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DATE/ 2022.04.26

標識はなぜ「丸」や「四角」と形が違うのか?

 安全な通行のため掲げられている、道路標識の数々。普段はあまり気にとめないですが、よく見ると丸や四角、ひし形など、それぞれに形が違っていますよね。実は標識は、それぞれの役割に合わせた形になっているのです。

「丸形」の標識は“注意を促す”もの

 丸い形の標識には「速度制限」を示す数字や「駐車禁止」「車両通行禁止」「一方通行」「通行止め」「歩行者専用」などがあります。これらは『規制標識』と呼ばれ、禁止行為や規制事項を意味する標識です。

 丸い形なのは視認性を高めるため、つまり目立たせるためです。規制標識は赤(または青)に白い縁取りがされたカラーリングが多いですが、これは一回り大きな円で囲むと中心の円が膨張して見える“デルブーフ錯視”という目の錯覚を利用したもの。禁止のイメージがある赤色の円を錯覚で大きく見せることで、ドライバーの注意を引く仕掛けになっているのです。

「四角形」の標識は“安定・安心の効果”

 四角い標識は、『案内標識』や『指示標識』に使われます。「一方通行」や「停止線」、進行方向を示す「進行方向別通行区分」などがそれにあたり、青地のカラーが印象的です。四角い形は見る人に安定感、安心感をもたらす効果があるので、ドライバーが安心して標識の指示に従ってくれるよう四角形が採用されているのです。

「ひし形」「三角」の標識は“警戒心を高める効果”

 「交差点あり」や「すべりやすい」「幅員減少」「動物注意」などの『警戒標識』には、ひし形が使われています。これは、ひし形から伝わる不安定さ、とがった形に対し、人は無意識に警戒する心理が働くため。さらに警戒色である黄色と黒のカラーリングから、より注意を促しています。

 似たようなもので、三角の形をした標識もあります。標識の位置に横断帯があることを示す「横断歩道」や「自転車横断帯」がそれで、青地に三角形の形をしています。

実は2つだけしかない?「逆三角形」の標識のトリビア

 ひし形よりもより不安定な形とされ、こちらの注意を引きつける効果があるのが逆三角形の標識です。あちこちで見る機会があるメジャーな標識ですが、実は逆三角形の標識は「止まれ(一時停止)」と「徐行」のみ。特にドライバー守って欲しい、守らないと重大事故につながるものなので、逆三角形が採用されています。

 ちなみにこの「止まれ」と「徐行」の標識、実は海外では八角形(文字は「STOP」)が主流であることをご存じでしょうか。そして実はもともと、日本の「止まれ」と「徐行」の標識も八角形だったのです。

 ただ八角形では丸形の標識と誤認されるおそれがあること、さらに当時、ドイツで視認性の高い逆三角形が採られていたので、日本もそれにならって逆三角形を採用しました。しかしドイツではその後、国際基準の八角形のデザインに改められ、日本だけ取り残されてしまったのでした。

 そんなちょっと複雑な経緯があるものの、日本の「止まれ」と「徐行」の標識はそのまま逆三角形が採られています。ただ近年海外観光客が増えたこともあり、外国人ドライバーに配慮する目的で、昨今は「止まれ」の下に「STOP」、「徐行」の下に「SLOW」の文字が併記されるようになってきているそうです。

 標識ひとつとっても、形や色などにさまざまな工夫があるんですね。これからはより注意深く、標識を意識してみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・18 標識に「丸」とか「四角」とかいろんな形があるのはなぜ?(国土交通省 九州地方整備局 佐賀国道事務所)
http://www.qsr.mlit.go.jp/sakoku/activity/road/18.html
・道路標識一覧|標識の意味(交通ルール)まとめ(交通事故弁護士ナビ)
https://jico-pro.com/magazine/59/
・あなたは全部わかる!?意外と知らない道路標識と間違いやすい標識について(教えて!おとなの自動車保険)
https://www.ins-saison.co.jp/otona/oshiete/car/road-sign.html
・標識が「丸」「四角」など形が違うのは理由が!知れば事故や違反が減少する?(MOBY)
https://car-moby.jp/article/car-life/useful-information/road-sign-shape-guidance/

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