社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.07.26

「何か質問はありますか?」面接のNGな逆質問

 就職活動などの面接の際、「最後に何か質問はありますか?」と聞かれることは珍しくありません。この逆質問は面接の最後に自己アピールできる絶好のチャンスでもある反面、質問の内容によってはイメージダウンにつながってしまうことも。失敗しないためにも、逆質問で何を見られているのか、避けるべきポイントは何なのかをしっかりと把握しておきましょう。

逆質問で面接官が見ているポイント

 面接官やどのステップかによって異なるものの、逆質問で面接官が見ているポイントには「入社する意欲があるか」「いま会社が求めている人材か」「社風に合った人材か」といった点が含まれています。企業側の質問だけではなかなかアピールしきれない部分もあるので、逆質問は絶好の自己アピールの場であるということを覚えておきましょう。

こんな回答はNG

・「御社の主なサービスはなんですか?」「御社の強みはなんですか?」

 あらかじめ調べればわかるような質問は絶対NG。企業の基本的な情報を知らない=下準備をしていないと思われてしまうので、ネガティブな印象を与えてしまいます。入社を希望するならせめて企業のホームページなどを調べて、基本的な情報は事前に確認しておくようにしましょう。

・「月収はいくらですか?」「どんな福利厚生がありますか?」

 条件や待遇面は気になるところですが、こんな質問ばかりすると仕事内容ではなく待遇面で企業を選んでいるのでは?と思われる可能性も。それでも聞きたい場合には「御社の規定に従う考えですが、私と同じくらいの年齢・経験の方の年収がどれくらいか教えていただけますか?」など、ストレートな言い方はせずに聞くようにしましょう。

・「能力を伸ばせる環境でしょうか?」「入社してから勉強すれば大丈夫でしょうか?」

 自分のスキルアップを考えるのは良いことですが、会社は共に働いて利益を上げてくれる存在を求めて採用活動をしています。企業に依存している姿勢や、自分に自信のない不安そうな態度はマイナス評価に。「○○のスキルを持っているのですが、入社してから役立てることはできるでしょうか?」など、もともと持っているスキルをアピールするのが良いでしょう。

・「特にありません」

 質問することがない場合でも、言い方には気をつけましょう。「特にない」という回答は企業に対して興味がないのでは?と思われてしまうこともあります。もし面接の中で解消されていれば「面接いただいた中で確認させていただきたい点はすべてうかがうことができたので、これ以上は特にありません」など言い方を変えるだけでも、印象をがらりと変えることができます。
 

アピールにつながる回答例

・すでに知っている情報を深掘りする

 「私と同世代の方が活躍されているとのことでしたが、どのようなプロジェクトを担当されていますか?」「御社のサービスの強みである○○を生かして、今度どのような事業展開をお考えですか?」など、面接の中で出た話題を広げたり、ホームページで見知った情報についてより深く質問をすることは、企業に対する興味関心を示す良い質問となります。あらかじめ用意しておくのが良いでしょう。

・モチベーションの高さを伝える

 「入社までに勉強しておいた方が良いことはありますか?」「入社後はどんなステップで実務に入るか教えていただけますか?」など、入社したら前向きに頑張りたいという気持ちを伝える内容は印象アップにつながります。「努力します」「頑張ります」といった抽象的な言葉ではなく、具体的な言葉で示すとより好感度をアップできます。

・自分のスキルをアピールする

 「前職では○○のスキルを習得したのですが、入社後は生かせるでしょうか?」「人とコミュニケーションをとることが好きなのですが、配属先はどのような雰囲気でしょうか?」など、逆質問は前職や学生時代に得たスキルをアピールする絶好のチャンス。面接の内容だけでは伝えきれない自分の長所をしっかり伝えられるようにしましょう。

逆質問を有利に使おう

 繰り返しになりますが、逆質問は企業に関心があること、自分は企業の役に立つ人材であることをアピールする絶好の機会となります。このチャンスを無駄にしないよう、あらかじめ質問を用意しておくようにしましょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?

日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?

内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か

アメリカは一体どうなってしまったのか。今後どうなるのか。重要な同盟国として緊密な関係を結んできた日本にとって、避けては通れない問題である。このシリーズ講義では、ほぼ1世紀にわたるアメリカ近現代史の中で大きな結節点...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/10
2

知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」

知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方

人間がこの世界を生きていく上で、バイアスは避けられない。しかし、そこに居直って自分を過大評価してしまうと、それは傲慢になる。よって、どんな仕事においてももっとも大切なことは「謙虚さ」だと言う今井氏。ただそれは、...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/16
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
3

近代医学はもはや賞味期限…日本が担うべき新しい医療へ

近代医学はもはや賞味期限…日本が担うべき新しい医療へ

エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(3)医療の大転換と日本の可能性

ますます進む高齢化社会において医療を根本的に転換する必要があると言う長谷川氏。高齢者を支援する医療はもちろん、悪い箇所を見つけて除去・修理する近代医学から統合医療への転換が求められる中、今後世界の医学をリードす...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/19
4

AIは「暗黙知・常識に基づく高度な判断」が不得意

AIは「暗黙知・常識に基づく高度な判断」が不得意

AIとデジタル時代の経営論(6)暗黙知と判断力

一橋大学大学院国際企業戦略研究科研究科長・教授の一條和生氏によれば、AIが不得手なのは、暗黙知・常識に基づく高度な判断である。人間の役割はこうした暗黙知を捨てず、個々の状況での判断力を磨いていくことだ。暗黙知を支...
収録日:2017/07/24
追加日:2017/10/30
一條和生
一橋大学名誉教授
5

「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ

「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ

「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造

宇宙とは何かを考えるうえで中国の古典である『荘子』・『淮南子(えなんじ)』に由来する「宇宙」という言葉が意味から考えてみたい。続いて、地球から始まり、太陽系、天の川銀河(銀河系)、局所銀河群、超銀河団、そして大...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/13
岡朋治
慶應義塾大学理工学部物理学科教授