社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
タイヤの寿命は何年?交換時期の見極め方
自動車を利用するときに意外に見落としがちで最も重要なパーツにタイヤがあります。エンジンが回らなければ自動車は動かないだけですが、路面と接するタイヤのコンディションによっては、重大な事故につながることも。安全な運転と自動車と長く付き合えるように、今回取りあげるテーマは、適正なタイヤ交換の時期についてです。
適正なタイヤ交換の判断指標の一つに「タイヤの溝」があります。新品時の溝はだいたい8mmありますが、4mm以下がタイヤの寿命と考えてください。道路運送車両法の保安基準において、タイヤの溝は「いずれの部分においても1.6mm以上」と定められています。どこか一部でも1.6mm未満になったものは整備不良として扱われ、車検も通りません。違反の対象になります。1.6mm未満になったタイヤを装着すると整備不良車両になり、制動装置等の整備不良として交通違反で2点の加点と6,000円~12,000円の反則金が科せられます。
また、タイヤの摩耗の程度は「スリップサイン」を確認することによって知ることができます。タイヤの側面に描かれた三角マーク(△)の延長線上にある溝の奥に、ゴムが盛り上がった部分があります。これが「スリップサイン」でタイヤの全周に複数設置されています。タイヤの摩耗が進行することで、やがてタイヤが地面と接触する「トレッド面」と「スリップサイン」とが同じ高さになります。
タイヤが路面と直接接する部分であるトレッド部にある溝や切れ込みは、総称して“トレッドパタン”と呼ばれ、1.タイヤと路面の間から水を除去する、2.タイヤの駆動力/制動力の確保、3.クルマの操縦安定性、4.タイヤの放熱性の向上といった効果があります。トレッド部分の溝が浅くなると、上述した効果が低下します。
特に、雨の日の高速走行時には排水性能が低下して、溝を通して十分に水を吐き出すことができず、タイヤが路面を滑りブレーキやハンドルがきかなくなるハイドロプレーニング現象を引き起こします。
制動距離が急激に大きくなる残り溝4mmが、タイヤ交換の目安になります。
使用環境などによっても摩耗の具合は変わってきますが、一般的なタイヤは4万キロメートルの走行距離に耐えうると考えられています。目安として5,000kmの走行で1mmほどタイヤが摩耗することから、新品のタイヤの溝(約8mm)から逆算すると、32,000kmほどの走行でタイヤの溝は1.6mmになり、交換のタイミングとすることができます。
タイヤの素材であるゴムの消費期限も交換のタイミングになります。溝が十分かつひび割れが無かったとしても、さまざまな要因によって目に見えないゴムの劣化が進行していることが考えられます。タイヤの寿命は最長でも製造から10年程度が目安ですが、タイヤメーカーは使用開始後4~5年での交換を推奨とのこと。ちなみにタイヤの製造年週はスリップサインとおなじく、タイヤの側面で確認できます。(「DAJ5020」と表示されていたら、数字に注目→ 50=50週=12月、20=製造年の下二桁ということで、2020年12月製造)
タイヤのひび割れの状態も交換の目安になります。走行状況や時間の経過とともにタイヤが傷つき、ひび割れていく経過にはいくつかの段階があります。基本的に、クラック(ひび割れ)がタイヤ内部のカーカスと呼ばれる骨格部分にまで達すると危険な状況なので、急いで交換しましょう。
・タイヤの空気圧チェック
タイヤの空気圧バランスが悪い場合、偏摩耗の原因となり、タイヤの劣化を早める
・タイヤローテーション
タイヤの順列入れ替えを定期的に行い、摩耗のくせを均一化する
・車庫と保管チェック
できるかぎり紫外線を避けて劣化を防ぐ
今回は通常のタイヤ交換目安についてでしたが、冬用のスタッドレスタイヤはまた違った指標があります。基本的にタイヤを長く使うには、急ブレーキや急ハンドル、ハンドルの据え切りは、タイヤを摩耗させる原因になることから、余裕のあるブレーキやハンドル操作、つまり安全運転をこころがけることでタイヤを長く使うことができます。
タイヤの交換時期の目安
ディーラーからの自動車を購入であれば、適正なタイヤ交換までをカバーする点検セットなどでサポートしてもらえますが、車を譲り受けたり、オークションなどで中古車を落札したら、タイヤの状態チェックから交換は自分で行うことになります。適正なタイヤ交換の判断指標の一つに「タイヤの溝」があります。新品時の溝はだいたい8mmありますが、4mm以下がタイヤの寿命と考えてください。道路運送車両法の保安基準において、タイヤの溝は「いずれの部分においても1.6mm以上」と定められています。どこか一部でも1.6mm未満になったものは整備不良として扱われ、車検も通りません。違反の対象になります。1.6mm未満になったタイヤを装着すると整備不良車両になり、制動装置等の整備不良として交通違反で2点の加点と6,000円~12,000円の反則金が科せられます。
また、タイヤの摩耗の程度は「スリップサイン」を確認することによって知ることができます。タイヤの側面に描かれた三角マーク(△)の延長線上にある溝の奥に、ゴムが盛り上がった部分があります。これが「スリップサイン」でタイヤの全周に複数設置されています。タイヤの摩耗が進行することで、やがてタイヤが地面と接触する「トレッド面」と「スリップサイン」とが同じ高さになります。
タイヤが路面と直接接する部分であるトレッド部にある溝や切れ込みは、総称して“トレッドパタン”と呼ばれ、1.タイヤと路面の間から水を除去する、2.タイヤの駆動力/制動力の確保、3.クルマの操縦安定性、4.タイヤの放熱性の向上といった効果があります。トレッド部分の溝が浅くなると、上述した効果が低下します。
