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「ググる」とは違う「be Amazoned」の意味
通販サイトのアマゾンといえば、誰もが一度は利用したことがあるのではないでしょうか。中には「アマゾンがないと生活が回らなくなる」というヘビーユーザーもいるかもしれませんね。このように世界中の人々にとって欠かせない存在となったアマゾンの影響力はどんどん強まっており、近年のアメリカではアマゾンを動詞形にした「be Amazoned」という表現が使われているほどです。
しかし「be Amazoned」は過去分詞、つまり受身表現なので、「アマゾる」にならって和訳すると「アマゾられる」となり、意味が違ってきます。では一体、なにをされるのかというと、実は「損害を与えられること」なのです。これはアマゾンのようなネット通販が成功した影で、実店舗の小売店が売り上げを落としたことから生まれた表現。アメリカ企業の大幹部などが、「be Amazoned」を「そのビジネスは新規参入してきた他企業によって台無しにされるだろう」という意味で使用しています。
2006年に開始したクラウドコンピューティングサービス・アマゾンウェブサービス(AWS)は2015年に前年比81%という驚異的な成長率を記録し、アマゾンの営業利益を支える重要な部門になっています。ここまで広く受け入れられた理由は、クラウドを導入すれば自前でネットワーク構築などをしなくていいから。しかしこの結果、ITハードを扱うヒューレット・パッカードやIBMが「be Amazoned」の被害者になっています。
さらにアマゾンは2018年に入ってJPモルガンチェースなど複数の銀行と協議しており、小規模事業者向けのクレジットカードサービスを計画しているといわれます。この情報が報道された途端、クレジットカード会社・アメリカンエキスプレスの株価が約1.4%下落するという「be Amazoned」が発生しました。
一方で、2017年にはアメリカのスーパーマーケットチェーン・ホールフーズを137億ドル(約1兆5千億円)という巨額で買収しています。これによってアメリカやカナダの実店舗がアマゾンの流通拠点にできるわけです。アマゾンはまだまだ小売業の成長も視野に入れており、いずれは世界中の商取引すべてを手に入れようと考えているようです。
この発端は、アマゾンが東京国税局から約140億円の追徴課税を申し渡されたことによります。課税の理由が「日本国内で得た利益に関しては、日本に法人税を払うべき」というものだったので、多くの人々が「じゃあ今まで払ってなかったのか」と驚いたのです。
ただしアマゾンは脱税していたわけではありません。アマゾンの日本での業務は日本子会社のアマゾン・ジャパンとアマゾン・ロジスティクスが担当していますが、ここで得た利益はアメリカ本社に吸い上げられるシステムなので、日本子会社はほぼ利益を得られないのです。アメリカには法人税を納めているので、理論上は犯罪になりません。しかし税金が安い国に架空の本社を置くなどして節税をはかる「タックス・ヘイブン」が問題になったように、法の目をかいくぐる悪質な行為といえます。このため東京国税局は、日本で得た利益分を納税するよう命じたのです。
この法人税問題には日本だけでなくEU諸国など多くの国が頭を悩ませており、2018年4月に開催されたG20財務省・中央銀行総裁会議でもアマゾンの課税強化が議題となりました。
莫大な富を得ているアマゾンですが、本社は常に「利益を上げ続けろ」と子会社にプレッシャーを与えており、アマゾン・ジャパンも新たな無理難題を取引先や利用者に突きつける可能性があります。そうなればだれもが「be Amazoned/アマゾられる」でしょう。語呂は悪いですが、意外と一般的な言葉になるかもしれません。
アマゾンが動詞になるとどんな意味?
