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DATE/ 2018.06.06

【仕事と年収】脳外科医(36歳男性)の場合

 今回は36歳「医師(脳外科医)」の方に月収、年収などのリアルなお金事情、そしてその仕事内容を詳しく聞いてみました。

36歳「脳外科医」の年収は…

 今回お話をうかがったのはこちらの方。

【年齢】36歳(男性)
【住まい】関東地方
【独身or既婚】既婚
【職業】医師(脳外科医)

・経歴を教えてください。
 医学部を卒業後、初期臨床研修。修了後、大学の医局に入局しました。大学病院や関連病院で勤務後、昨年現在の病院に就職しました。

・年収/月収/賞与について教えてください。
 年収1800万円/月収150万
 今の病院では賞与はありません。

・貯蓄額はおいくらですか?
 妻に管理してもらっているので、不明です。

・年間休日は?
 土日休みですが、月に数回の土日当直があります。また、緊急呼び出しや担当患者さんの病状による休日出勤もあるため、丸一日の休みは限られます。夏季休暇は4日間、年末年始休暇は(当直がなければ)5日間です。

仕事の内容は?残業はどれぐらい?

 業務は病棟、外来、検査・処置が主です。週に1回全体のカンファレンスがあり、患者さんの経過や業務・委員会の連絡、抄読会などを行っています。

 具体的な内容としては、出勤後はまず(電子)カルテで入院患者さんの前日夜から朝までの状態を確認してから、患者さん担当全員を回診をします。必要な処方や点滴、検査のオーダーをしてから当日担当になっている外来や検査に向かいます。終わると病棟に戻り、その日の検査結果を確認したり、追加の処方や点滴の指示、患者さんやご家族への病状説明を行います。一日の終わりにもう一度担当患者さん全員を回診し終了です。

 当直は月に6回ほどで救急業務です。救急搬送された患者さんや時間外救急受診の患者さんの診療を行います。

 残業は、月換算にすると変動が多いため難しいですが、一日数時間以上は必ずしています。診療での残業以外にもカンファレンスの準備や学会発表の準備や論文など、様々な業務があり、残業は致し方ありません。

この仕事の良い点は?

 ありきたりかもしれませんが、治療した患者さんから言われる「ありがとう」は何にも代えがたい喜びであり、医者になって良かったと感じられる瞬間です。国家試験に合格し臨床研修を修了すれば、自分が最も興味のある診療科へ進むことができます。自分が興味をもっていることをそのまま仕事にできている点は恵まれていると思います。

この仕事の悪い点は?

 医者という仕事を選んでいるので特に不満はありませんが、土日の当直、夜間の緊急呼び出しや不眠不休で当直業務を行った翌日も通常業務があったり、休日も患者さんの状態次第では病院へ診療に向かう必要があります。その点では独特な世界であるかもしれません。

――――――――――

 高年収の代表的な職業のお医者さんですが、予想通りの高年収となっています。誰でもその仕事に就けるわけではないこと、人の命を預かっている仕事であり、その責任を考えれば、高年収も当然でしょうか。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
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