特に、雨の日の高速走行時には排水性能が低下して、溝を通して十分に水を吐き出すことができず、タイヤが路面を滑りブレーキやハンドルがきかなくなるハイドロプレーニング現象を引き起こします。
制動距離が急激に大きくなる残り溝4mmが、タイヤ交換の目安になります。
タイヤの性能と交換時期
タイヤの溝やスリップサインといった状態に加えて、性能から交換した方がよいタイミングもあります。使用環境などによっても摩耗の具合は変わってきますが、一般的なタイヤは4万キロメートルの走行距離に耐えうると考えられています。目安として5,000kmの走行で1mmほどタイヤが摩耗することから、新品のタイヤの溝(約8mm)から逆算すると、32,000kmほどの走行でタイヤの溝は1.6mmになり、交換のタイミングとすることができます。
タイヤの素材であるゴムの消費期限も交換のタイミングになります。溝が十分かつひび割れが無かったとしても、さまざまな要因によって目に見えないゴムの劣化が進行していることが考えられます。タイヤの寿命は最長でも製造から10年程度が目安ですが、タイヤメーカーは使用開始後4~5年での交換を推奨とのこと。ちなみにタイヤの製造年週はスリップサインとおなじく、タイヤの側面で確認できます。(「DAJ5020」と表示されていたら、数字に注目→ 50=50週=12月、20=製造年の下二桁ということで、2020年12月製造)
タイヤのひび割れの状態も交換の目安になります。走行状況や時間の経過とともにタイヤが傷つき、ひび割れていく経過にはいくつかの段階があります。基本的に、クラック(ひび割れ)がタイヤ内部のカーカスと呼ばれる骨格部分にまで達すると危険な状況なので、急いで交換しましょう。
タイヤを長く使うために
タイヤは消費期限がある消耗品であることを前提に、長持ちさせるために必要なことは、スペアタイヤも含め、すべてのタイヤの定期的な点検です。・タイヤの空気圧チェック
タイヤの空気圧バランスが悪い場合、偏摩耗の原因となり、タイヤの劣化を早める
・タイヤローテーション
タイヤの順列入れ替えを定期的に行い、摩耗のくせを均一化する
・車庫と保管チェック
できるかぎり紫外線を避けて劣化を防ぐ
今回は通常のタイヤ交換目安についてでしたが、冬用のスタッドレスタイヤはまた違った指標があります。基本的にタイヤを長く使うには、急ブレーキや急ハンドル、ハンドルの据え切りは、タイヤを摩耗させる原因になることから、余裕のあるブレーキやハンドル操作、つまり安全運転をこころがけることでタイヤを長く使うことができます。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
世界で最もクリエイティブな国は? STEAM教育が広がる理由
数学と音楽の不思議な関係(4)STEAM教育でつくる喜びを全ての人に
世界では「創造性がどれくらい大事か」という問題意識が今、急激に高まっている。創造性とは全ての人にあり、偏差値などでは絶対に計れない、まさに無限軸の創造性のこと。そうした創造性を育む学びが「STEAM教育」である。最終...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/09/18
なぜ日本の所得水準は低いのに預金残高は大きいのか
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(2)政府債務と預金残高の背景
国際的に見て、政府の債務残高が大きい日本。その背景には、バブル崩壊後の財政赤字を取り戻せていないことがあった。その一方で、預金残高も高い日本。所得が低いのに預金が多い日本の謎を解説する。(全4話中第2話)
※...
※...
収録日:2025/07/10
追加日:2025/09/17
米長邦雄のアンラーニング、弟子の弟子になってV字成長
経験学習を促すリーダーシップ(2)経験から学ぶ力
人が成長していくために重要な経験学習。その学習サイクルを適切に回していくためには、「経験から学ぶ力」が必要になる。ではそこにはどのような要素があるのか。ストレッチ、リフレクション、エンジョイメントという3要素と、...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/17
「100年戦争」と考えて戦争に突入した日本の現実
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(8)満州事変と世界大恐慌
日本の陸軍は第二次世界大戦を「100年戦争」であると見なした。勝てる見込みは少なかったにもかかわらず、天皇と国民の一体性という精神主義によって、総力戦になだれこんでいった。石原莞爾が満州事変を起こした時に描いたスト...
収録日:2020/02/26
追加日:2020/08/04
各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴
「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率
日本の政治史を見る上で地理的条件は外せない。「島国」という、外圧から離れて安心をもたらす環境と、「山がち」という大きな権力が生まれにくく拡張しにくい風土である。特に日本の国土は韓国やバルカン半島よりも高い割合の...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/15