テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2018.05.18

公務員、2018年の夏のボーナスはどうなる?

 GWが過ぎて、待ち遠しいのは夏休み!サラリーマンにとって、それ以上に楽しみなのは夏の賞与、いわゆるボーナスではないでしょうか。気になるのは業界ごとの支給額、景気や業績によって左右される一般企業はさておき、親方日の丸といわれる公務員はいかほどか、調べてみました。

人事院勧告から支給額は前年比プラス傾向

 ひとくちに公務員といっても、国家公務員と地方公務員では事情が違っています。国家公務員は法律で、地方公務員は条例で定められていることはご存じでしょうか。

 国家公務員一般職については、例年8月に公表される人事院勧告によって、給与と賞与の改定指針を知ることができます。ちなみに、国家公務員58.3万人のうち、27.5万人が「一般職の職員の給与に関する法律(給与法)の対象となります。

 地方公務員についても、条例による地域差はありながら、人事院勧告にそった国家公務員に連動させる地方自治体が多いことが知られています。

 2018年4月に発表されたみずほ総合研究所の予測も、2017年の人事院勧告を元にしています。結果、地方と国家を合わせた公務員の一人当たりボーナス支給額は、前年から伸びは縮小しつつも、前年比+2.4%とプラスを維持する見込みであるとのこと。

人事院勧告からの予測額は?

 人事院勧告によると、国家公務員一般職の給与決定が民間の一般企業とのバランスを取るようになされていることがよく分かります。2017年8月の勧告では、民間給与との較差(0.15%)を埋めるために、調整手当の引き上げが報告されています。

 結果、2017年の勧告では前年より0.1月分引き上げられ。ボーナス4.4月の支給が定められました。4.4月の支給は、夏2.125月、冬2.275月に分割されることから、2018年の夏のボーナスは2.125月は確約されているといってよいでしょう。

国家公務員/平均年齢43.2歳、平均給与416,969円
地方公務員/平均年齢42.3歳、平均給与402,147円

 上記、人事院と総務省の平均値から概算した、2018年夏のボーナス予測額は、

国家公務員:886,059円
地方公務員:854,562円

ボーナスも安定した公務員

 一般企業と比較すると、50人以上の民間事業所の平均値に近く、上場している大手企業と比べれば公務員のほうが低く、50人未満の企業と比ベれば公務員のほうが高くなるというポジショニングになります。

 支給の推移をみても、以下の通り、過去5年上昇傾向にあります。

 2013年 3.95月分
 2014年 4.1月分
 2015年 4.2月分
 2016年 4.3月分
 2017年 4.4月分

 民間の連動する、2018年の人事院勧告がどうなるか気になるところですが、やはり高値安定が期待できる公務員は魅力的であるといってよいでしょう。

<参考サイト>
・みずほ総合研究所:
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp180410.pdf
・人事院:平成29年国家公務員給与等実態調査の結果
http://www.jinji.go.jp/kankoku/kokkou/29kokkou.htm
・総務省:平成29年地方公務員給与実態調査結果等の概要
http://www.soumu.go.jp/main_content/000524203.pdf
・人事院:給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント(平成29年8月)
http://www.jinji.go.jp/kankoku/h29/pdf/29point.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視

ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視

第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?

「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
柿埜真吾
経済学者
2

大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本

大隈重信と福澤諭吉…実は多元性に富んでいた明治日本

デモクラシーの基盤とは何か(2)明治日本の惑溺と多元性

アメリカは民主主義の土壌が育まれていたが、日本はどうだったのだろうか。幕末の藩士たちはアメリカの建国の父たちに憧憬を抱いていた。そして、幕末から明治初期には雨後の筍のように、様々な政治結社も登場した。明治日本は...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/05/16
3

【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?

【会員アンケート】談論風発!トランプ関税をどう考える?

編集部ラジオ2025(8)会員アンケート企画:トランプ関税

会員の皆さまからお寄せいただいたご意見を元に考え、テンミニッツTVの講義をつないでいく「会員アンケート企画」。今回は、「トランプ関税をどう考える?」というテーマでご意見をいただきました。

第2次トランプ...
収録日:2025/05/07
追加日:2025/05/15
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

今や化学兵器の主流…「バイナリー」兵器とは?

今や化学兵器の主流…「バイナリー」兵器とは?

医療から考える国家安全保障上の脅威(3)NBC兵器をめぐる最新情勢

2006年ロシアのKGB元職員暗殺には「ポロニウム210」というNBC兵器が用いられた。これは、検知しやすいγ線がほとんど出ない放射線核種で、監視の目を容易にすり抜ける。また、2017年金正男氏殺害に使われた「VX」は、2種の薬剤を...
収録日:2024/09/20
追加日:2025/05/15
山口芳裕
杏林大学医学部教授
5

生と死が明確に分かれていた…弥生人が生きていた世界とは

生と死が明確に分かれていた…弥生人が生きていた世界とは

弥生人の実態~研究結果が明かす生活と文化(9)弥生人の「生の世界」

弥生時代の衣食住には、いったいどんな文化があったのだろうか。土器やスタンプ痕の分析から浮かび上がる弥生人が生きていた世界、その生活をひもとくと、農耕の発展の経路や死生観など当時のさまざまな文化の背景が見えてくる...
収録日:2024/07/29
追加日:2025/05/14
藤尾慎一郎
国立歴史民俗博物館 名誉教授