社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.03.01

名古屋走り、岡山ルール…ローカルな危険運転

 あおり運転や高齢者ドライバーによる事故など交通事故が相次いでいます。運転するときに気をつけなければいけないことはたくさんありますが、全国各地に地域特有の危険な運転ルールがあることを知っていますか。

 「名古屋走り」「岡山ルール」「茨城ダッシュ」「伊予の早曲がり」など、各地それぞれの危ない交通ルールを紹介します。

ウインカーに注意! 「名古屋走り」「岡山ルール」

 ローカルで危険な交通ルールといえば、筆頭にあがるのが「名古屋走り」。「名古屋で運転するのはちょっとコワイ!」という声もよく聞きますね。

 「名古屋走り」というのは主に「ウインカーを出さないで車線変更する」運転のことです。こうした運転車両が名古屋市に多いことからこの名がつけられました。道路交通法では「運転者は、同一方向に進行しながら進路を変える場合には、その3秒前に合図を行う」とされています。

 また「岡山ルール」も同様に、ウインカーを出さないで車線変更をする運転です。ウインカーを出さない理由には「ウインカーを出すのは初心者のやること」「出さない方がかっこいいから」なんて意見もあるそう…。そんな岡山は、人口当たりの死亡事故が全国最悪とも言われています。

 ウインカーといえば、「松本走り」もよく知られています。長野県松本市には「交差点でウインカーと同時に右左折する」車両が多いのだそうです。

交差点の危ないルール 「茨城ダッシュ」「伊予の早曲がり」

 関東エリアでよく知られているのが「茨城ダッシュ」です。茨城県では、「青信号に変わった瞬間に直進車よりも先に右折」する車両が多いと指摘されています。

 同じ信号にまつわるルールに徳島県の「阿波の黄走り」があります。「黄信号で速度を上げて交差点に進入」するのが特徴です。

 愛媛県の「伊予の早曲がり」は「茨城ダッシュ」に似ています。「交差点で直進車より早く右折」する運転を指します。

交差点で歩行者がいても止まらない 「山梨ルール」

 「伊予の早曲がり」や「茨城ダッシュ」と同じく交差点の事例に兵庫県のローカルルールがあります。「交差点で先に入った車が優先される」、その名も「播磨道交法」です。

 運転者だけでなく歩行者にも大きな危険の及ぶ可能性が高いのが山梨県の「山梨ルール」です。「信号機のない交差点で歩行者がいても止まらない」ことを指します。これは危ないですね!

 交通事故は、自分がいくらルールを守っていても100パーセント避けることはできません。もちろん、ルールをきちんと守り、注意力を高めることで、かぎりなく100パーセントに近づけることはできます。また、運転前の予備知識があなたを守ります。

 知らない土地に出向く時は、面倒くさがらずに、地域特有の危ない交通ルールがないかもチェックしてみてください。

<参考サイト>
・早めのウインカーは格好悪い…岡山県を「人口当たりの死亡事故が全国最悪」としている岡山ルールの恐怖│プレジデントオンライン
https://president.jp/articles/-/73700?page=4
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール

日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール

内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール

日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた主な要因として、二つのオウンゴールを挙げる島田氏。その一つとして台湾のモリス・チャン氏によるTSMC立ち上げの話を取り上げるが、日本はその動きに興味を示さず、かつて世界を席巻して...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/25
2

日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは

日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは

歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本

「歴史を探索していく」とは、どういうことなのだろうか。また、「歴史を活かしていく」とはどういうことなのだろうか。歴史作家の中村彰彦氏に、歴史を探り、活かしていく方法論を、具体的に教えてもらう本講義。第一話は、歴...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/14
3

熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン

熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン

熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法

「熟睡とは健康な睡眠」だと西野氏はいうが、健康な睡眠のためには具体的にどうすればいいのか。睡眠とは壊れやすいもので、睡眠に影響を与える環境要因、内面的要因、身体的要因など、さまざまな要因を取り除いていくことが大...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/23
西野精治
スタンフォード大学医学部精神科教授
4

習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍

習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍

習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴

国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
小原雅博
東京大学名誉教授
5

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授