社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
【注意】車両火災のよくある原因と対策とは?
「排気管付近の燃料やオイルの漏れ」「配線のショート」に注意
車両火災の原因がわかっているものについて、原因別に件数の多い順に見てみましょう。いずれも令和元年(2019年)でのデータです。1位 排気管 614件(17.1%)
2位 交通機関内配線 329件(9.2%)
3位 放火および放火の疑い 267件(7.4%)
4位 電気機器 236件(6.6%)
5位 たばこ 169件(4.7%)
そのほか(不明、調査中を含む)1970件(55.0%)
原因がわかっているものの内、もっとも多いのは「排気管」によるものでした。この詳細をみてみると、「着火物の漏えい」185件、「高温物の接触」121件、「可燃物の接触」110件という順です。「着火物の漏えい」は、高音になる排気系の近いところで燃料やオイルが漏れて引火するもの。多くの場合、整備不良により起こるようです。
2番目に多い機関内配線が原因の火災は、「電線が短絡する」いわゆるショートが原因のものが109件、スパークやスパークによる引火が計69件となっています。これはカーナビやオーディオなどの電装品の取り付け不備によるものが多いようです。特に、アース線の処理をいい加減にしていると火災の原因となります。
ただし、実際にはそのほかや原因不明がおよそ半分となっています。この場合複合的な要因が絡んでいるようです。ちなみに車両火災による死者数は102人(うち放火自殺者等は前年から32人増の60人)、被害額は18億1610万円となっています。
車両火災を防ぐには
排気管による火災に対しては、まずは日頃のメンテナンスが大事です。車検だけによらず、日常的に点検を行いましょう。目安としては月に1回ボンネットを開けて確認する習慣を持っておくといいようです。このとき、異臭がしていないか、オイルが漏れていないかといったチェックは必須です。また、エンジンオイルは一定の期間で交換します。冷却水に関しても減っていないか確認しておきましょう。ただし、チェックした際の工具や布(ウエス)をエンジンルーム内に置き忘れて火災が起こることもあるので、ここは要注意。カーオーディオやカーナビなどの電装品は、できる限り専門家に取り付けてもらうようにしましょう。ずさんな配線処理をすることで車両火災は発生します。また、水害などにより電装関係に水が入った場合も、濡れた部分が腐食して火災になる事例が起こっています。注意しましょう。さらにランプ類が破損したまま使用していてもショートや発火のリスクがあるようです。
車両火災の原因3位の「放火」に関してはなかなか手立てがない点もありますが、まずは人目に着くところ、防犯カメラがあるところに駐車することを意識しましょう。他にも車両火災は、エンジンの空ぶかしをしない(仮眠するときにはエンジンを停止させる)、タバコは意識をもって適切に処理する、ライター、スプレー缶を車内に放置しない、といった点に注意することでリスクを下げることができます。
もし火災が発生したら
もし走行中にエンジンルームから煙が出たり、焦げ臭さを感じたりしたら、ハザードランプを点滅させて路肩に停車します。エンジンを止め、貴重品を(可能であれば車検証も)持って車から退避します。安全な場所で119番に通報しましょう。また、もし可能であれば消火に努めましょう。火が小さい場合、着ている上着や、飲料などで消すことも可能です。ただし、ボンネットは開けてはいけません。酸素を送り込むことになり、一気に火が出るリスクがあります。万が一に備えて、コンパクトなスプレー型の消火器なども常備しておくと良いかもしれません。ホームセンターや自動車用品店で販売されています。ちなみに車両火災が起きた場合、基本的に全損となります。日頃のメンテナンスや電装品の取り付けといった点に関してわからない部分があれば、ぜひプロの力を借りましょう。これも安全を保つためには大事なポイントと言えそうです。
<参考サイト>
令和2年版消防白書|消防庁
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r2/items/r2_all.pdf
[Q]車両火災の原因は?|JAF
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-trouble/subcategory-support/faq249
突然車が燃える?車両火災の原因・消火方法を覚えておこう|ALSOK
https://www.alsok.co.jp/person/recommend/2172/
車の点検はどれくらいの頻度で行うのがベスト?|カーコンビニ倶楽部
https://www.carcon.co.jp/column/article/2019060601/
令和2年版消防白書|消防庁
https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r2/items/r2_all.pdf
[Q]車両火災の原因は?|JAF
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-trouble/subcategory-support/faq249
突然車が燃える?車両火災の原因・消火方法を覚えておこう|ALSOK
https://www.alsok.co.jp/person/recommend/2172/
車の点検はどれくらいの頻度で行うのがベスト?|カーコンビニ倶楽部
https://www.carcon.co.jp/column/article/2019060601/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
なぜ『ホトトギス』に注目?江藤淳の「リアリズムの源流」
AI時代に甦る文芸評論~江藤淳と加藤典洋(2)江藤淳の「リアリズムの源流」
文芸評論を再考するに当たり、江藤淳氏の「リアリズムの源流」を振り返ってみる。一般的に日本で近代小説が始まった起源は坪内逍遥だといわれるが、江藤氏はそれに疑問を呈す。そして注目したのが、夏目漱石の「坊ちゃん」であ...
収録日:2025/04/10
追加日:2025/07/02
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
国際政治の戦略を考える上で今やかかせない地政学の視座。今回のシリーズではヨーロッパに焦点を当て、地政学の観点から情勢分析をする。第1話目では、まず地政学の要点をおさらいし、常に揺れ動いてきた「ヨーロッパ」という領...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/05/05
アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは
日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道
機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的...
収録日:2025/04/13
追加日:2025/07/01
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
キリスト教とは何か。「文明の衝突」が世界中で現実化する中、この問題は日本人にとっても重要なものになっている。上智大学神学部教授・竹内修一氏は、「キリスト教とは何か」という問いは、同時に「イエスとは誰なのか」も意...
収録日:2016/12/26
追加日:2017/02/28
最悪のシナリオは?…しかしなぜ日本は報復すべきでないか
第2次トランプ政権の危険性と本質(8)反エリート主義と最悪のシナリオ
反エリート主義を基本線とするトランプ大統領は、金融政策の要であるFRBですらも敵対視し、圧力をかけている。このまま専門家軽視による経済政策が進めば、コロナ禍に匹敵する経済ショックが世界的に起こる可能性がある。最終話...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/06/28