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論争激化! 糖質制限 VS カロリー制限
痩せようと思ったらまずは糖質を減らすところから、そんなイメージが当たり前になりつつある今日この頃、今では「糖質制限」と聞いたことのない人は居ないのではないでしょうか?効果が現れるのも早いと謳われ、一般的な認識としては、「カロリー制限」より広がりつつある印象を受けます。
ところが、そんな「糖質制限」の是非を問う論争が再び加熱してきています。健康に良いどころか寿命を縮めるリスクがあるという報道さえ出てきて、病気予防やダイエットに取り組む人々に混乱を呼んでいるようです。
実験結果は、Aのグループは平均寿命より長く生きられないものが多く、一般的な個体に比べて背骨が曲がってしまったり抜け毛がひどくなったりと、老化のスピードが速い傾向にあるというショッキングなものでした。この結果が日本農業新聞に掲載され、『糖質制限ご用心 60代後半 老化顕著に』という見出しで報道され、以降メディアを賑わしてゆきます。
これに対して糖質制限の第一人者である医師の江部康二氏が『東洋経済オンライン』で、『糖質制限「老化説」が抱える根本的な大問題』と反論を掲載し、週刊新潮がそれに応じる形で第2弾特集『「糖質制限」の「がん」「認知症」リスク』を組み、江部氏はさらなる反論『エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない』を掲載するという事態になり、現在に至ります。
日本農業新聞の記事掲載以前になりますが、2018年の週刊ダイヤモンド1月13日号に掲載された医師・栄養士それぞれに調査したアンケート結果によれば(個人的な考えの統計であり科学的なデータではないと断りが入っていますが)、病気予防を目的とした糖質制限、カロリー制限、脂質制限もそれぞれ過半数の支持を得ていました。
日本糖尿病学会はカロリー制限を推奨してきたこともあり、学会によるガイドラインにも糖質制限の有効性を認める論文が盛り込まれておりません。とはいえ、同学会理事長は個人として糖質制限食を日々の食事としていると明言、東大病院では糖尿病患者向けに低糖質メニューを用意したりするなどの話題がクローズアップされたのも記憶に新しいところです。
権威のある医学誌においても、意見はさまざまです。糖質制限が注目されたのは2008年に発表された、イスラエルにおける300人ほどの肥満の人を対象に行われた「DIRECT」試験からになります。被験者を「カロリー制限&脂質制限」「カロリー制限&地中海食」「カロリー制限なし&糖質制限食」の3グループに分けて体重減少にどれだけ効果があるかはかったものです。これにより、最も中性脂肪が減少し、善玉コレステロールが増えたのが「糖質制限」だったのです。
その後、糖質制限の有効性を認めた論文も掲載されれば、厳密な糖質制限ダイエットの悪弊を危惧する論文も発表されており……肯定派も否定派も次々と新しい報告を出しているのが現状です。本当に長期の数十年後にどのような結果が出るかという調査報告はまだ出ていないということもあり、マウスでの実験結果が一石を投じることとなったようです。
なかなか決着のつかない糖質制限論争ですが、時代ごとに現れては消えていく流行のダイエットや健康法と違って、医学的に検証を重ね続けられているのはよろこばしいところ。今すぐに結果を求めるのは難しいのかもしれせんが、後の世代のためにも、生活習慣病の改善のための新しい方針が確立されることを願ってやみません。
ところが、そんな「糖質制限」の是非を問う論争が再び加熱してきています。健康に良いどころか寿命を縮めるリスクがあるという報道さえ出てきて、病気予防やダイエットに取り組む人々に混乱を呼んでいるようです。
東北大大学院からの警笛『糖質制限ご用心』
ことの起こりは2018年3月15日の日本農業新聞に掲載された記事になります。東北大大学院の農学研究科グループより、マウスの比較実験結果が報告されました。内容は、Aのグループはいわゆる糖質制限食的な餌を、Bのグループは日本人の一般的な食事に近い餌を与え続け、それぞれの寿命や健康状態を図るというものになります。実験結果は、Aのグループは平均寿命より長く生きられないものが多く、一般的な個体に比べて背骨が曲がってしまったり抜け毛がひどくなったりと、老化のスピードが速い傾向にあるというショッキングなものでした。この結果が日本農業新聞に掲載され、『糖質制限ご用心 60代後半 老化顕著に』という見出しで報道され、以降メディアを賑わしてゆきます。
危険を報じるメディアと第一人者の論戦
