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DATE/ 2021.12.21

各都道府県のユニークな名前の由来12選

 1869(明治2)年の版籍奉還、1871(明治4)年の廃藩置県、1890(明治23)年の府県制、そして1947(昭和22)年の地方自治法の制定を経て、2021年12月現在、全国は47都道府県(1都1道2府43県)となっています。

 そして、各都道府県にはそれぞれに固有の名前がついていますが、皆さんは各都道府県の名前の由来をご存知でしょうか?

 今回は、東日本から(1)~(6)の6選、西日本から(7)~(12)の6選、計12選のユニークで興味深い各都道府県の名前の由来を紹介したいと思います。

各都道府県の名前の由来―東日本・6選

(1)アイヌ語の「国」と五畿七道から?―北海道
 1869(明治2)年、幕末に活躍した探検家・地理学者で蝦夷地・アイヌ研究の先駆者となった松浦武四郎が挙げた6つの候補案の中から「北加伊道」が選ばれ、その後「北海道」となりました。「加伊(かい)」は先住民族であるアイヌの人々が自らの国を「カイ」と呼んだことを残しておきたかったという松浦の想い、さらに律令制下の地方行政区画である五畿七道(東海道、北陸道、山陽道等)に倣って「道」と組み合わせたといわれています。

(2)「鬼の手形」から?―岩手県
 盛岡市の三ッ石神社(東顕寺)に伝わる「鬼の手形」伝説に由来するといわれています。昔々、村人を悩ます鬼が出没したとき、困った村人が三ッ石の神様に祈願したところ三ッ石の神様があらわれ、鬼を捕縛。その後、鬼は泣いて非を認めて謝ったため、三ッ石の神様は約束の印として鬼に手形を押させて赦免しました。以後、鬼が来ることはなくなったそうです。

(3)「東の京」に住む人は?―東京都
 東京は、「西の京(京都)」に対する「東の京」という意味で、1968(慶応4)年に新政府が布告した「江戸を東京と改称し給へる詔」における「江戸を称して東京とせん」から始まったとされています。なお、「京」という言葉には、“天皇の住まいがある土地”という意味があります。

(4)「くるま」が転じて「ぐんま」に?―群馬県
 律令時代における上野国の13郡の1つ「群馬(くるは)」は、もとは「車(くるま)」だったものが転訛したと考えられています。ではどうして「車(くるま)」と呼ばれていたのでしょうか。それは、古代朝廷において天皇の乗り物や神社の神輿の制作や管理を受け持った、「車持部(くるまもちべ)」という職業集団を管理した豪族・車持公(くるまもちのきみ)が住んでいたからだといわれています。

(5)織田信長の三択?―岐阜県
 1957(永禄10)年、稲葉山城に入城した織田信長は、僧侶かつ自身の参謀でもあった沢彦宗恩(たくげんそうおん)が、進言した「岐山・岐陽・岐阜」から、「岐阜」を選んだといわれています。なお、「岐阜」の語源は、中国を統一する周王朝の礎を築いた文王が活動を開始した地「岐山」と、孔子が生まれた地「曲阜」を指し、さらに「岐」には「枝道」や「分かれ道」という意味が、「阜」には「大きい」や「岡」「丘」という意味があるそうです。

(6)「幸福に居する」場所?―福井県
 もともと福井藩の城下町は「北庄(きたのしょう)」と称していました。しかし、1624(寛永1)年に松平忠昌が新たな藩主となった際に、北庄の「北」が敗北に通じ不吉ということから、「福が居る場所」にあやかった「福居」に名称を変更。さらに元禄時代頃から、「福井」へ改称されたという説があります。

各都道府県の名前の由来―西日本・6選

(7)大きな坂か小さな坂か?―大阪府
 現在の大阪城本丸の場所にあった石山本願寺周辺は、上町台地の北端に位置し、東西方向に坂が多く「大坂(おおさか)」と呼ばれていた説や、上町台地の先端ということから「小坂・尾坂(おさか)」と呼ばれていたのが「大坂」に変わったという説などがあります。そのうえで、「坂」は「土に還る(反る)」と死を連想し縁起が悪いと考えられたため、「阪」を用いるようになったといわれています。

(8)『万葉集』にも詠まれた景勝地から?―和歌山県
 1585(天正13)紀伊国を平定した羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が現在の和歌山県北部の岡に築城する際に、歌聖と称される万葉歌人・山部赤人が「若の浦(わかのうら)に潮満ち来れば潟(かた)をなみ葦辺をさして鶴(たづ)鳴き渡る」(『万葉集』巻6)と詠んだ、古からの景勝地「和歌の浦(若の浦)」が城の南に広がることに対して、「和歌山」と名付けたことに由来すといわれています。

(9)毛利家の祖と地元の豪族にあやかって?―広島県
 1589(天正17年)、毛利輝元が築城した際、毛利氏の祖・大江広元の「広」と、城地選定にあずかった地元の豪族・福島元長の「島」の二字からとって「広島城」と名付け、城の名前が地名となった説。また、デルタ地帯(三角州)に“広がる島々”によって広島の地が形成されたことから、「広島」と称されるようになったという説などがあります。

(10)『古事記』由来の女神様?―愛媛県
 『古事記』における伊耶那岐命(イザナギノミコト)と伊耶那美命(イザナミノミコト)による国生みにおいて、四国は2男神・2女神の島として誕生し、伊予(いよ)国に宿ったのが女神の一人「愛比売(えひめ)」とされています。そして、伊予国は、愛媛県の旧国名にあたります。つまり、愛媛県の由来は古代からの女神・愛比売の名に由来します。なお、神の名前が付けられている県名は、全国で唯一です。

(11)大きな土地か大きな段か?―大分県
 『日本書紀』の景行天皇が大分の地に行幸された際に、土地が広く大きく美しかったため「碩田(おほきた)」と名付けたことに由来する説(「碩」は大きくて優れていることを意味する)や、古語で「段・刻む」を意味する「キダ」に由来し、地形や山や川が大きく刻み分けられた地形を「オオキダ(大段)」と称したことに由来する説などあります。

(12)「大きな漁場(なば)」から?―沖縄県
 『平家物語』にもでてくる「おきなは」ですが、「おき」には「大きい、沖」が、「なは」には「漁場(なば)」の意味があるといわれています。時代が下がるにつれて音が転じて「おきなわ」に変化し、さらに「沖縄」という当て字が用いられた説が有力です。

 いかがでしたでしょうか。お気に入りの由来はみつかったでしょうか。なお、諸説あるため「知っている由来と違う!」と思われた方もいるかもしれませんが、ご了承ください。

 各都道府県名をはじめ地名には、大いなる“土地の力”にアクセスするためのキーになるとも考えられています。興味をもっていただけた方は、ぜひ他の都道府県や地名についても、調べてみてほしいと思います。

<参考文献・参考サイト>
・『思わず人に話したくなる日本全国・地名の秘密』(北嶋廣敏著、宝島社)
・『知らなかった!都道府県名の由来』(谷川彰英著、東京書籍)
・『日本歴史地名大系』(平凡社)
・「版籍奉還」「廃藩置県」「府県制」「地方自治法」『日本国語大辞典』(小学館)
・【全国】47都道府県名の由来・意味まとめ│くにとりサーチ.
https://kunitori-jp.net/prefecture-name/

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