実は大したことない?レモン◯個分のビタミンC
気温が上がり、スカッとする飲み物が欲しくなる季節になってきました。レモン風味の飲料は適度な刺激で気持ちいいですよね。この時期、清涼飲料水のパッケージに「レモン◯◯個分のビタミンC」と表示されているのをよく目にしませんか。「レモン◯◯個分」とは実際どのくらいの量なのでしょうか。詳しくみてみましょう。
レモン1個はおよそ120gなので、レモン1個の果汁の量は、120g(レモン丸ごと1個)×30%(果汁分)で40gとなります。レモン果汁のビタミンCは100gあたり50mgなので、40g×50mg/100gで20mgとなります。つまり、「レモン1個分のビタミンC=20mg」とは「レモン1個から絞ったレモン果汁に含まれるビタミンCの量」のこと。
ではこれは多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか。ビタミンCが豊富として知られているいちごは62mg(可食部100gあたり)です。いちごは1パックでおよそ300g程度なので、おおよそ1パックの3分の1の量でこれくらいのビタミンCです。また、アセロラはとても多くのビタミンCを含んでおり、含有量は実に1,700mg(可食部100gあたり)です。こう見るとレモンに特別ビタミンCが多い、というわけでもないことが分かります。
明るい黄色で酸味があり、レモンの香りがすると、なんとなくビタミンCを摂取した気持ちになります。ビタミンCがたっぷりな飲料とは、こうしたレモンのイメージによって醸成されているといってよいでしょう。ちなみに、ビタミンCは本来、無味・無色なのです。
スーパーやコンビニにいけば似たようなパッケージの大量の飲食物がならんでいます。このなかから私たちはどうやって選ぶか。値段や味が同様であれば、あとの決め手はパッケージしかないですよね。ここでのひと押しがこういった成分イメージのアピールです。しかし、こういった表示は多くの場合、イメージによるインパクト勝負であることを頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれません。
レモン1個分のビタミンCは20mg
レモン1個分のビタミンCは20mgを基準値とすると決まっています。これは業界団体によって検討され、厚生労働省の了解を得たものです。ちなみに、文部科学省の日本食品標準成分表(五訂)では、レモンの果実に含まれるビタミンC含有量は100mg(可食部100gあたり)とされています。またレモン果汁100g(全果に対する果汁分30%)に含まれるビタミンCは50mgです。ということで、レモン一個分のビタミンCは以下のように計算されます。レモン1個はおよそ120gなので、レモン1個の果汁の量は、120g(レモン丸ごと1個)×30%(果汁分)で40gとなります。レモン果汁のビタミンCは100gあたり50mgなので、40g×50mg/100gで20mgとなります。つまり、「レモン1個分のビタミンC=20mg」とは「レモン1個から絞ったレモン果汁に含まれるビタミンCの量」のこと。
ではこれは多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか。ビタミンCが豊富として知られているいちごは62mg(可食部100gあたり)です。いちごは1パックでおよそ300g程度なので、おおよそ1パックの3分の1の量でこれくらいのビタミンCです。また、アセロラはとても多くのビタミンCを含んでおり、含有量は実に1,700mg(可食部100gあたり)です。こう見るとレモンに特別ビタミンCが多い、というわけでもないことが分かります。
ビタミンCは無味、無色
ということで、レモン50個分のビタミンCと記された飲料があったとすれば、そこにはビタミンCが1000mg含まれていることになります。50個分ともなるとさすがに実際の含有量も多いですが、それでもアセロラ100gには及ばない、ということになります。しかし、レモン50個というと大量だな、これは酸っぱそうだな、という感じがしますよね。インパクトはなかなか強そう。これに対してアセロラ100g分と書いてもいまいちピンとこない感じもしますし、いちご〇〇個分、とあればやはり味にもいちごの甘みを期待してしまいます。明るい黄色で酸味があり、レモンの香りがすると、なんとなくビタミンCを摂取した気持ちになります。ビタミンCがたっぷりな飲料とは、こうしたレモンのイメージによって醸成されているといってよいでしょう。ちなみに、ビタミンCは本来、無味・無色なのです。
キャベツ1個分の食物繊維
同様のイメージは、「食物繊維キャベツ1個分」といった表現にも見られます。キャベツに含まれる食物繊維はおおよそ1.8g(可食部100gあたり)ですが、これは特別多いわけではありません。同量であればグリーンピースは7.7g、ゴボウには5.7g含まれています。しかし、キャベツ1個というイメージには、その大きさからインパクトがありますよね。スーパーやコンビニにいけば似たようなパッケージの大量の飲食物がならんでいます。このなかから私たちはどうやって選ぶか。値段や味が同様であれば、あとの決め手はパッケージしかないですよね。ここでのひと押しがこういった成分イメージのアピールです。しかし、こういった表示は多くの場合、イメージによるインパクト勝負であることを頭の片隅に置いておいた方がいいかもしれません。
<参考サイト>
・全国清涼飲料連合会:レモン果実1個当たりのビタミンC量」表示ガイドライン
http://www.j-sda.or.jp/manufacturing/regulations_and_guidelines04.php
・文部科学省:日本食品標準成分表2015年版(七訂)第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm
・大塚製薬:食品に含まれる食物繊維量一覧
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/foods-amount/
・全国清涼飲料連合会:レモン果実1個当たりのビタミンC量」表示ガイドライン
http://www.j-sda.or.jp/manufacturing/regulations_and_guidelines04.php
・文部科学省:日本食品標準成分表2015年版(七訂)第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)
http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm
・大塚製薬:食品に含まれる食物繊維量一覧
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/foods-amount/