テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2022.08.27

中国人が羨ましいと思う日本の〇〇4選

 日本についての印象でよく聞かれるものに、治安が良くて清潔というものがあります。特にトイレ環境の良さといったことはときどき話題に上りますが、実際日本人のどういった点について、外国人はうらやましいと感じているのでしょうか。ここでは特に日本とは関係の深い中国人の感想からポイントを取り出してみましょう。

治安

 日本はやはり世界的にみても治安がいい国のようです。中国メディア網易(ワンイー)は「日本で窃盗犯罪が少ないのはなぜか」と題した記事で、「日本人は財布を含め、自分の身の回り品に対する警戒意識が薄く、非常に無防備」とした上で、それだけ窃盗が少ないからだと述べています。確かに日本では、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車であっても、口の開いたバッグに財布やスマホを放り込んだままにしている人を見かけます。油断しすぎだとは思いますが、こういったことがあまり問題になった記憶もありません。

 中国人の間では日本では「自転車にカギをかけなくても安心」といった声もあるようです。もちろん日本国内でも地域によるとは思われますが、確かにある程度気をつけていれば、盗難リスクは比較的低い国だと言えるのではないでしょうか。さらに記事の中では、2018年には東京だけで38億円もの現金が警察に届けられたという事実をとりあげ、中国人にとっては大きな衝撃とコメントしているとのことです。

トイレ

 温水洗浄便座(ウォシュレットやシャワートイレなど)についても、日本を訪れる外国人からさまざまな反応があるポイントではないでしょうか。特に中国人旅行客による、温水洗浄便座の爆買いが一時期話題となりました。今では中国でも日本製品を模した温水洗浄便座が製造されているようですが、日本製には追いついていないという話もあります。

 中国人の声によると、日本製の便座はいつまでもちょうどいい温度を保ち、自動洗浄機能も付いていて清潔とのこと。実際に、日本に住む中国人が住んでいるアパートの温水洗浄便座を紹介する動画などもあるようです。動画では、自動で流してくれたり脱臭機能があったり、材質も質が高くてさっとひと拭きするだけでピカピカになるので掃除も楽、といったことがコメントされているとのこと。コメント欄では「日本のトイレは一般家庭でもこれほどきれいなのか」と感嘆している人もいたようです。

住宅事情

 日本のマンションは駅までが近い、という話があるようです。もちろん場所によりますが、日本の都市部では比較的、駅周辺に背の高いマンションがある印象です。そういったエリアにはコンビニやスーパーができ、人々は遠い距離を移動しなくても生活できるコンパクトな街ができています。一方、中国ではマンションの門まで数分といったような、大規模なマンション群が建設されるようです。そこから駅まではまた少しかかるといったように、土地が広いだけに移動に時間がかかるようです。

 また、中国ではマイホームを持っていないと結婚できない、という話もあるようです。老後の安定は、持ち家があるかどうかということに大きく関係するとのこと。もちろん、日本でも歳を取ると賃貸は借りにくくなるので状況は似た部分はありそうです。ただし、日本では結婚する前にマイホームがある人は多くないと言えるでしょう。

パスポート

 日本のパスポートは世界的にみても、かなり便利と言えそうです。日本のパスポートを持っていると、旅行などの短期間での訪問の場合、192カ国においてビザが免除されます(2022年現在)。一方、日本に住む中国人の場合、例えばアメリカを旅行するためには、ビザが必要です。ビザを取得するためには、事前にアメリカ大使館にオンラインで申請書を記入送信し、ビザ申請手数料を払い、面接の予約を入れてから面接を受けるという手順を踏まなければなりません。

 192カ国にビザなし訪問できる日本のパスポートは、シンガポールと並んで世界一多くの国にビザなし渡航できるパスポートです(参考: 2022年版世界パスポートランキング)。ちなみに2位はドイツと韓国で190カ国、3位はイタリア、スペイン、フィンランド、ルクセンブルクの189カ国となっています。またこのランキングで中国は64位(80カ国)となっています。海外渡航の自由度からいっても日本は羨ましがられるようです。

<参考サイト>
一見些細なことでも、中国人が羨む「日本ならではのこと」=中国|Searchchina
http://news.searchina.net/id/1701115
日本人羨ましい!中国人が日本人を憧れる旅行で必要のアレ。|今すぐ中国語
https://www.imasugu-chinese.net/chinese/post21843
在日中国人のアメリカ観光ビザ(10年)申請|外国人のVISA専門オフィス
https://lawoffice-yokoyama.com/visitorvisa4foreigner/usvisa/forchinese/
【最新版】日本のパスポートは世界ランキング1位!2022年海外渡航状況|ESTA UNITED STATES
https://esta-center.com/passrank/index.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生

ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯

ピアニスト江崎昌子氏が、ピアノ演奏を交えつつ「ショパンの音楽とポーランド」を紹介する連続シリーズ。第1話では、すべてのピアニストにとって「特別な作曲家」と言われる39年のショパンの生涯を駆け足で紹介する。1810年に生...
収録日:2022/10/13
追加日:2023/03/16
江崎昌子
洗足学園音楽大学・大学院教授 日本ショパン協会理事
2

歴史のif…2.26事件はなぜ成功しなかったのか

歴史のif…2.26事件はなぜ成功しなかったのか

クーデターの条件~台湾を事例に考える(5)世直しクーデターとその成功条件

クーデターには、腐敗した政治を正常化するために行われる「世直しクーデター」の側面もある。そうしたクーデターは、日本では江戸時代の「大塩平八郎の乱」が該当するが、台湾においては困難ではないか。それはなぜか。今回は...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/17
上杉勇司
早稲田大学国際教養学部・国際コミュニケーション研究科教授 沖縄平和協力センター副理事長
3

国力がピークアウトする中国…習近平のレガシーとは?

国力がピークアウトする中国…習近平のレガシーとは?

習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(6)習近平のレガシー

「時間は中国に有利」というのが中国の認識だが、中国の国力はすでに衰え始めているとの見方を提示した垂氏。また、台湾問題の解決が習近平主席のレガシーになり得るかだが、かつての香港返還問題を事例として、その可能性につ...
収録日:2025/07/01
追加日:2025/10/16
垂秀夫
元日本国駐中華人民共和国特命全権大使
4

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち

たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
5

学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く

学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く

編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?

今井むつみ先生が2024年秋に発刊された岩波新書『学力喪失――認知科学による回復への道筋』は、とても話題になった一冊です。今回、テンミニッツ・アカデミーでは、本書の内容について著者の今井先生にわかりやすくお話しいただ...
収録日:2025/09/29
追加日:2025/10/16