コンビニのサラダチキンなどですっかりお馴染みの糖質制限市場は今や3000億円以上とも言われる現在、記事は注目を集めました。同3月末には早くもフジテレビの『とくダネ!』や『週刊新潮』などのメディアが特集を組み、長期の糖質制限による動脈硬化、がん発症、老化との関連性を報道し始めます。これに対して糖質制限の第一人者である医師の江部康二氏が『東洋経済オンライン』で、『糖質制限「老化説」が抱える根本的な大問題』と反論を掲載し、週刊新潮がそれに応じる形で第2弾特集『「糖質制限」の「がん」「認知症」リスク』を組み、江部氏はさらなる反論『エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない』を掲載するという事態になり、現在に至ります。
喧々諤々『糖質制限』VS『カロリー制限』
両者とも一歩も譲らない論争ですが、実際の医療の現場ではどうなのでしょう?日本農業新聞の記事掲載以前になりますが、2018年の週刊ダイヤモンド1月13日号に掲載された医師・栄養士それぞれに調査したアンケート結果によれば(個人的な考えの統計であり科学的なデータではないと断りが入っていますが)、病気予防を目的とした糖質制限、カロリー制限、脂質制限もそれぞれ過半数の支持を得ていました。
日本糖尿病学会はカロリー制限を推奨してきたこともあり、学会によるガイドラインにも糖質制限の有効性を認める論文が盛り込まれておりません。とはいえ、同学会理事長は個人として糖質制限食を日々の食事としていると明言、東大病院では糖尿病患者向けに低糖質メニューを用意したりするなどの話題がクローズアップされたのも記憶に新しいところです。
権威のある医学誌においても、意見はさまざまです。糖質制限が注目されたのは2008年に発表された、イスラエルにおける300人ほどの肥満の人を対象に行われた「DIRECT」試験からになります。被験者を「カロリー制限&脂質制限」「カロリー制限&地中海食」「カロリー制限なし&糖質制限食」の3グループに分けて体重減少にどれだけ効果があるかはかったものです。これにより、最も中性脂肪が減少し、善玉コレステロールが増えたのが「糖質制限」だったのです。
その後、糖質制限の有効性を認めた論文も掲載されれば、厳密な糖質制限ダイエットの悪弊を危惧する論文も発表されており……肯定派も否定派も次々と新しい報告を出しているのが現状です。本当に長期の数十年後にどのような結果が出るかという調査報告はまだ出ていないということもあり、マウスでの実験結果が一石を投じることとなったようです。
次世代のためにも食事療法の確立を
一口に「糖質制限」といってもやり方にはいろいろあり、ご飯をお茶碗半分に減らしたり夜はおかずだけにしたりなどの簡単なものから、修行僧の五穀断ちのように全く口にしないものもあります。くわえて、糖質を取らない代わりに食べるものの範囲や量の制限も異なっています。はっきりとノウハウが確立明記されていないのも混乱を呼ぶ一因でしょう。我流の糖質制限でしびれや集中力の低下を経験したという声が巷から上がっています。なかなか決着のつかない糖質制限論争ですが、時代ごとに現れては消えていく流行のダイエットや健康法と違って、医学的に検証を重ね続けられているのはよろこばしいところ。今すぐに結果を求めるのは難しいのかもしれせんが、後の世代のためにも、生活習慣病の改善のための新しい方針が確立されることを願ってやみません。
<参考サイト>
日本農業新聞:ご飯、うどん…炭水化物減らすダイエット 60代後半で老化顕著に 糖質制限ご用心
https://www.agrinews.co.jp/p43551.html
・東洋経済ON LINE:糖質制限「老化説」が抱える根本的な大問題
https://toyokeizai.net/articles/-/214390
・東洋経済ON LINE:エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない
https://toyokeizai.net/articles/-/215987
日本農業新聞:ご飯、うどん…炭水化物減らすダイエット 60代後半で老化顕著に 糖質制限ご用心
https://www.agrinews.co.jp/p43551.html
・東洋経済ON LINE:糖質制限「老化説」が抱える根本的な大問題
https://toyokeizai.net/articles/-/214390
・東洋経済ON LINE:エビデンスなき「糖質制限」論争は意味がない
https://toyokeizai.net/articles/-/215987
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