社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
「世界で最も賢い国ランキング」日本の順位は?
世界で最も知的な国は日本?
知識や知性はもちろんひとりひとり違うものですが、国ごとに平均的な水準があることも事実です。このため、国によって“賢さ”のランク付けもできるのですが、それでは日本はどれくらいの順位にランクインするのでしょうか。ネットショッピングなどを手がけるイギリスのEコマース運営サイト・Vouchercloudが2019年に行った「世界で最も賢い国・地域」ランキングでは、なんと日本が総合1位にランクインしています。この調査は、“過去”の指標となる「ノーベル賞受賞者数」、“現在”の指標となる「国民の平均知能指数(IQ)」、“未来”の指標となる「小学生の学習成績」の3点を基準にして評価を出したもの。日本の内訳は、ノーベル賞受賞者数と平均知能指数が6位、小学生の成績が5位となっています。
ノーベル賞受賞者数1位のアメリカは平均知能指数が28位、小学生の成績が13位で総合4位となっており、平均知能指数と小学生の成績が1位のシンガポールはノーベル賞受賞者数が73位で総合25位となっています。日本は3点とも1位になっていませんが、平均的に高水準だったことから総合1位になったことがよくわかりますね。
別の調査でも日本が上位にランクイン
Vouchercloudの調査は2019年のものなので、現在は発表されてから3年経っています。その間に社会情勢などは変化していますが、“賢さ”のランキングにも変化が起きているのでしょうか。残念ながらVouchercloudで同じ調査は行われていませんが、教育テストサービスを行うフィンランドの企業・Wiqtcom Inc.が「Worldwide IQ Test」で知的な国を調査し、2022年の集計データを発表しているので、こちらの結果を見てみましょう。
Wiqtcom Inc.の調査では、テスト受験者の平均知能指数を知的な国ランキングの指標にしており、1位は116.07の台湾でした。それでは日本は何位かというと、112.69で2位にランクインしているのです。条件が異なる調査でも、上位に入っているとは驚きですよね。しかも台湾は受験者数が少ないため、データの信頼性が低いのに対して、日本は受験者数が多く、より確実なデータが出ているのだとか。
また、それぞれのランキングには日本以外にも、アジア諸国が多く登場していることがわかりますよね。Vouchercloudのランキングでは平均知能指数と小学生の成績の両者でシンガポールが1位になっており、さらに総合3位には中国が入っていますし、Wiqtcom Inc.のランキングでは台湾が1位のほか、4位にも111.36で韓国が入っています。アジア諸国ではインドなど人口が増加している国も多く、今後ますます世界の中での存在感を強めていくでしょう。
なぜ日本は“知的”な国になるのか
このように、日本は知的な国という調査結果が出ましたが、なぜ日本人は“賢い”のでしょうか。アジア諸国も多くランクインしているところを見ると、黄色人種は特に知的になるような遺伝子を生まれながらに持っているのかもしれません。しかし、遺伝子の構造や遺伝子が脳にもたらす影響は現代医学ではわかっていない部分が多く、「あるかもしれないし、ないかもしれない」としかいえないのが現状です。医学新聞の「Medical Tribune」では、「頭がよくなる遺伝子はない」と報告されています。
遺伝するといえそうなのは頭のよさそのものではなく、頭をよくするきっかけとなる知的好奇心や向学心の部分でしょう。そして、この資質を伸ばすような家庭や学校で育つことで、頭のよさが身につくと考えられます。日本は義務教育が平等に受けられますし、子どもを優秀な学校に入れたいと考えて塾通いをさせるなどの教育熱心な家庭も多いです。子どものころから教育に触れて成長していくという環境が、日本の“賢さ”の要因といえそうです。
一方で、「賢い国ランキング」には中東やアフリカの国々がほとんどランクインしていません。これは、国が紛争状態にあったり貧困に陥っているためと考えられます。教育は時間と手間がかかるので、社会情勢が不安定だと子どもにじゅうぶん与えられないのです。全世界の人々が平等に教育を受けて、知性を得られる時代になってほしいですよね。
<参考サイト>
・Vouchercloud World's Smartest Countries
https://www.vouchercloud.com/resources/worlds-smartest-countries
・PR TIMES 【Worldwide IQ Test】世界で最も知的な国々をランキング形式で発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000100850.html
・ICT教育ニュース Worldwide IQ Test、世界で最も知的な国々をランキング形式で発表
https://ict-enews.net/2022/05/18worldwide-iq-test/
・ダイヤモンド・オンライン 2027年にインドが人口世界一に!? 日本の1億人割れはいつ?
https://diamond.jp/articles/-/275196
・Vouchercloud World's Smartest Countries
https://www.vouchercloud.com/resources/worlds-smartest-countries
・PR TIMES 【Worldwide IQ Test】世界で最も知的な国々をランキング形式で発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000100850.html
・ICT教育ニュース Worldwide IQ Test、世界で最も知的な国々をランキング形式で発表
https://ict-enews.net/2022/05/18worldwide-iq-test/
・ダイヤモンド・オンライン 2027年にインドが人口世界一に!? 日本の1億人割れはいつ?
https://diamond.jp/articles/-/275196
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
浮世絵を中心に日本画においてさまざまな絵画表現の礎を築いた葛飾北斎。『富嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」が特に有名だが、それを描いた70代に至るまでの変遷が実に興味深い。北斎とその娘・応為の作品そして彼らの生涯を深...
収録日:2025/10/29
追加日:2025/12/05
熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質
編集部ラジオ2025(30)西野精治先生に学ぶ「熟睡の習慣」
テンミニッツ・アカデミーで、様々な角度から「睡眠」についてお話しいただいている西野精治先生(スタンフォード大学医学部精神科教授)に「熟睡できる環境・習慣とは」というテーマで具体的な方法論をお話しいただいた講義を...
収録日:2025/10/17
追加日:2025/12/11
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和は、いかにすれば実現できるのか――古今東西さまざまに議論されてきた。リアリズム、強力な世界政府、国家連合・連邦制、国連主義……。さまざまな構想が生み出されてきたが、ここで考えなければならないのは「平和」だけで良...
収録日:2025/08/02
追加日:2025/12/08
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
「熟睡とは健康な睡眠」だと西野氏はいうが、健康な睡眠のためには具体的にどうすればいいのか。睡眠とは壊れやすいもので、睡眠に影響を与える環境要因、内面的要因、身体的要因など、さまざまな要因を取り除いていくことが大...
収録日:2025/03/05
追加日:2025/11/23
スケジュール管理で重要な「クリティカル・パス法」とは
プロジェクトマネジメントの基本(4)スケジュール・マネジメント
スケジュール管理はプロジェクトマネジメント(PM)に強く要請される要素である。プロジェクトの有期性を保全するためには、スケジュールをどう分析するのか。また、一つのプロジェクトの所要期間はどう割り出され、どんな技法...
収録日:2025/09/10
追加日:2025/12/11


