社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
誰もがおちいる単純な考え方「二元論」にご注意!
「二元論」とはどんなものかご存知だろうか?
ものごとは、あい反する2つの原理や要素から構成されていると考えることだ。例えば「善と悪」や「精神と物体」などだ。
中東研究で有名な歴史学者の山内昌之氏は、歴史を語る上で「素朴な善悪の二元論だけで語っていくこと」に疑問を提している。
歴史とは複雑に関係しあった様々な事柄を全てを含んで成り立つものだ。そこに含まれる事柄を事細かに分析し、全体を俯瞰して考えていく必要がある。部分と全体を交互に両方みていく構えが必要だ。
ただ、実際にはもっと単純化してとらえてしまう事例が多い。
例えば「日本近代史は悪の連続だ」などといって歴史のプロセスを単純化したり、逆に、侵略戦争や植民地支配の負の現実を忘れ、単に「善」と解釈していては、歴史が成立していく複雑性や多様性をとらえることはできない。
二元論におちいったために、あまりにも歴史を単純化してしまう事例だ。「歴史とは、多くの決定要因がある複合的なものだ」ということを前提に善悪の二元論を超えて考えていかないといかないのだ。
「二元論」は、わたしたち個々の思考や生活にも深く関係してくることだ。単純にものごとを解釈したり、そういった理屈を聞いて、間違った方向に向かってはいないだろうか?
戦後70年を迎える日本の政治。与野党に横たわる様々な問題にも当てはまる事柄だ。次の一歩を踏み出すには、「二元論」という単純思考から抜け出すことがまず必要だろう。
ものごとは、あい反する2つの原理や要素から構成されていると考えることだ。例えば「善と悪」や「精神と物体」などだ。
中東研究で有名な歴史学者の山内昌之氏は、歴史を語る上で「素朴な善悪の二元論だけで語っていくこと」に疑問を提している。
歴史とは複雑に関係しあった様々な事柄を全てを含んで成り立つものだ。そこに含まれる事柄を事細かに分析し、全体を俯瞰して考えていく必要がある。部分と全体を交互に両方みていく構えが必要だ。
ただ、実際にはもっと単純化してとらえてしまう事例が多い。
例えば「日本近代史は悪の連続だ」などといって歴史のプロセスを単純化したり、逆に、侵略戦争や植民地支配の負の現実を忘れ、単に「善」と解釈していては、歴史が成立していく複雑性や多様性をとらえることはできない。
二元論におちいったために、あまりにも歴史を単純化してしまう事例だ。「歴史とは、多くの決定要因がある複合的なものだ」ということを前提に善悪の二元論を超えて考えていかないといかないのだ。
「二元論」は、わたしたち個々の思考や生活にも深く関係してくることだ。単純にものごとを解釈したり、そういった理屈を聞いて、間違った方向に向かってはいないだろうか?
戦後70年を迎える日本の政治。与野党に横たわる様々な問題にも当てはまる事柄だ。次の一歩を踏み出すには、「二元論」という単純思考から抜け出すことがまず必要だろう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
「私をお母さんと呼ばないで」…突然訪れた逆境の意味
逆境に対峙する哲学(2)運命・世界・他者
西洋には逆境は神が与える運命という考え方があり、その運命をいかに克服するかを考えたのがストア派だった。しかし、神道が説くように「ヒトもカミ」であれば、それに気づく瞬間は逆境の中にこそ存在するはずである。「他者で...
収録日:2025/07/24
追加日:2025/12/20
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
2025年8月、米露、米ウクライナ、EUの首脳会談が相次いで実現した。その成果だが、中でもロシアにとって大成功と呼べるものになった。ディール至上主義のトランプ政権を手玉に取ったロシアが狙う「ベルト要塞」とは何か。事実上...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/12/21
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
渡部昇一氏には、若き頃に留学したドイツでの体験を記した『ドイツ留学記(上・下)』(講談社現代新書)という名著がある。1955年(昭和30年)から3年間、ドイツに留学した渡部昇一氏が、その留学で身近に接したヨーロッパ文明...
収録日:2021/08/06
追加日:2021/10/23
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣と羽柴…二つの名前で語られる秀吉と秀長だが、その違いは何なのか。また、これまで秀長には秀吉の「補佐役」というイメージがあったが、史実ではどうなのか。実はこれまで伝えられてきた羽柴(豊臣)兄弟のエピソードにはか...
収録日:2025/10/20
追加日:2025/12/18
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
かのジャン=ジャック・ルソーも平和問題を考えた一人である。個人の「自由意志」を尊重するルソーは、市民が直接参加して自分の意思を反映できる小さな単位を基本としつつ、国家間紛争を解決する手段を考えた。「自由の追求」に...
収録日:2025/08/02
追加日:2025/12/16


