10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義 ログイン 会員登録
DATE/ 2018.09.20

「腸内環境」の最も悪い都道府県は?

 腸内環境が健康に深く関係していることはよく知られています。もちろん、腸の調子が悪いと日常生活に影響が出ます。それだけではなく、うつ病にも腸の健康が関係しているとする話も聞かれるようになってきました。ここでは、腸内環境に関する都道府県別の調査結果を見たのち、どのような栄養素が腸にいいのかといったことも見てみましょう。

腸内劣化ワースト1位は山形県

 ビフィズス菌について研究する森永乳業は、2014年「『腸内劣化』実態調査」を行いました。調査では、全国47都道府県の 20~50代男女11,656名(各県248名)に対し、直近の便の色・形、および生活習慣に関する質問を行い点数化されています。以下、腸内環境ランキング、ワースト5です。

1位:山形県(47位)
2位:福島県(46位)
3位:石川県(45位)
4位:愛知県(44位)
5位:愛媛県(43位)

 反対に腸が健康な県トップ5も見てみましょう。

1位:長野県
2位:茨城県
3位:神奈川県
4位:岐阜県
5位:静岡県

 調査した森永乳業の見解によると、47位の山形県と1位の長野県を比較すると、山形県は「野菜や果物を多く摂る」「食物繊維の多い食事を心がける」「運動・体操など体を動かす」といった設問でポイントが低いとのこと。また、ヨーグルトの喫食頻度も、長野県の方が高いそうです。山形県はラーメンや塩分の消費量がかなり多いことで知られています。塩分の摂りすぎと腸内環境の悪化との因果関係については、まだ決定的な結論は出ていないようです。ただ、研究は少しずつ進んでいるようなので、今後なにかわかることがあるかもしれません。

 また毎日スッキリとお通じのある都道府県という観点で見ると、1位は「神奈川県」です。「神奈川県」は「毎日排便がある」と回答した人の割合が58.9%、2位は「長野県」で57.3%、最も少ない「富山県」は39.1%、46位は「石川県」で41.9%です。1位「神奈川県」と47位「富山県」の差はおよそ18%、これは大きな差ではないでしょうか。

長野県は野菜摂取量1位

 この腸内化環境ランキングでトップの長野県は厚生労働省の野菜摂取量調査(国民健康・栄養調査)で1位です。野菜を多く摂っていることが腸内環境を良くするポイントといえるかもしれません。腸内環境に関係が深い、食物繊維は野菜類にも多く含まれています。ちなみに「都道府県別にみた平均余命」では女性1位、男性2位です(山形県は男女ともに29位)。寿命まで考察の幅を広げると、腸だけに限らない要素が関連すると思われます。よって腸と長生きの因果関係を簡単に言うことはできませんが、なにか関係がある気はしますよね。この点は今後の検証を期待しましょう。

腸内細菌のバランスがポイント

 ヒトの腸管(主に大腸)には100種類以上、100兆個もの腸内細菌(腸内フローラ)が生息していることが知られています。これらは善玉菌、悪玉菌、中間と3グループで互いにバランスをとっています。腸の調子が悪いときにはたいてい悪玉菌が増えて、腸内細菌のバランスが崩れた状態です。こういったときには善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)うまく取り込んで悪玉菌の増殖を抑えてバランスを回復することができます。ここで、腸内細菌の餌となって、腸のバランスを整えるのが食物繊維です。

食物繊維が含まれている食材はこれ!

 食物繊維の摂取目安は成人男性で1日20g、女性で18g以上です。大塚製薬の食品に含まれる食物繊維量一覧(100gあたりの含有量)を見ると、比較的多く含まれる野菜は、切り干し大根(20.7g)、グリーンピース(7.7g)、パセリ(6.8g)、モロヘイヤ(5.9g)、ごぼう(5.7g)、えだまめ(5g)、大根の葉(4g)、かぼちゃ(2.8g)、ほうれんそう(2.8g)、にんじん(2.7g)が挙げられます。こう見ると根菜や豆類は比較的食物繊維が多い印象でしょうか。

 野菜以外では、乾燥きくらげ(57.4g)、干ししいたけ(41g)、干しいちじく(10.9g)や干しプルーン(7.2g)、アボカド(5.3g)、また、いんげん豆や大豆などの豆類には19.3g~17g程度と比較的多くの食物繊維が含まれています。挽き割り納豆(5.9g)やこしあん(6.8g)にも多いです。ただし同じ大豆でも豆腐になると絹ごしで0.3g、木綿で0.4gとやや減少します。このほか、乾燥ひじきで43.3gと、海藻類にはたっぷり食物繊維が含まれています。

 また、野菜からだけではなく、日常的に摂取するには穀物から摂る習慣をつけるといいかもしれません。白米の食物繊維含有量は100gあたり0.5gですが、玄米は3g。圧倒的に玄米のほうが多いですね。もちろん、発酵食品(納豆、漬物、みそ等)には善玉菌である乳酸菌が多く含まれているので、この点もお忘れなく。

<参考サイト>
・厚生労働省e-ヘルスネット:腸内細菌と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
・森永乳業株式会社:全国47都道府県11,656名「腸内劣化」実態調査
http://www.morinagamilk.co.jp/download/index/12310/140618.pdf
・厚生労働省:平成27年都道府県別生命表の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/tdfk15/index.html
・大塚製薬:食品に含まれる食物繊維量一覧
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/foods-amount/
(10MTV編集部)