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世界の「デジタル競争力」ランキング
日本はどれくらい電子化が進んでいるのでしょうか。マイナンバー制度が中途半端なまま進まない状況などから考えると、やや不安ではあります。世界に目を向けて確認してみましょう。ここでは「デジタル競争力」に関する資料を見ながら、デジタル化をめぐる世界の状況を見ます。
1位 アメリカ
2位 シンガポール
3位 デンマーク
4位 スウェーデン
5位 香港
6位 スイス
7位 オランダ
8位 韓国
9位 ノルウェー
10位 フィンランド
総合1位のアメリカは「知識」1位、「技術」7位、「将来への備え」2位です。アメリカは3年連続で1位とのこと。評価される要因は科学や技術への投資が挙げられています。具体的には「科学・技術系人材の集積や、教育や研究開発分野でのロボットの活用」といったところが高く評価されているようです。総合2位のシンガポールは「知識」2位、「技術」1位、「将来への備え」12位です。総合3位のデンマークは「知識」6位、「技術」9位、「将来への備え」1位。トップ10の顔ぶれは前回と同じです。IMDはここの挙げた10の国と地域に関して、「効果的な規制の枠組みや、新技術の導入が早いといった点で共通している」と分析しています。
一方で比較的評価が低い項目(55位以下)は以下の通り。「知識」での「国際的経験(63位)」や「デジタル技術でのスキル(62位)」「教育への公的支出(55位)」「女性研究者(56位)」。「技術」では、規制の枠組みでの「移民法(56位)」。「将来への備え」では「ビッグデータの機会と脅威(63位)」「ビッグデータと分析の活用(63位)」「ビジネスの俊敏性(63位)」といったところです。
平成29年度版情報通信白書によると、産業データを「既に積極的に活用している」または「ある程度活用している」と回答した日本企業は合わせて51.8%。一方アメリカ企業では69.4%、イギリス企業では64.5%、ドイツ企業では72.1%という結果が出ています。日本では、まだデータ活用に対する意識の重要性への認識が、他国に比べてやや低いと言えそうです。
デジタル競争力ランキング1位はアメリカ
スイス・ローザンヌにあるビジネススクール、国際経営開発研究所(The International Institute for Management Development、IMD)は「世界のデジタル競争力ランキング」を発表しています。このランキングは世界63の国と地域に対して、「知識」「技術」「将来への備え」の3つを大項目とした51の分野別データを総合して評価を出しています。この評価は大きく言えば、その地域の政府や企業のデジタル技術への積極性を測る指標といえます。ということで2020年版のランキングトップ10は以下の通り。1位 アメリカ
2位 シンガポール
3位 デンマーク
4位 スウェーデン
5位 香港
6位 スイス
7位 オランダ
8位 韓国
9位 ノルウェー
10位 フィンランド
総合1位のアメリカは「知識」1位、「技術」7位、「将来への備え」2位です。アメリカは3年連続で1位とのこと。評価される要因は科学や技術への投資が挙げられています。具体的には「科学・技術系人材の集積や、教育や研究開発分野でのロボットの活用」といったところが高く評価されているようです。総合2位のシンガポールは「知識」2位、「技術」1位、「将来への備え」12位です。総合3位のデンマークは「知識」6位、「技術」9位、「将来への備え」1位。トップ10の顔ぶれは前回と同じです。IMDはここの挙げた10の国と地域に関して、「効果的な規制の枠組みや、新技術の導入が早いといった点で共通している」と分析しています。
日本は27位
今回のランキングでの日本の順位は27位となっています。掲載されている2016年からの変化を見ても22位から27位で推移しています。また3つの項目別で見ると、「知識」22位、「技術」26位、「将来への備え」26位です。比較的評価されている部分は、「知識」での「高等教育の生徒当たり教師数(1位)」や「技術」の「モバイルブロードバンド利用者数(1位)」、「将来への備え」での「ソフトウエア著作保護(2位)」といった点。一方で比較的評価が低い項目(55位以下)は以下の通り。「知識」での「国際的経験(63位)」や「デジタル技術でのスキル(62位)」「教育への公的支出(55位)」「女性研究者(56位)」。「技術」では、規制の枠組みでの「移民法(56位)」。「将来への備え」では「ビッグデータの機会と脅威(63位)」「ビッグデータと分析の活用(63位)」「ビジネスの俊敏性(63位)」といったところです。
日本はビッグデータを活用できていない
国際性というところでの立ち遅れとビッグデータ関連での低さが目立ちます。今回の分析から離れて日本でのビッグデータの活用について、国内の声を調べてみると「産業データ」の活用があまり進んでいない実態があるようです。「産業データ」とは、例えば工場等の生産現場におけるIoT機器から収集されるデータ、橋梁に設置されたIoT機器からのセンシングデータ(歪み、振動、通行車両の形式・重量など)などといったいわゆる「M2M(Machine to machine)データ」と言われるもの、および、仕事上のノウハウをデジタル化した「知のデジタル化」の2つを指しています。平成29年度版情報通信白書によると、産業データを「既に積極的に活用している」または「ある程度活用している」と回答した日本企業は合わせて51.8%。一方アメリカ企業では69.4%、イギリス企業では64.5%、ドイツ企業では72.1%という結果が出ています。日本では、まだデータ活用に対する意識の重要性への認識が、他国に比べてやや低いと言えそうです。
<参考サイト>
・The IMD World Digital Competitiveness Ranking 2020│IMD
https://www.imd.org/wcc/world-competitiveness-center-rankings/world-digital-competitiveness-rankings-2020/
・IMDデジタル競争力ランキング、スイス6位、日本は27位へ後退|JETRO
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/10/8f7f56aaed9d2af4.html
・第1部 特集 データ主導経済と社会変革 第1節 広がるデータ流通・利活用 1ビッグデータの定義及び範囲|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc121100.html
・第1部 特集 データ主導経済と社会変革 第2節 データ流通・利活用における課題
(1)データ利活用の状況及び課題|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc122310.html
・The IMD World Digital Competitiveness Ranking 2020│IMD
https://www.imd.org/wcc/world-competitiveness-center-rankings/world-digital-competitiveness-rankings-2020/
・IMDデジタル競争力ランキング、スイス6位、日本は27位へ後退|JETRO
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/10/8f7f56aaed9d2af4.html
・第1部 特集 データ主導経済と社会変革 第1節 広がるデータ流通・利活用 1ビッグデータの定義及び範囲|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc121100.html
・第1部 特集 データ主導経済と社会変革 第2節 データ流通・利活用における課題
(1)データ利活用の状況及び課題|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc122310.html
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