この「be Amazoned」、どういう意味なのでしょうか。日本人の感覚だと、ネット検索することを検索エンジンの代表格であるグーグルから取って「ググる」と表現するように、ネット通販を利用することかと思いますよね。実際、2005年発行の津田大介さんの著書『アマゾる?オンラインショップAmazonをとことん限界まで使いこなすこと』では、アマゾンで商品検索することを「アマゾる」というアマゾンの動詞形で表現しています。しかし「be Amazoned」は過去分詞、つまり受身表現なので、「アマゾる」にならって和訳すると「アマゾられる」となり、意味が違ってきます。では一体、なにをされるのかというと、実は「損害を与えられること」なのです。これはアマゾンのようなネット通販が成功した影で、実店舗の小売店が売り上げを落としたことから生まれた表現。アメリカ企業の大幹部などが、「be Amazoned」を「そのビジネスは新規参入してきた他企業によって台無しにされるだろう」という意味で使用しています。
多種多様な業界に進出するアマゾン
そして現在、「be Amazoned」の対象は小売店にとどまりません。アマゾンは通販以外にも、さまざまな業種に進出しているのです。2006年に開始したクラウドコンピューティングサービス・アマゾンウェブサービス(AWS)は2015年に前年比81%という驚異的な成長率を記録し、アマゾンの営業利益を支える重要な部門になっています。ここまで広く受け入れられた理由は、クラウドを導入すれば自前でネットワーク構築などをしなくていいから。しかしこの結果、ITハードを扱うヒューレット・パッカードやIBMが「be Amazoned」の被害者になっています。
さらにアマゾンは2018年に入ってJPモルガンチェースなど複数の銀行と協議しており、小規模事業者向けのクレジットカードサービスを計画しているといわれます。この情報が報道された途端、クレジットカード会社・アメリカンエキスプレスの株価が約1.4%下落するという「be Amazoned」が発生しました。
一方で、2017年にはアメリカのスーパーマーケットチェーン・ホールフーズを137億ドル(約1兆5千億円)という巨額で買収しています。これによってアメリカやカナダの実店舗がアマゾンの流通拠点にできるわけです。アマゾンはまだまだ小売業の成長も視野に入れており、いずれは世界中の商取引すべてを手に入れようと考えているようです。
全世界が困っている法人税問題
このようにもともとの小売業を強化して圧倒的販売力を築きながら、小売業以外でも成長を続けるアマゾンですが、同時に闇の部分も世間を騒がせています。2009年には、日本に法人税を納めていないことが広く知られて物議をかもしました。この発端は、アマゾンが東京国税局から約140億円の追徴課税を申し渡されたことによります。課税の理由が「日本国内で得た利益に関しては、日本に法人税を払うべき」というものだったので、多くの人々が「じゃあ今まで払ってなかったのか」と驚いたのです。
ただしアマゾンは脱税していたわけではありません。アマゾンの日本での業務は日本子会社のアマゾン・ジャパンとアマゾン・ロジスティクスが担当していますが、ここで得た利益はアメリカ本社に吸い上げられるシステムなので、日本子会社はほぼ利益を得られないのです。アメリカには法人税を納めているので、理論上は犯罪になりません。しかし税金が安い国に架空の本社を置くなどして節税をはかる「タックス・ヘイブン」が問題になったように、法の目をかいくぐる悪質な行為といえます。このため東京国税局は、日本で得た利益分を納税するよう命じたのです。
この法人税問題には日本だけでなくEU諸国など多くの国が頭を悩ませており、2018年4月に開催されたG20財務省・中央銀行総裁会議でもアマゾンの課税強化が議題となりました。
だれもが「be Amazoned/アマゾられる」時代がくる?
さらに、アマゾン・ジャパンは2017年末ごろから取引先の食品や日用品メーカーに、「協力金」として売上の一部を提供するよう求めています。これは配送業者のクロネコヤマトを酷使してトラブルとなった結果、配送料を値上げするしかなかったことの穴埋めと考えられています。メーカー側では「ほかの取引先に不公平感を持たれる」としてきっぱり断ったところもありますが、「拒否すれば条件を悪くされたり取引そのものがなくなったりする」と恐れて応じてしまったところもあります。莫大な富を得ているアマゾンですが、本社は常に「利益を上げ続けろ」と子会社にプレッシャーを与えており、アマゾン・ジャパンも新たな無理難題を取引先や利用者に突きつける可能性があります。そうなればだれもが「be Amazoned/アマゾられる」でしょう。語呂は悪いですが、意外と一般的な言葉になるかもしれません。
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