以上が結婚したいと思える年収としては、500万円が境目のようです。
同様に子育てについては、「年収500万円あれば」19.3%、「600万円あれば」13.1%が回答の集中ゾーン。半数以上(55%)が子育てをしたいと思える年収の境目は600万円となりました。ただ、「年収がどんなに多くてもしたいと思えない」という人が結婚では14.7%、子育てでは19.6%いたこともリアルな数字として注目です。
また、結婚や子育てに関して、「国民生活基礎調査の概況(平成28年版)」によると、全世帯のうち「苦しい」と感じている割合は56.5%。30代40代の男女は、「苦しい」思いをしてまで結婚や子育てをするのは嫌だと感じているわけです。
「管理職になりたい」と思える年収は800万円超?
実際の「世帯年収」に戻ると、1世帯あたりの年代別平均所得金額は、30代の世帯主では562.3万円、40代の世帯主では671.1万円の結果が出ています。これを子どもや老人も含めた世帯人員で割ると、一人当たり平均所得金額は30代の世帯主で177.1万円、40代の世帯主で209.6万円になります。子育て中の妻も何らかのかたちで収入を得ている姿が、現在の平均像として映し出されています。では、夫婦双方が働く30代・40代は、いくら年収をもらえれば「管理職になりたい」と思うのでしょうか。正規雇用の人だけに当てた質問でしたが、回答は「年収1,000万円以上あれば」が男性の最多回答(29.8%)、「年収600万円以上あれば」が女性の最多回答(18.1%)でした。半数以上が管理職になりたいと思えるのは年収800万円(累計59.7%)がボーダー・ラインになります。
ただし、「年収がどんなに多くても、管理職になりたくない」という人は、男性9.3%に対して女性は20.5%。「女性の活躍推進・就業環境改善が道半ばだということの表れか」と調査では分析していますが、正規雇用で働く女性の5人に1人が消極的な姿勢であるのは、注目できます。
本調査では、年収アップについての意識も探っています。「上げたい」か「上げたくない/そのままでいい」かと言われると、「上げたい」が86.3%。ただ、「上げたくない/そのままでいい」と答えている人が40代女性では20.9%に上ります。その理由は「プライベートと仕事の両立ができているから」「子供と過ごす時間を減らしたくないから」など、収入よりもワークライフバランスを重要視する声が多数。このあたりは、先の「管理職になりたくない」にも通じるメンタリティかもしれません。
しかしながら、やはり年収をアップさせたい層が圧倒的多数派。そちらに目を向けると、目標年収の平均値は、男性854万円、女性411万円。30代男性は現在の年収+346万円、40代男性は現在の年収+301万円が目標です。30代女性は+161万円、40代女性は+97万円。年収もワークライフバランスも、という本音の声が聞こえてきそうです。
<参考サイト>
・SMBCコンシューマーファイナンス:30代・40代の金銭感覚についての意識調査2018
http://www.smbc-cf.com/news/news_20180306_917.html
・厚生労働省:平成28年国民生活基礎調査の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html
・SMBCコンシューマーファイナンス:30代・40代の金銭感覚についての意識調査2018
http://www.smbc-cf.com/news/news_20180306_917.html
・厚生労働省:平成28年国民生活基礎調査の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/index.html
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