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DATE/ 2019.04.01

平成に人気のあった「アルバイト」とは?

 『日刊アルバイトニュース』、『From A』と二つの求人誌タイトルを懐かしく思い出す今日この頃。昭和から平成へ、メディアやツールが大きく変化する中で求人誌もアルバイトの内容も大きく様変わりしました。

 今回は、そんな平成を特徴づけるアルバイトについて考察してみます。

昭和から平成のアルバイト

 昭和においては生活費や学費のためと、社員雇用による拘束ではなく時間の自由度を確保しつつお金が稼げるアルバイトが勤労苦学生にとってなくてはならない職制でした。
 昭和から平成バブル期にかけては、豊かになった社会を背景に、学費や生活費というよりは、「車やバイクを購入したい」「DCブランドのカッコイイ服でモテたい」など、物欲・社会欲を満たすための手段として様変わりしました。また、出会いの場所としてカフェバーやカラオケ、ボーリング場など、当時「かっこいい」職種がフィーチャーされると同時に、空前の好景気を背景にしたガテン系(建設・土木)、深夜系(居酒屋・製造)といった稼げる職種が人気となりました。

 特に、ファストフード、コンビニの開業が相次ぐことで求人増加し、24時間営業の定着と同時にそのバックヤードをささえる、デリバリーや清掃などの職種も平成のスタンダードとなりました。

 メディアが書籍や雑誌などからWEBへ、PCからスマホへと環境の変化から、印刷・製本系の職種が平成に置いて限りなく減少しているのも時代の趨勢として観ることができそうです。

平成直近の人気職種は?

 バイトルポではGoogleで検索数の多い業種をランキング化しています。特徴的なのは、時給、楽しさ、出会いを指標として評価している点で、平成の価値観を反映しているようです。

1位:コンビニ 820円~1375円
2位:塾・家庭教師 1500円~2000円
3位:居酒屋950円~1500円
4位:カフェ・喫茶店 850円~1200円
5位:映画館 950円~1050円
6位:アパレル・衣料品店 900円~1150円
7位:本屋(古本屋) 850円~950円
8位:パン屋・ドーナツ屋 830円~1200円
9位:パチンコ屋 1000円~1400円
10位:カラオケ店 900円~1200円

 「やってみたいアルバイトのブランド」のアンケートとしてまとめられているのは、anレポートというアルバイト求人系のサイトです。2017年に若者から多くの支持を集めたブランドはこのようになっています。

1位:スターバックスコーヒー
2位:セブンイレブン
3位:アニメイト
4位:BOOK OFF
5位:東京ディズニーランド・シー
6位:紀伊國屋書店
7位:ローソン
8位:ユニクロ
9位:タワーレコード
10位:イオン

 ランキングされたブランドは、まずお客としての立場から慣れ親しんでいるコンテンツや日常の延長線にあるところに特徴が見いだせます。また、多国籍に展開している企業も少なくなく、「仕事の基本が学べる」「一流の接客が身につく」「英語のスキルがみにつきそう」というフリーコメントからもうかがえるように、インターン的に将来の就職を見越した経験の場としてフィーチャーされているのが平成という時代を象徴しているようです。

<参考サイト>
・バイトルポ:人気バイトランキング【全48業種】
https://baitohyouban.com/ranking-gyoshu/
・an report:【2017年総括】 学生人気アルバイトランキング
https://weban.jp/contents/an_report/repo_cont/trend/20171218.html
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