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DATE/ 2015.05.14

男性が原因?不妊をまねく3つのNG習慣とは

35歳からは「妊娠しにくいゾーン」

 不妊に悩むカップルが増えています。結婚する平均年齢が上がったせいもあり、深刻な問題です。そこで、いま注目されているのは「精子力」。男性の年齢と受精能力は無関係と言われていたのは昔の話。最近の研究では男女ともに35~40歳を過ぎると「妊娠しにくいゾーン」に入ることが、不妊の要因として指摘され始めています。

 そこで、男性が「精子力」を高めたいときに気をつけたいポイント、やってはいけない行為について、順天堂大学医学部の堀江重郎先生にうかがってみました。

「精子力」の衰えと酸化ストレス

 精液の中にはふつう1ccあたり何十万という単位で、多くの精子が存在します。35歳以上で受精しにくなるのは、「精子力」に次のような3つのマイナス要因が訪れているからなのだといいます。

 1.濃度が薄くなる
 2.運動が弱くなる
 3.完全な形をした精子の割合が減る

 健康な精子をつくるのは男性ホルモンであるテストステロンですが、日常生活では活性酸素を抑えることを心がけましょう。他の細胞より膜の弱い精子は、酸化ストレスにさらされると容易に劣化してしまうからです。

 NGその1:温め過ぎ

 日常で気をつけるべき1つめのポイントは、精巣のある睾丸を温め過ぎないことです。精子は過度の熱に弱いのです。とくにサウナは要注意。体はさっぱり、精巣もサッパリ…などという事態は避けたいところ。

 同じ原理で、若い人やこれから子づくりを考えている人には、ブリーフ型の下着よりもトランクスのような風通しの良いものの方が、精巣を涼しく保つことができ、良いそうです。

 NGその2:自転車エクササイズ

 2つめは、自転車による運動のリスクです。通勤・通学その他で短時間乗るぐらいなら問題はありませんが、1時間を超えるような長時間の自転車運動を習慣的に行うと、サドルによって睾丸に行く血管が押され、機能が弱ってしまいます。結果的に精子の濃度も下がるため、過度の自転車エクササイズは、見直した方が良いでしょう。

 NGその3:肥満と長期在庫  最後のポイントは、肥満です。精子の活動性に影響を与える因子として、肥満は大きなリスクです。

 よく耳にする疑問に「精子はしばらく出さなくても大丈夫か」というものがありますが、基本的には心配する必要はありません。ただ、新陳代謝の面を考えれば、やはり精巣の中身は定期的に入れ替え、新しい在庫にした方が、より妊娠しやすくなることは考えられます。

サプリメントで補うなら

 健康や機能改善のために飲むサプリメント。その効果はあまり実感できないという声をよく聞きますが、精子には効果を及ぼしやすいという朗報があります。

 例えば赤ワインを原料としたレスベラトールを摂取すると、精子の濃度や運動量にかなりの改善がみられます。漢方薬の中にも同じ効果が認められたものがあるといいます。

 男性の大切な機能である精子力保全を考えるなら、サプリへの投資もわるくはないかもしれません。

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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授